年金基金で国民1人あたり4万5千円のツケまわし 責任者の面々
近藤純五郎 【厚生労働省名鑑(時評社)より】 ■現住所 〒140-0011 東京都品川区東大井4-4-20-201 03-5479-9004 (平成17年度版 日本紳士録(株)交詢社より) ■近藤社会保障法律事務所 〒140-0001 東京都品川区北品川1-22-17NICハイム北品川102 03-3472-0731 ■同氏が顧問弁護士をしている 医療経営コンサルタント会社MMPG(メディカル・マネジメント・プランニング・グループ) 〒104-0061 東京都中央区銀座8-11-11TK銀座8丁目ビル2階 03-5537-3411 |
- Digest
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- 本当の補助金ランキング50
- 責任は必ず、個人にある
- 最大の戦犯は近藤純五郎・元次官
- 坂口元大臣の重い責任
- 予算案認めた谷垣、簡単に通した甘利
- 清算の経緯
本当の補助金ランキング50
前回の記事で、昨年度の補助金等は、実は11兆円にものぼることを報じた。金額が多い順に並べると(下記)、トップはダントツで「年金資金運用資金」。その理由は、リゾートホテル・グリーンピアの事業失敗と、コゲついた年金住宅融資の清算にある。
グリーンピアは、旧厚生省の事業として1973年からはじまり、全国13箇所に建てられたが、赤字経営が続き、税金の無駄遣いと散々批判を浴びた結果、2005年度末までに全廃することが2001年に閣議決定された。建設費用は総額3,730億円で、売却総額はたったの48億円。
年金住宅融資は、年金の被保険者に対する住宅ローンの融資で、1973年から始まり、累計で403万件、25兆8千億円の貸付を行ってきたが、借り入れの返済額が、回収額を上回る逆ザヤが続き、これも01年の閣議で、05年度末での廃止が決まった。
補助金等ランキング上位50。天下り人数付き。 東大・京大に国民1人あたり1千円ずつ、くらいはまだ分かるが、年金資金運用基金の失策に4万5千円は理解できない。多くの国民の意見は誰も責任をとらないなら「返せ」だろう。 |
そして、事業を行ってきた年金資金運用基金(旧年金資金事業団)は、平成18年4月に新法人に移行することが決まり、グリーンピアと年金住宅融資の借金残高にあたる6兆3千億円を、17年度中に一括で返済することが決まった。根拠法は、平成16年6月にできた「年金積立金管理運用独立行政法人法」という長文の法律だ。
責任は必ず、個人にある
この法律によって、自己資金で返済する約1兆9千億円を除いた約4兆4千億円(6.3-1.9)を、国民のカネで尻拭いしてあげることが決まった。20歳以上の有権者1人あたり、実に約4万5千円にもなる。これだけの穴を開けて、なぜ誰一人として責任をとらないのか。
この二事業の清算のつけは国民に回された。マスコミは、あまりにひどいグリーンピアについて事実関係は報道したが、結局、為政者個人の責任を明らかにする報道はなく、いつもの「ガス抜き」に終始している。このままだと、また同じことが起きるので、個人資産没収・退職金返上など、何らかの形でけじめをつけてもらわなければ困る。
それでは、誰が責任を負うべきか。確かに、大臣や次官、年金局長などの官僚機構、無駄遣いを止めなかった与野党の国会議員など、責任は多岐に及ぶ。だが中でも、実質的な権限を握っていた、官僚トップである歴代次官の責任は重い。
最大の戦犯は近藤純五郎・元次官
なかでも、近藤純五郎・元次官(右上写真)は、その中心にいた人物で、もっとも罪が重い。
近藤氏は、バブルで経営が悪化していった1994年当時に年金局長となり、2001年に事務次官に就任。01年の「年金福祉事業団」廃止の責任を取らず、「年金資金運用基金」へと衣替えさせた。
同年、グリーンピア、年金住宅融資の廃止が閣議決定されたものの、責任を取らず、翌02年の次官退任後には、その年金資金運用基金の理事長に堂々と天下った。そして、繰り上げ償還で4兆4千億円の莫大な借金のツケを国民の金で支払わせた。
坂口力元厚生労働大臣【議員のホームページより】。 2000年12月から2004年9月までの3年9ヶ月もの間、行政の長である厚生労働大臣についていたが何もせず。 ■国会事務所 〒100-8981 東京都千代田区永田町2-2-1衆議院第一議員会館617号室 03-3508-7187
■三重県事務所 |
坂口元大臣の重い責任
