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NewsPicks著者インタビュー

『いい会社はどこにある?』

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ブログNewsPicks表紙
ザ・プロフェットというコーナー

MyNewsJapanの創業時(2004年)は、今と違って株式会社設立には取締役・監査役が計4人必要だった。当時、マーサージャパンに在籍していた中里基さんには、初台の東京オペラシティタワーを訪れ、その場で就任に必要な実印を押してもらった。もともと、ネットニュースメディア(ジャーナリズムとコマーシャリズムの両立)設立に強い興味を持って活動していた同志で、2つ返事で創業メンバーになってもらった。昨年まで、ずっとうちの商法上の役員だった。

Digest
  • 就活市場の変化のなさについて
  • 「複数の軸」を使って物事を見ることの重要性
  • 大学の就職支援課の役割
  • 親世代読者の読み方
  • 新卒カードについて
  • 昭和から続く労働環境の不変ぶり
  • 「やっているフリ」ばかり
  • リクルートまでが保守化している
  • フリーランスという選択肢
  • 同一労働多重賃金

以下は2002年~2003年ごろの話だ(単行本『やりがいある仕事を市場原理のなかで実現する!』に収録)。

経営面では、井上のほか、やはり外資コンサル会社にいた中里基(監査役に就任)、そして佐藤裕一(現『日刊ベリタ』取締役)らで、ネットニュースのビジネス化を議論した。表参道の『ヤフーカフェ』などに毎週末集まり、PC画面を見ながら、必要な機能やビジネスモデルについて話し合った。

――「ニュースのビジネス化-6 本格的なビジネスモデル構築」

中里さんはPWC時代の後輩でもあるが、PWC(IT)、マーサー(人事)、CDI(戦略)、企業再生支援機構(官民ファンド+ハンズオン)、リブセンス(ベンチャーのナンバー2)と経営人材スキルのピースを着実に埋めてすっかり仕上がり、今では元から強い思いのあった上場ネットメディア(NewsPicks)に移籍して執行役員に収まっている。思いは実現するのである。

というわけで、NPの読者向けに本書内容を知らせて貰うべく中里さんに持ち込み、プロフェットなるコーナー担当の藤田美菜子さんを紹介してもらった。分厚い本にもかかわらず深く理解したうえで、わかりやすい2本のタイトルに凝縮し、よくまとめてくれている。

1本目:【新】就活生に伝えたい、理想の職場を見抜く「目利き力」


2本目: 【直言】日本人の「働き方」が本当に変わるために必要なこと


ここでは私の著作権が及ぶ部分だけ、補足しつつ会員向けに収録。

就活市場の変化のなさについて

東大生就職先ランキング
東京大学「就職先企業・団体」ランキング

20年も時間が経てば、社会の新陳代謝で新しい企業がランクインするのが自然です。しかし、日本はそうはならなかった。GAFAのような企業が日本では育たなかったことが、これらのランキングから分かります。東大生の就職人気企業ランキングでも、目新しい変化はアクセンチュアのようなコンサル企業が人気を伸ばしたことや、メーカーの順位が落ちたことくらい。いまだにIT企業はあまり上位に入ってきません。

そしてランキングの上位には相変わらず、メガバンクや生保損保の大手を筆頭に、中高年ほど仕事がラクで高給になる年功序列型の古い企業が目立ちます。これらの企業は日本国と一心同体の既得権に守られています。就活に向けて10代から準備さえしておけば、ローリスク・ハイリターンな人生が手に入るわけで、学生の企業の選び方はきわめて合理的だといえます。

雇用安定マップ
雇用安定マップ

ただし、安定志向といっても、そこには「一つの組織に依存する安定」と「組織横断的な安定」の2種類があることを理解すべきです。前者の安定は組織と一蓮托生であるため、企業の先行きに自分の人生が左右されてしまいます。

究極の安定といえるのは、後者の「組織横断的な安定」です。たとえばグーグルで技術職として働いている人や、医師免許を持っている人などは、所属する組織がどうなろうと、市場のなかで次の仕事を見つけることができるはずです。

組織横断的な安定につながるスキルは、「市場ニーズが今後も高い状態が続くスキル」です。具体例としては、やはり医療やIT分野のスキルですね。

市場ニーズのないスキルに自己投資をしても、それは収入に結びつかず、自己満足の趣味の世界で終わってしまいます。したがって、学生や若いビジネスパーソンは、「今後も市場ニーズが高いスキル」と「自分のやりたいこと」の2つの軸を重ね合わせる視点でキャリアを構築していかないと、究極の安定は掴めません。

「複数の軸」を使って物事を見ることの重要性

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学問の功利性マップと「新卒で雇われる力」

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