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リクルートキャリア リクナビ営業マンが教える「ブラックを理由に『未達』で終わり評価が下がったら面白いことが何もないので、全力で採用支援に取り組む」構図――学生が知っておくべき自己責任論

情報提供
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リクルートキャリア2017年夏の賞与(総合職=GE社員)。これ以外に月単位、四半期単位の達成インセンティブがある。(詳細は末尾よりPDFダウンロード可)

空前の人手不足(2017年3月の有効求人倍率1.48倍=43年ぶり)となり、人気のない中小企業やブラック(と噂される)企業を中心に、採用にカネをかけざるをえなくなっている。中高年はともかく、新卒市場は激戦を極め、シェアトップの『リクナビ』にとって最高の事業環境だ。そんななか、国の規制が及ばないリクナビには、厚労省が書類送検した悪質334社をはじめブラック企業も軒並み掲載され、いいお客さんとなっている。現場営業マンとしては、上から担当企業と目標数値を課されるため、広告営業をやり切るしかない構図だ。『マイナビ』台頭もあって前期は「国内人材募集」売上高が前年比4.2%増にとどまり、業績連動の夏季賞与も「標準」100に対し104と微増だった。ブラック企業からの仕事を自主規制する余裕はなさそうだ。

Digest
  • 保証分は理論年収の約7割、残りは会社業績と個人評価で変動
  • 様々なインセンティブ
  • 目標が達成できないと半期で降格も
  • どこまでリクルートのカルチャーに酔えるか
  • 住宅手当はゼロ、転勤してもゼロ
  • 新卒6年半、中途5年で年収約1年分の退職金
  • 同じ顧客にリ社の人間が何人も…
  • 正社員は3割くらい、非正規「RA」が戦力に
  • 外から見たら区別つかない正社員とRAさん
  • 正社員は「人気」「ビッグ」中心、「ポテリテ」も
  • 採用コスト1人300万円のケースも
  • 非正規の活用がうまいリクルート
  • 「学生に選ばれないのも仕方ない」会社も全力で支援
  • リクナビから社内外への転職キャリアパス
  • 人工知能で変わる採用マッチング
  • 上場効果でコンプラ厳しく
  • 残業月45時間までに制限開始

保証分は理論年収の約7割、残りは会社業績と個人評価で変動

リクルートの賞与は透明性が高い。分社業績によって原資が決まり、それが、グレード別に、半期ごとの個人ミッションの達成度評価で配分され、社内で公表される。セグメント業績が「やや良」だった前期決算を受けた2017年6月支給の半期賞与は、表の通りとなった。たとえば社内ランクが非管理職の一番上である「М6」で、半期評価が「A」(普通)なら、104万円×1.20=124万8千円である。

リクルートは2014年に持ち株会社(リクルートホールディングス)が東証一部上場。傘下に各分野の事業会社がぶら下がる。その中核事業会社の1つである株式会社リクルートキャリアは、正社員を中心とする人材分野を担当し、メディアとしては『リクナビ』『リクナビNEXT』『リクルートエージェント』『アントレ』等を担当し、なかでも新卒採用広告市場では圧倒的な国内シェアトップを誇る。

報酬水準を決める社内ランクは、「М(ミッション)1」~「М14」まで細分化されている。新卒はМ2から始まるため、M1は降格用グレードだ。中途は、М2~M4の間からスタートするのが一般的である。

М5以上は、ほぼ内部昇格者となる。「M5で『社内で一人前』、M6で『どこに行っても一人前』、というのが社内で説明されている基準」(社員)。М7から上がGМ(ゼネラルマネージャー)で、管理職クラスとなる。労基法上の管理監督者扱いとなるため、残業代はつかなくなる。

新卒は全員、М2からスタート。中途はМ2かМ3から入ることが多く、М4から入るケースもある。幹部採用は別として、現場の営業マンの中途入社は、上限がМ4。年俸450~680万円が、中途募集の際のレンジだ。簡 単にいうと、「想定理論年収」は、M2=450万、M3=550万、M4=650万ほどで、プラス、インセンティブや業績連動ボーナスの上振れがある。

ただし、この理論年収は最低保証ではなく、会社の業績が悪化するとボーナス相当分はカットされるため、最低保証分は、この7掛けとなり、それを12で割った額が毎月の固定給として支払われる。

初任給は(学卒、修士卒ともに)月給27万8799円(基本給18万7954円+みなし残業手当9万845円)。これが「M2」の給料である。ボーナスは今回実績で夏61万円(評価が平均の場合)、年間で122万円。合計で年収455万円。

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リクルートの半期年俸制『ミッショングレード制度』の年俸水準と内訳。PDF参照。

現在、リクナビNEXTでは、「月給33万1836円以上(所定外労働時間手当含む)」という条件で募集されているが、これが「M3」の給料である。所定外労働時間手当については、「58時間分の所定外労働時間手当10万8127円含む」とある。これは月58時間分の残業をしたとみなす、事業所外の「みなし時間」制なので、58時間以内ならばこの残業代が一定で支払われる。

月33×12か月=396万円。これが7割にあたる固定給だ。 M3の場合、個人評価が平均(A)の場合で、夏のボーナスが

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リクルートキャリアの「GIB」(GOALINBONUS)制度の仕組み。ようは褒賞旅行を促進する制度である。

総合職「M4」社員の源泉徴収票

総合職の「内定通知及び入社にあたっての処遇条件」。退職金の項目には「退職一時金制度、キャリア支援金制度(転進支援制度、NEXT制度)」とあるが…

リクルートキャリアの現場組織と人員構成

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r2017/06/07 02:44会員
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