自殺した社員の遺族に富士通が読み上げた、死者をあげつらい、自己弁解に終始した「説明書」の中身
自殺した富士通社員・Aさんの妻B子さん |
- Digest
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- 自殺から3ヶ月後に行われた事情説明
- 死者の無能をあげつらう「説明書」
- Aさんは本当に能力不足だったのか
- 配属初日に「教えられなくても仕事はやれ」
- 「対策」はやはり席替えだけ
- 「守るべき社員」を選別する富士通
自殺から3ヶ月後に行われた事情説明
自殺後の会社側の対応で、「守るべき社員」を都合よく選別する富士通の冷酷な体質が浮き彫りとなった。
2017年10月に自ら命を絶った、富士通社員Aさん(当時50歳)。元々は同社の地方営業所でSEとして働いていたが、16年6月、「知財グループ」という部署に異動。同社が保有する知的財産に関してSEから寄せられる問い合わせ・相談に回答するほか、富士通の保有する特許を侵害する第三者がいないか、などを調査する業務に就いた。
だが配属後、直属の上司にして、すでに部内で「クセのある人」との評価があった「D」というグループリーダーから、執拗な叱責を受け、苦悩。薬を服用せずには眠れなくなり、やがては自殺念慮に取り憑かれるようになった。
Aさんが17年2月24日に精神科を初めて受診した際のカルテには、「異動した部署に自分の気分次第で怒鳴る、クソみたいな人がリーダーにいる。無神経な事を平気で言う人。なじる、けなすを平気でこなす人」という医師による記述がある。
さらに別の病気で日大病院を受診した際も、医師から「メンタルクリニックにかかっていたのは職場の人間関係?」と問われたAさんが「そうです。(中略)上司、先輩です。すぐ大声で怒鳴ったりする人で」と答えている。
亡くなる直前のAさんは大学病院の精神科に入院していたが、妻であるB子さんが病院に見舞いにいくと、「俺、働きたいし、新しい配属先(注=知財グループの解体・再編に伴い発足した別の部署)で心機一転頑張りたいけれど、ごめん、もうダメだ。頭がおかしくなっちゃったんだ。こうなっちゃったのはあいつ(Dリーダー)のせいだ。会社のせいだ」と訴えていたという。B子さんは言う。
「亡くなる前の夫の頭の中はDと会社、そればかりでした。しかし夫は会社で起きたことのすべてについて私に話してくれたわけではありませんし、最後は口にすること、思い出すことも深刻な苦痛になってしまっていたので、こちらからは聞きたくても聞けませんでした。彼が富士通で本当はどういう目に遭っていて、何が彼をそこまで追い詰めたのか。それを私は、どうしても知りたいんです」
Aさんが亡くなって以来、B子さんは富士通に対し事情説明をするよう再三要請していたが、富士通側は「弁護士との協議が必要」との理由でなかなか応じないまま時間は経過。ようやく開かれたのは、自殺から約3ヶ月が過ぎた17年12月末日のことだった
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亡くなったAさんが生前通っていたメンタルクリニックのカルテ。「異動した部署に自分の気分次第で怒鳴る、クソみたいな人がリーダーにいる。無神経な事を平気で言う人。なじる、けなすを平気でこなす人」などと訴えていた
富士通産業医による診断書。「抑うつ状態」と診断され、2度の休業を余儀なくなされた
日大病院を受診した際の診療記録にも、Dに対する訴えが記録されている
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読者コメント
航空機が事故を起こせば調査されますが、過労死、過労自殺した労働者の場合は検視など行なわれるでしょうか?火葬した後にああでもない、こうでもない。それも遺族が訴訟を起こしたり、メディアが取り上げた時に話題になる程度では根本的に解決しないでしょう。官僚、医師、教師が恵まれた処遇で頑張ってるから、黙っていろという空気がコワイです。
3か月の間に富士通にとって不利になる材料のもみ消しを図ってそう。パソコンデータや証拠書類の消去または捏造、同じ部署の人間に対して口封じ、など平気でやってそう。
この事件、個別指導塾スタンダードみたいにテレビが後追いするのかな?後追いしなかったらマジでゴミだよね。訴訟にならないと新聞やテレビは報道しないのか?
富士通本社で海外部門の課長を務めていた飛田野達也さん(当時42)が2011年4月29日朝、自宅で死亡した。妻が発見した。急性心不全だった。三田労働基準監督署(東京)は、東日本大震災の対応に追われた長時間労働が原因だったとして、2012年8月30日付で労災認定した。
富士通って2012年にも過労死問題起こしてるのか。急性心不全。会社の体質って変わらないのな。
本当にひどい話で心から同情します。残念ながらDさんやC課長のような人はどこの会社にでもいます。残念ながらこんな会社にはコンプライアンス規約があっても全く機能していないし、会社は隠蔽することしか考えない。B子さんにはAさんの無念をはらすべく、真実を報道し今後も戦ってほしいです。
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