森永「小枝」、ロッテ「パイの実」に要注意…トランス脂肪酸量を隠し続ける怪しいチョコ菓子たち
主なチョコ菓子のトランス脂肪酸含有量を調べた。対応は、ブラックな2社(森永、ロッテ)と、前向きな2社(明治とグリコ)に、はっきり分かれた。 |
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- ロッテ「コアラのマーチ」国内製品は一箱当たり0.1~0.2g程度
- グリコ・明治・森永のチョコレート菓子と比較すると
- 大手コンビニの100円チョコレート菓子は?
- なぜトランス脂肪酸の表示は進まないのか
ロッテ「コアラのマーチ」国内製品は一箱当たり0.1~0.2g程度
香港で販売されているロッテの「コアラのマーチ」のトランス脂肪酸量は、一箱食べただけで、世界保健機関(WHO)が推奨するトランス脂肪酸の1日当たりの摂取上限値(2g)に相当する量でることは、すでに前回の記事で紹介した。
ただこの商品はタイで製造されているもので、香港やフィリピンなど、東南アジア諸国で販売されているものだ。一部は、アメリカへも輸出されている。
一方、日本で販売されている商品は、国内の狭山工場で作られているもの。そこで筆者もかかわっている「食の安全・監視市民委員会」は、「日本消費者連盟」と共同で、ロッテに対して、国内の「コアラのマーチ」でのトランス脂肪酸の含有量などについて、質問状を送った。質問状とその回答が左図だ。
ロッテへの質問状と回答1 |
質問事項は、
1、日本で製造販売されている「コアラのマーチ」トランス脂肪酸の含有量について
2、香港の商品で使用されていた発がん物質を含む「カラメル色素Ⅳ」が日本の商品にも使用されているのか?
等だ。
ロッテからの回答では、日本の商品での含有量は一箱(48g、50g)当たり0.1~0.2gとのこと。タイ産の商品の10分の1から20分の1の量、ということになる。また、カラメル色素も、発がん物質を含まない「カラメル色素Ⅰ」だとのことだった。
日本の商品(国内生産)は、タイ産の商品に比べて安全性は高い、ということになる。日本の消費者としては一安心だろう。
ロッテに限らず、国内の製造業者はこれまで、トランス脂肪酸の含有量の情報を隠し続けてきた。商品に表示が無いだけでなく、消費者が企業のお客様相談室へ問い合わせても、「開示できない」と拒否してきた。
積極的に公表しているのは先にも記事にしたとおり、製パン業界だけだ。
今回、ロッテが、限定的ながら商品のトランス脂肪酸量を回答したことは、評価すべきだろう。
ただ、なぜ国内と海外とで、10倍~20倍もの差をつけているのか?という疑問が残る。
製造原価などの問題があるのかもしれないが、同じように海外生産を行っている江崎グリコや明治製菓の場合、後述のとおり、海外生産も国内生産も、トランス脂肪酸含有量は同程度で管理できている、とのことだ。
江崎グリコの「ポッキー」は、「上海の工場でも製造している。製法や原材料は日本と同じとは言えないが、中国ではトランス脂肪酸の表示義務があるので、0gと表示できる範囲で管理している」とのこと。つまり、国内産も、ごく少量、ということになる。
明治製菓の「きのこの山」や「たけのこの里」は、
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ロッテへの質問と回答2
大手製菓メーカーのチョコ菓子のトランス脂肪酸量の聞き取り調査の結果
主要なコンビニの100円チョコ菓子のトランス脂肪酸調査結果
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