JR東日本にグリーンスタッフとして入社した車田政美氏(20代、仮名)※特定を避けるため画像処理しています
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JR東日本のグリーンスタッフ(みどりの窓口や改札等の駅員業務をする契約社員)既卒採用の求人募集をみた車田政美氏(20代、仮名)は、入社3年後に受けられる試験に通れば正社員になれる、という制度に魅力を感じて応募し、晴れて入社した。配属先は新宿駅。待遇は年収約450万円、福利厚生としてJR無料パス(新幹線も乗り放題)がついた。サビ残はなく、睡眠時間や休日もしっかり確保でき、上司も優しかった。だが、研修中には教官から「ちゃんと頑張れば正社員になれる」と聞いていたのに、新宿駅の先輩たちからよくよく話を聞いてみると、実態は、正社員は狭き門。それどころか、正社員試験に3回落ちると“強制解雇”となることを初めて知り、唖然とした。正社員ポジションをエサに非正規を使い捨てていくJR東日本人事の内実を、車田氏の証言に基づきお伝えする。
【Digest】
◇新宿駅みどりの窓口で働く
◇女性管理職「教育助役」が不良社員に目を光らせる
◇年収450万の内訳、格安ホテル、新幹線は乗り放題
◇正社員は狭き門、5年経っても試験不合格の場合“強制解雇”
◇新宿駅みどりの窓口で働く
車田政美氏(20代、仮名、本人の意向により性別は伏せる)は、本州の私大を卒業し、関東圏で会社勤めをした後、より安定した生活を求め、JR東日本(以下「JR」)に契約社員として入社した。きっかけは、転職活動をしていた数年前(2010~2013年のいずれかの年)、JRの中吊り広告で「グリーンスタッフ」の既卒対象の求人募集をしているのを発見したことだった。
グリーンスタッフとは、JRの、みどりの窓口や駅の改札で、切符の販売や運賃の精算をしたり、びゅうプラザ(駅構内の旅行業営業所)のカウンター業務などをする「契約社員」を指す。
「その求人広告には、年間契約社員として雇いますが、その後、正社員の試験があります、と謳っていたので、応募することに決めました。待遇は月給18万円からで、夜勤手当などの各種手当もついて、宿泊の場合は最低4時間の睡眠は取っていただく勤務体系です、とありました」(車田氏)
グリーンスタッフの採用方法は、まずは、「インターネット試験」だった。
「数学、現代文、社会常識を問う試験で、制限時間約2時間で答える内容です。わりと難しい内容でしたが、ネット試験なので、正直、替え玉をしてもわからないのでは、と思いました。もちろん、私はそんなことはやっていませんが」(車田氏)
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グリーンスタッフ既卒採用の募集要項(今年9月入社用、同社HPより)
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次に、インターネット試験通過者のみ、東京都北区田端にあるJR東京支社ビルで「筆記試験」と「面接」を行った。筆記試験の内容は
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「道場」と社員の間で呼ばれているJR東日本研修センター(公益社団法人 日本建築家協会HP内の㈱山下設計の建築士・北田道明氏の紹介ページより) |
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JR東日本の駅員が使うベッド。どんなに爆睡していても起床時刻になると無理矢理でも起きれる仕組みになっている。(画像は04年8月27日付ITmedia LifeStyle芹澤隆徳氏の記事「レビューJR御用達、あの『おこし太郎』に起こされてみた」より) |
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JR新宿駅(街並画像.comより) |
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