『ケチって火炎瓶』 安倍首相と暴力団の疑惑を追う山岡俊介氏が階段から転落 右肩骨折、頭部7針の本人に直撃インタビュー
【写真左】安倍晋三氏と小山佐市氏(右) 【写真右】安倍首相と小山氏の疑惑を追う最中、駅階段から転落したジャーナリストの山岡俊介氏 |
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- 第一報の衝撃 安部首相疑惑追及の記者が重症
- 安倍首相「選挙妨害・自宅放火事件・暴力団関係」とは
- 転落現場の階段に駆けつけた
- 山岡氏宅前に立つ不可解な人物
- 「ゆっくりと自分が落ちていくと認識しながら落ちた」
- 監視カメラがない階段だった
- 武富士事件と同様に記者クラブメディアは沈黙するが・・・
第一報の衝撃 安部首相疑惑追及の記者が重症
8月10日、前日に投稿された以下のツイートに目が釘付けになった。
【第1報】7日21時ごろ、山岡俊介さん @yama03024 が新宿のスタジオアルタの地下階段を降りようとしたところ、体が飛ぶようにして転落。救急車で病院へ運ばれ、右肩骨折、頭部7針を縫う重傷。「誰かに押された記憶はないが、どうしてあんなところで飛ぶのか」と話している。某事件との関係は不明。
投稿者は、安倍首相にまつわる「某事件」を山岡氏とともに取材したジャーナリストの寺沢有氏である。
いやな予感がした。長年にわたり事件取材を続けてきた山岡氏の身に起きた過去の事件を、筆者はすぐに思い起こしたからだ。
2005年7月、何者かによって山岡氏の自宅が放火されている。さらに2007年8月には、脅迫状とカッターナイフが送りつけられた事件もあった。
脅迫状などから、いずれも取材や記事に起因する事件であることがわかっており、山岡氏は「犯人のめどはついている」と言う。当時、そのことを警察にも伝えているが、放火・脅迫状とカッターナイフの両事件は、今もうやむやになったままだ。
また、警視庁が、犯歴情報という個人情報を消費者金融の武富士に流し、武富士からはお中元お歳暮などが出ていたほか、個人の信用情報を警察に流していた事件(いわゆる武富士事件)も、山岡氏は積極的に取材していた。
武富士事件は、問題ある企業と警察の癒着という大スキャンダルだった。その取材をしていた山岡氏の自宅電話は、武井保雄武富士会長の指令によって、盗聴されていたことも判明した。
山岡氏は、取材者であるとともに、盗聴の被害者だったわけだが、逆に新宿警察署より、任意捜査という名の取り調べを連日受け、新宿警察署の田中刑事から「お前は銀バエだ」などと罵声を浴びせられた(03年5月23日午後)。
自らの不正を隠蔽するために警察は、武富士に対する恐喝未遂事件をでっち上げ、逆に山岡氏を逮捕しようと試みていたのである。
しかし、山岡氏自宅電話の盗聴を指示していたとして、武富士の武井保雄会長が03年12月2日、電気通信事業法違反容疑で逮捕され、形成は一気に逆転した。
武富士も大きな事件だったが、山岡氏が追及している安倍首相の某事件は、民主主義体制の根幹を揺るがす深刻な問題だ。山岡氏の主催するアクセスジャーナルでの連載記事と寺澤有氏の電子書籍 、そして二人の対談を基に、以下で重要部分をコンパクトにまとめた。
安倍首相「選挙妨害・自宅放火事件・暴力団関係」とは
【上】1通目確認書。すでに竹田力筆頭秘書とのやりとりや、「古賀つぶし」(選挙妨害)についても触れられている。【中】2通目願書。竹田秘書により、7月3日午前10時に安倍晋三氏と小山氏を直接対面させる旨が記されている。【下】3通目確認書。上記の直接面談を踏まえた文書。 |
安倍晋三衆議院議員の事務所が1999年4月の下関市長選で、対立陣営候補(古賀敬章・元衆院議員)の選挙妨害を、暴力団とつながりのある建設会社会長・小山佐市氏に依頼した。
小山氏は実際に、古賀候補の誹謗中傷ビラを配布した。結果は、古賀氏の落選、安倍事務所が応援した江島潔氏が当選した。
ところが、選挙妨害活動に対する見返りがなく、特定危険指定暴力団の工藤会系高野組の高野基組長ら関係者とともに、怒った小山氏は、2000年6月から8月にかけて、安倍晋三氏の自宅や後援会事務所など、4か所に、火炎瓶で放火を試みた(小山氏は冤罪を主張)。