政策決定の最終責任を負う政治家では誰に責任があるか。公明党の坂口力議員(写真右)は、2000年12月から2004年9月までの3年9ヶ月もの間、厚生労働大臣についていたが、行政の長でありながら、一貫して年金の無駄遣いの責任を取ることなく、また、官僚に責任を取らせることも、何もしなかった。
予算案認めた谷垣、簡単に通した甘利
予算の面では、2006年で年金資金運用基金の借金の一括返済で約4兆4千億円を支出する予算、つまり国民の税金で政策の失敗を尻拭いする予算案を、そのまま認めてしまった財務大臣の谷垣禎一議員の責任も重いが、こちらも、全く責任をとっていない。
左:谷垣禎一財務大臣【財務省ホームページより】 4.4兆円もの国民の金を使って年金無駄遣いの借金の清算をしたにもかかわらず、財務省の長でありながら、全く責任を取っていない。 ■東京事務所 〒100-8982 東京都千代田区永田町2-1-2 衆議院第2議員会館212号室 03-3508-7012(直) ■福知山事務所 〒620-0054 京都府福知山市末広町1-1 中川ビル3F 0773-22-5335 Eメールoffice@tanigaki-s.net 右:甘利明【議員のホームページより】 第162回国会(平成17年)の衆院予算委員会の委員長。年金無駄遣いの借金のつけ回しで4兆4千億円もの国民の金が投入されるにもかかわらず、予算修正動議を出すこともなく簡単に予算を通した。 ■大和事務所 〒242-0028 神奈川県大和市桜森 3-6-14 046-262-2200 ■東京事務所 〒100-8982 東京都千代田区永田町 2-1-2衆議院第2議員会館 528号室 03-3581-5111 内線(7528) office@amari-akira.com |
国会では、4兆4千億円の繰上げ償還の法案について、平成16年5月から年金未納問題などで世論が騒然としていた中で審議され、衆院厚生労働委員会、本会議、参院で可決され、同年8月には民主党が廃止を定めた法案を提出したが、276対186で衆院本会議にて否決された。
法案を通した責任の所在でいうと、特に当時、法案を審議する衆院の厚生労働委員会の委員長だった、自民党の衛藤晟一(えとう・せいいち)元議員の責任は重いが、同議員は2005年に郵政法案に反対し、厚生労働副大臣を罷免、その後の選挙で造反議員として自民党の公認を得られず落選した。落選の身でも責任は免れるものではない。
法案が通った以後も、予算委員会がある。4兆4千億円もの金が投入されるのだから、予算をつけずに法律の見直しを迫ることもできたはずだ。しかし、平成17年度の予算委員会の審議では、与野党ともに予算修正動議を出すこともなく、簡単に通過してしまった。
特に、衆院予算委員会の甘利明委員長(自民党、写真右)と与野党9人の理事の責任は重い。9人の理事とは、伊藤公介(自民党)、金子一義(自民党)、渡海紀三朗(自民党)、松岡利勝(自民党)、茂木敏充(自民党)、佐々木秀典(民主党、2005年選挙時に引退)、島聡(民主党、2005年選挙で落選)、田中慶秋(民主党、2005年選挙で落選)、石井啓一(公明党)である。
清算の経緯
なお、グリーンピアと年金住宅融資の借金残高にあたる6兆3千億円のうち、
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読者コメント
明治以来の官尊民卑の思想が明白にある。公僕であることを忘れている。彼らが目覚めさせるためにも最近の事件も起こるべきして起こったものだと思う。
公務員は悪い事をしている自覚がないからなぁ。警察にしても裏金を横領、着服しても逮捕者すら出さないっしょ。普通の会社じゃありえないほど保護されているせいだろうね。
NHKを始めとして「救済法案」「救済法案」という言い方が耳について腹立たしい!野党もマスコミも一般国民より一段上の高みにあるという自負があるのかなんなのかわかりませんが、「損害賠償法案」なり他に言い方があるはずではないでしょうか。(生活者からの発信です)
かつては簿記3級も持ってない人が凄い額のお金管理してました。あまりにオソロシイので辞めるといったら、水飲んで暮らせと言われました。
社会性がないのは納得。民間経験必須にしたら?でもいい加減なことやってるのが、ばれるから恐いのかな?
官僚の横暴を止める手だてのない日本国の法制度を何とかしろ!加えて日本の銀行の過去最高益、これ国民の犠牲の結果ではないの、税金を投入した結果の再生ではないの、俺、日本の銀行は潰して、外国の銀行に任せ、国民に応分の利子を配分させた方が良いと思う。役立たずの日本の銀行サラバ!
まさに、開いた口が塞がらないというのはこのことだろう。日本の役人の中に、本当に“公僕”と呼べる人はいったい何人いるんだろう。おい、政治家!お前らどうにかしろ!
