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サントリーの認知機能改善サプリ「DHA&EPA+セサミンX」「オメガエイト」、アメリカでは虚偽表示

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もの忘れなど認知機能改善を暗示するサントリーの「DHA&EPA+セサミンX」(左)と「オメガエイト」(右)。アメリカでは虚偽広告となる
 サントリーの人気サプリメント、「DHA&EPA+セサミンEX」と「オメガエイト」。「魚のサラサラ成分が、考える力をサポート」「ついうっかりや、計算間違いが増えた人のために」など、記憶力・集中力改善の機能性を暗示して宣伝しているが、これはサントリーの社員も関与した試験の結果を自社製品に都合のよい解釈で捻じ曲げた可能性が高い。アメリカでは6月9日に連邦取引委員会(FTC)が、DHA(ドコサヘキサエン酸)サプリへのこうした効果の表示・広告は虚偽にあたるとして禁止する判断を下した。消費者庁は人の臨床試験データを条件に企業が自己責任で機能性表示できる制度を検討中だが、新制度には米FTCのような企業が提出する試験データの信ぴょう性を批判的にチェックする機関が必須だ。
Digest
  • 「人の名前が出てこない」もの忘れに効果があるか?
  • サントリー関与の試験は効果なしを無理やり効果ありに
  • アメリカではDHAサプリの認知機能改善効果を禁止に
  • 「頭につけたままのサングラスを探し回る」ような症状の改善には効果なし
  • 自己判断は3か月を目途に効果が感じられなければやめる

「人の名前が出てこない」もの忘れに効果があるか?

青魚のさらさら成分として日本でも人気のDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)。特にサントリーの「DHA&EPA+セサミンEX」は、DHA成分のサプリメント市場9年連続売上No.1を維持するヒット商品だ。

2013年の年間売上は154億円にも上る(企業売上ベース。健康食品のコンサルティング会社グローバルニュートリショングループ調べ)。

DHAやEPAは、魚油に含まれるオメガ3系という不飽和脂肪酸の一種で、健康食品の機能性成分としては研究が最も進んでいる成分のひとつだ。

NHKで5月13日に放送されたクローズアップ現代「健康食品が変わる 規制改革の波紋」でも、水産食品メーカー研究所の辻智子所長が「有効性を人で試験するという論文は、2,500以上発表されています。膨大です」とコメントしているほど。

NHKの番組の中でも、人での有効性の根拠が高い成分として、ビタミンCと並んでトップに並べられている。

ただ証明されているのは、血中中性脂肪の低下作用や、長期的な摂取で冠動脈疾患の予防効果などに限られる。

一方、DHAやEPAのサプリで宣伝されている効能はそれだけではない。サントリーやアメリカの一部の事業者は、記憶力の改善や、認知機能の低下予防への効能も宣伝している。しかし、

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サントリー「DHA&EPA+セサミンX」のHP広告。「考える力」への効果をアピール。

2014年6月24日の朝日新聞の中の広告。もの忘れへの効果を明示している。

サントリー「健康情報レポート」での、効果を示したグラフ。

サントリーの論文の間違い。

アメリカで虚偽表示とされた「BrainStrongAdult」

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