政治家の自宅や関係箇所を火炎瓶攻撃されたにもかかわらず、安倍事務所は警察に捜査を依頼せず、山口県警も動こうとしなかった。
ところが3年経った2003年11月、放火未遂事件で小山氏と工藤会系高野組の高野基組長が逮捕されたのを皮切りに、関係者複数人が逮捕された。
当時、今は廃刊した『噂の真相』が、放火事件の背景には、安倍事務所による選挙妨害依頼があった、と報じたが、他のマスコミはとりあげなかった。
しかしその後、共同通信社が取材して記事化する寸前までいった。ところが2006年9月26日に第一次安倍政権が発足して約一週間後の10月2日、共同通信社は会議を開き、記事を見送ることを決定した。選挙妨害事件という大スキャンダルが握りつぶされたのである。
翌年2007年3月9日、福岡地裁小倉支部で小山佐市氏に懲役13年、高野組長に懲役20年の判決が言い渡された。
それでも山岡氏らは追及の手を緩めず、2014年8月、寺澤氏とともに安倍氏の筆頭秘書だった竹田力氏(元山口県警の警視=16年8月死去)のもとを訪れ、トラブル解決のために安倍晋三氏と小山氏を引き合わせたこと、「私が一筆入れました」などの証言を引き出す。
竹田証言も録音しており、今年7月28日に筆者が主催する講演会(前半・後半で録音の一部を公開した。
それから4年後の2018年5月10日、事態は急展開する。2月に出所した小山氏が山岡氏に電話したが、つながらず、寺澤氏に電話して、つながった。急遽、山岡・寺澤の両名は下関にとび、5月13日に小山氏を長時間にわたり詳細にインタビューしたのである。
小山氏本人の証言動画撮影とともに、存在が指摘されていたが現物が公になっていなかった、安倍事務所と小山氏との3つの確認書類を、二人は目にする。つまり、動かぬ証拠が出てきたのだ(3通の文書については、ぜひ山岡氏主催のアクセスジャーナルおよび、寺澤氏の電子書籍で読んでほしい)。
事件から18年ぶりに当事者がビデオカメラの前で当人しか知りえない事実を証言し、3通の確認書などが出てきたことで、大転換すると思いきや、大マスコミ(記者クラブメディア)は現在も沈黙を決め込んでいる。
しかし2人のジャーナリストによって、インターネット上で、急激にこの事件の内容が拡散されるようになった。
その矢先に起きたのが、階段転落“事故”なのである。
【上】新宿駅前アルタ左の階段を山岡氏は下りようとした。駅前広場に面しているわりに人通りは少ない。【中】階段の上から下の踊り場まで前転し止まることなく転落。地下鉄や地下通路につながる階段だが監視カメラはまったく設置されていない。【下】手前の踊り場で階段の上の方向(写真撮影者と同じ方向で)に向かいうつぶせ状態で体が止まった。 |
転落現場の階段に駆けつけた
山岡氏が扱っている安倍首相にまつわる疑惑は、深刻な要素を含んでおり、過去の自宅放火事件や脅迫・カミソリ事件があるだけに、まずは転落現場を確認し、山岡氏本人に事情を聞かねば、と筆者は新宿に向かった。転落の4日後である。(8月7日午後9時転落、筆者が現地に向かったのは8月11日午後2時)
現場は、新宿駅東口駅前のアルタスタジオに向かって左側の階段だ。地下通路や、地下鉄駅へと通じている。14段の階段の下には広い踊り場があり、さらに右方向に階段が続く。
特別に急な傾斜ではなく、ビルの階段としては標準的な段差で、角度もごくふつうだ。
新宿駅前だから、そこそこ人通りはあるものの、新宿駅ビルに直結する階段のような膨大な人々が利用するほどでもない。微妙な人通りの階段である。つまり、駅ホームに直結する階段よりは、はるかに人が少ない。
14段降りた踊り場には、ポタポタと液体が垂れたようなシミが付着していた。かなり出血したというから、山岡氏の血液跡だろうか。すぐにでも山岡氏に会わなければ、と2度電話するも、留守電だった。
新宿を跡にして別の場所に移動したが、気になって、その日の16時5分に再び山岡氏に電話した。ようやくつながると山岡氏は、
「事故だとは思うんですけど・・・」
と小さな声で、控えめな答えが返ってきた。その声を聞いて、逆に、今すぐ会いにいかなければ、と彼の自宅へ向かった。
山岡氏宅前に立つ不可解な人物
山岡氏宅が経つ界隈は、ふしぎな街並みである。裏町的な雰囲気もするし、古い東京の趣もある。