これだけひどいと一度、年金を納めた人に全額戻して再度方法を考えて始めたほうがいいのでは・・・。そして不明な点や疑惑などの膿を出し切ってほしい。あまりにもひどすぎる。
グリーンピア内に、海水浴場があったのですが、入るだけで料金取られるとの事で入らずに引き返した思い出があります・・・
公務員は個人責任を問われない今の制度が問題。本人達は悪いと思ってやっていないが、民間の株主代表訴訟に準じた経営責任を問える制度にしないと、チェックが働かない。
公務員は民間経験5年以上などの試験受験資格要件を付けるのはどうだろう。広い世間を知らずにいきなり公務員になるからこんな悪例が蔓延するのではなかろうか。また、公組織はトップダウン・硬直的組織から変わることが難しいので、せめて外部監査を強化する必要があると思われる。
降格&窓際か地方にトバされて、減給ですよ。もちろん会社にいられないぐらいの冷遇をされて、実質的には自ら辞表書くところまで、追い込まれますね。これだけの損害を出せば。純五郎さん今豪邸でまだ年金と退官後の手当てだけで飽き足らず役員報酬までせしめてるんですねぇ。
公務員の権限はおそらく?「適切」な決済手順と「崇高」な大儀に裏打ちされて「公正」に行使されてるので、結果について責任のとりようが無いのでしょう。彼らの良識が、納税者のコモンセンスと異次元のメカニズムで成り立ち、偏狭で特異な経済原則を感得しているために外部とのプリミティヴな接触は避けるのが常。一般庶民としては、隔靴掻痒で、指揮監督に当たる所謂「選良」と、何よりもメディアの活躍に期待するしかない。
研修の一環として、こういった、いらないリゾートホテルや年金住宅の建設現場で1ヶ月ぐらい働いて、お金稼いでみたら、どうですか?汗水垂らして働いて、1日何千円とかたぶん、億とか兆とか事業計画資料の数字でしか見ない人達なんで、自分がどれだけの借金をこさえてしまったのか、お分かりにならないんでしょう。
大臣は変わるが、各省庁の次官級の輩は強大な権力を退職後も持ち続ける。「格差社会」は戦後半世紀かけて、こいつらが作った負の遺産だ!近藤純五郎以外にもゴマンといるだろう。すべて個人名をマスコミで公表させた上で退職金、年金全額返還させろ!財政赤字の借金を国民に負わせた責任はそれでも全く足りないが。。。
近藤純五郎....しっかり覚えておきます。
そろそろ人任せの政治から脱却しなくては。国民が直接参加できるように法律改正が必要。爺の借金を孫まで背負わせるのはおかしいと思う。爺の借金は爺が返すべきです。早くしないと、爺が死んでしまう。
この悪人達を日本国民はのさぼらせてはいけない。
こういう人達にはひどい目に遭ってもらわなければならない。悠々自適にすごして幸せいると思うと腹がたつ。
政治家様とお役人様はやりたい放題だな。
こういうことをやっていたら税金がいくらあっても足りない。税金を払うのが馬鹿らしい。日本の3大義務に納税の義務があるがいい加減、非納税の権利を作ってほしい。赤字を作った人に何故、給料や退職金を税金から出すのか分からない。何とかして公務員(官僚)責任追及法でも作らなければいつになっても国民の負担は減らない。こんな人達の為に働いて税金を納めていると思うと馬鹿らしい。
こういう奴らが集まって無駄遣いをやっているから日本は800兆円超の借金を抱えているのです。日本国民ももっと怒りを行動にださなければ役所も大丈夫だと思って適当にやるんじゃないか。
日本の官僚ほどいいところはない。たいした能力がなくても一度入ってしまえば犯罪でもしなければクビにもならない。自分が適当に事業をやって赤字を出しても責任を取らなくていい。(民間ならクビなのだろうが)そして年齢がくればいい所に天下りできる。これ程いいところはない。日本の官僚は民間では活躍できないたいしたことない人の溜まり場ではないか。
選んでもいない人間が闊歩して、選んで辞めさせる事ができない事に問題あり。
誰もなにも言わなければ、もっとひどいことをするでしょう。彼らは無責任をいう権利を行使しているのですから。公務員様は選挙では選べませんよ。
責任の所在など、一役人や政治家にあるのではない。国民にあるのは明白。「権利の上に眠る者は保護されず」という言葉はご存知か?権利行使をすることなくして、保障を求めることはできない。役人や政治家が悪いというのであれば、相対する人物・団体に政権を取らせるようにすればいい。権利を行使せず、自らが選んだ者達に責任を転嫁し、現状を悲観するのみでは、ただの我が儘である。
まじめに一生懸命働く公務員もいるだろうが、それが当たり前だとおもいます。問題は公務員は平気で嘘をつき、誰も責任をとらないことです。税金で裏金作って使い込んで、ばれたら返せばいい。こんな国でいいのでしょうか。
近藤純五郎に責任を取らせべきだ。失策の原因を調べる。
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