ロート製薬のフケ取りシャンプー「メディクイックH」は強力環境ホルモン殺菌剤入り――「〇〇ゾール」に要注意
環境ホルモン作用のあるアゾール系「ミコナゾール」を使ったロート製薬の薬用シャンプー「メディクイックH」。 |
- Digest
-
- ヨーロッパで禁止が検討中のアゾール系殺菌剤
- 農薬だけでなく医薬品にも利用
- 過去には高用量処方で無精子症の被害も
- ふけ予防のシャンプーリンスもアゾール系「ミコナゾール」
- 薬局で簡単に手に入るアゾール系水虫薬にも要注意
「シャンプーしてもかゆい」「フケも~」「かゆみ・フケ その原因は頭皮に潜む菌でした」「だから頭皮のメディカルシャンプー、フケ、かゆみの原因菌に働くメディクイックHシャンプー」
というCMのロート製薬の薬用シャンプー「メディクイックH」。その有効成分の「ミコナゾール」は、環境ホルモン物質で、EUが禁止を検討中のアゾール系殺菌剤の一つであることが判明した。
アゾール系殺菌剤とは、「@@ゾール」という名称のものが多いのが特徴の殺菌剤で、種類が多いが、いずれもその作用メカニズムは、細菌の細胞膜を作るステロールの生成を抑制して、細菌を殺すというもの。
細菌だけでなく人間を含めた動物の体内でもステロールの生成を抑制して、男性ホルモンなどの生成を抑制することで、健康被害を起こす可能性が指摘されている。EUでは環境ホルモン候補リストに掲載し、使用禁止が検討されている。
ヨーロッパ連合(EU)で、環境ホルモン作用のある農薬に関しては販売禁止にする方向で検討を続けていることは、11月28日の記事で紹介したとおりだ。
「サンキストの輸入レモンは環境ホルモン農薬漬け――欧州調査で4割がNG、日本ではなぜか農薬が「食品添加物」として認可」
そうした動きに対して、欧州の農薬メーカーが、反対の動きを強めている。環境ホルモンに対するEUの規制強化の動きについて、今年の8月にフランスで報道されたドキュメンタリー番組の中でも「現在、欧州では400種類ほどの化学物質が農薬として使われていますが、少なくとも50種類が環境ホルモンだと判断され、市場から撤退を求められる可能性があります。これらは欧州全体の農薬販売額の40%を占めておよそ80~90億ユーロ(1兆1760億円~1兆3230億円)になります」(クリック先のYoutube動画の23分50秒あたり)、と農薬業界(欧州作物保護協会)の事務局長のジーン=チャールズ・ボケット氏が訴えている。
農薬の販売量が減るだけであれば、農薬業界だけの問題だが、農業団体も禁止農薬が増えると農産物の生産量が減少する、と言って使用禁止への反対するキャンペーンを始めている。
ヨーロッパで禁止が検討中のアゾール系殺菌剤
その中でも特に注目を集めているのが、このアゾール系の殺菌剤なのだ
この先は会員限定です。
会員の方は下記よりログインいただくとお読みいただけます。
ログインすると画像が拡大可能です。
- ・本文文字数:残り2,816字/全文3,866字
アゾール系農薬の日本の農産物での残留状況
医薬品として使用されているアゾール系殺菌剤「ケトコナゾール」の男性ホルモン阻害作用は、アセトアミノフェンの3倍の強さ。
アゾール系殺菌剤「ミコナゾール」を使った薬用シャンプー
アゾール系殺菌剤を使った水虫治療薬などの市販薬
Twitterコメント
はてなブックマークコメント
facebookコメント
読者コメント
このシャンプーは普通にドラックストアで販売されている。
そんなに強力な殺菌成分が含有されているメディクイックHを使って、本当に痒みとかフケは改善するのかね?
記者からの追加情報
会員登録をご希望の方はここでご登録下さい
新着のお知らせをメールで受けたい方はここでご登録下さい(無料)