PCリサイクルに見るIBM(レノボ)の脱法精神
![]() |
「お申込みから回収まで2~3週間程度かかります」と面倒くささをアピール(?) |
今回は引越しに合せてのもので、急ぎだ。さっそくIBMのリサイクル受付窓口(先月、レノボに運営を移管したばかり)に電話。まず、2回ほどつながらず(受注センターには絶対につながるが)、やっとつながったと思ったら、どうも様子がおかしい。
「申込書を郵送しますので、まずは規約を読んで、サインをして、返送して下さい。それが確認できましたら、こちらから『エコゆうパック伝票』を送りますので、それをPCに貼って、郵便局に回収を申し込んで下さい。全体で2~3週間ほどかかります」
--アップルは、その場でクレジット決済して、速達でお願いしたら、2日後に伝票が届いて3日目に回収完了しましたけど。規約は伝票についてましたね。必要なら、ネット上で読んで了承ボタンを押しますが、どこにありますか?
「私どもは、すべて書面で行っているんです」
--ネットの直販で製品を売るときも規約を承認しますが、すべてネット上でボタンひとつでやっていますよね。なぜ売るときは負荷をかけないのに、リサイクルになるとプロセスを面倒にして消費者に負荷をかけるの?電話だって、売るときは絶対につながるけど、リサイクル受付は話し中ばかりだし。
「我々としては、後々、トラブルがあってはいけないので、お客様としっかり契約を結ぶということで…」
--急いでるので、一回で終わらせて欲しいんですが。なんで2回も郵送でやりとりをしないとリサイクルしてくれないんですか?
「そういうご要望があったことは、上の者に伝えておきます」
--要するに、リサイクルは儲からないからなるべくやりたくない、と。プロセスが面倒だと、不法投棄が確実に増えますよ。リサイクルの促進という法の趣旨に反すると思いませんか。あなたがたの脱法的行為のために、われわれ消費者が無駄な時間と労力を費やすのも、納得できない。PCを処分したい時というのは、引越しなどですぐに処分したい場合が多いんだから、余計な郵便のやりとりをしているヒマはないんです。回収が義務付けられているんだから、一発で回収してよ。
「現状では、どうしても2回のやりとりが必要となっております。ご要望があったことは、上の者に伝えておきます…」
同じ法律に基づいて設計されるプロセスでも、アップルなら3日で済む作業が、IBMでは2週間はかかる。試しに、ソニー、富士通、デルといった他社を調べてみると、すべてアップル方式だった。2回も郵便のやりとりを押しつける会社は、IBMだけなのだ。
申請プロセスを面倒にして申請数を減らすのは、行政機関の常套手段。多くの人が、その無意味なやりとりに辟易として、諦める。確かにカネ儲け主義に徹し、短期的にIBMの株主に利益を還元することを考えたら、儲からないリサイクルなど、少しでも受け付けないほうがいい。
ただ、そういった環境問題を無視して利益追求に走る姿勢は、私のような、それほどLOHASでもない人間であっても疑問に感じるので、長期的にみたブランド価値が毀損していることに気づくべきだ。
合法的な範囲内で、もっとも利益を追求すると、IBM の発想になる。だが、それは法の趣旨に照らすと、脱法的と言われても仕方がない。私は法の趣旨に則り、IBM本社宛に、料金着払いで送ってあげることにした。メーカーは回収を義務付けられているので。
Twitterコメント
はてなブックマークコメント
facebookコメント
読者コメント
※. コメントは会員ユーザのみ受け付けております。記者からの追加情報