住所をたよりに自動車も通れないような路地を進むが、行き止まりもあり、すぐには家を探し当てられなかった。
この辺りだな、と思う地点にきて右方向を見ると、若い男が立って何かしているような感じだ。周囲にはまったく通行人がいないのでなんとなく目立つ。
さらに歩みを進めると違う番地になってしまったため、再び戻ると、2分ほど前に見た男がまだ立っていた。スマホか何かをいじっているような様子だったが、細かな動作は覚えていない。
そちらの方向に私が歩き始めると、男はきびすを返し、その先にある石段を登り去っていった。
歩みを進めるとようやく、山岡宅を見つけた。先ほどまで男が立っていた場所の前が山岡氏の自宅だった。
16時55分、気になったので時刻を確認した。
「ゆっくりと自分が落ちていくと認識しながら落ちた」
ちょうど2週間前の7月28日に、筆者が主催する講演会「いま話題の安倍首相・重大キャンダル~安倍晋三氏(あるいは安倍事務所)は、本当に選挙妨害を暴力団関係者(当時)に”発注”したのか?に、この問題を取材した山岡氏と寺沢有氏を招いて事件の詳細を語ってもらったばかりだ。
2週間ぶりに見る山岡氏は、疲れているように見えた。右の目じりが紫色になり、明らかに内出血しているのがわかる。あとで聞いたら右目の視力が一時低下したという。
右肩は骨折して少し赤くはれ上がっている。右前頭部は縫い針の痕が、なまなましい。
――いったいどうしたのですか。第一報を聞いたとき、泥酔して転落したんじゃないか、とも一瞬思ったのですが。
「当日は裁判の件で弁護士と打ち合わせしていました。カルピスなんとかというのを一杯飲んだだけで、酔ってなどいません。
打ち合わせ終了後、スタジオアルタと『カフェ・ド・ボア』という喫茶店の間にある階段を下りて、地下鉄で帰宅しようとしていたんです」
【上】右肩を骨折し1カ月の重傷。【下】診断書。 |
――人にぶつかったとか背中を押されたよう感覚はありましたか
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【上】ケガをする10日ほど前の講演会で。【下】ケガをして疲れた表情の山岡氏。一時右目の視力が低下したという。
小山佐市氏が獄中から安倍総理に出した嘆願書の1枚目。下関市内の安倍事務所で面談したさいのことなどが書かれている。(赤線は筆者)
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陰謀論なんて余程の証拠がない限り、一般人からも「ああ、またあの手合か」と呆れられるだけなのに学ばないね
あぁそういやアベの不正を追っていた足下の読売新聞記者も不自然な格好で自殺扱いされて暗殺されたのも一次政権のときだったな。
「山岡氏は、主宰するサイト『アクセスジャーナル』で、安倍首相の大スキャンダルを連日報じていた」「安倍事務所が1999年4月の下関市長選で選挙妨害を依頼。しかも安倍晋三自身が事後処理に係っていた」。
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読者コメント
閉鎖的な記者クラブ制度やクロスオーナーシップ制度を
認めてる後進国日本において、既存の大手メディアには
何も期待できない。所詮''安定サラリーマン''化した奴らが
ジャーナリストになれる訳なかろう。外人に嗤われてる。
それとも、総裁選を控えてるから''忖度''してるのかな?
公平な報道を求むってつい最近もお達しがあったしな。
#ケチって火炎瓶 #安倍とやくざと火炎瓶 の事件をテレビも新聞も報道しません。この記事はもとよりお事件そのものを拡散してくださるようお願いします。
もし万一、山岡俊介氏が暗殺されるような事があれば、日本はプーチンの支配するロシアや中国共産党が支配する中華人民共和国と同じだ。自称愛国者達は見たい現実を見るのでは無く耳の痛い報道を直視してほしい。
自称美しい国、日本はプーチンの支配するロシアのような国んになりつつある。これは民主主義の危機というレベルではなく、それ以上の危機だ。
大手マスコミって本当に使えないね。存在価値がない。
記者からの追加情報
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