米国で全面禁止のトランス脂肪酸 マーガリン使用上位は雪印と明治、コンビニはファミマだけNG、マックは嘘を公言 (2015年最新情報)
2015年6月段階での国産マーガリンのトランス脂肪酸ワースト1位(100グラムあたり含有量が同量)の3商品。全35商品の含有量は下記一覧表(3つめの画像)参照。 |
- Digest
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- アメリカで主要発生源の「部分的水素添加油」の全面禁止へ
- コンビニのフライ油はファミリマートだけ水素添加
- 国産マーガリンに含まれるトランス脂肪酸ランキング最新版
- 日本での「部分的水素添加油」の生産量は
- アメリカでも販売可能なのはJオイルミルズの「ラーマ」だけ
- 日本マクドナルド「実は8年前から変えていました」
- 筆者の問い合わせの前日にHPに公表
アメリカで主要発生源の「部分的水素添加油」の全面禁止へ
アメリカでトランス脂肪酸の対策がさらに一歩進んだ。人工的トランス脂肪酸の主要な発生源である「部分的水素添加油」を食品添加物とみなして、使用禁止とすることを正式に決定したのだ。
暫定的には2013年の11月7日に発表されていて、パブリックコメントの処理に1年半ほどかかり、6月16日に正式発表された。
6月16日にアメリカ食品医薬品局(FDA)が出したプレスリリースはこちら。
その日本語訳のPDFを記事末尾につけているのでぜひ読んでいただきたい。主要な部分を抜き出すと、以下のとおりだ。
「今回の対策で年間数千件の心臓発作死を防げる」
「2003年から2012年の間にアメリカでのトランス脂肪酸消費量は78%も減少したが、それでもまだ公衆衛生上は問題がある」
「可能な限り少なくすることが必要」
「猶予期間3年の間に、主要な発生源である部分的水素添加油を食品から排除する」
「現状の表示では、部分的水素添加油を使っていても一食あたり0.5グラム未満ならトランス脂肪0グラムと表示できるが、消費者は原材料成分表示をよく見て『部分的水素添加油』と書いてあるものは食べないようにすることを勧める」
などなど、日本とは真逆の見解と勧告があふれている。
日本では、トランス脂肪酸の摂取量は、世界保健機関(WHO)の基準値より少ないので健康の影響は小さいと判断され、規制もなく、表示の義務もない。アメリカのように原材料表示を見て避けるということも不可能だ。対策はすべては企業の自主努力任せになっている。
日本国内でのトランス脂肪酸の実態については2013年に2回ほど記事にしている。
米国で禁止のトランス脂肪酸 国内ワーストマーガリンは日本生協連、ファストフードのワーストはマクドナルド
そこで今回のアメリカの規制強化を受けて、日本の食品中のトランス脂肪酸が2013年以降どれだけ減ったのか減っていないのかを調べようと、マーガリン業者、コンビニ各社、ファストフード各社に聞き取り調査を行った。
コンビニのフライ油はファミリマートだけ水素添加
コンビニ各社の揚げ油でのトランス脂肪酸の主要な発生源である「部分的水素添加油」の使用の有無一覧。 |
先ずはコンビニ店頭で売られている揚げ物のフライ油について調べた(左図)。
前回対策をしていないと言っていたサンクスが、「実際に使用しているのは日清のサラダオイルで、家庭用に売られているもの(トランス脂肪酸は100グラム当たり1.5グラム)より少ない油(100グラム当り0.9グラム)と回答してきた。
前回、「個別商品への取り組みの詳細は公開していない」と回答を拒否したファミリーマートは、今回、「一部に『部分的水素添加油』を含んだ油を使用している」という回答だった
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2015年6月段階での、家庭用マーガリンでのトランス脂肪酸含有量の多いワースト35商品の含有量。
「食用精製加工油脂」3種類の生産量の推移。
ファストフード各社の揚げ油でのトランス脂肪酸の主要発生源「部分的水素添加油」の使用の有無一覧。
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