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公務員ナンバー1の高年収「航空自衛隊パイロット」が語るキャリアパスと給与、転職先の実態

情報提供
2本目さしかえ写真
自衛隊パイロットの証であるウイングマーク(操縦技能証明)を胸につけた隊服姿を示すインタビュイー

年功序列・終身雇用で身分が保証された公務員の世界で、もっとも給与水準が高いのが、自衛隊パイロット職である。非管理職の若い段階から高水準なのが特徴で、国内勤務者で比べれば外交官よりも高く、30歳前後では医師資格を持つ医療職や裁判官より高いくらいだ。なかでも戦闘機パイロットは、年功序列で30歳前後には全員が昇格している1尉(非管理職の一番上)の段階でも、「航空手当」だけで月28万9千円がつく。一方で、転職先は民間航空会社や防衛商社などに限られてくる。賃金の内訳、昇格や評価、海外赴任や転職の実態について、30代パイロットに聞いた。

Digest
  • 航空手当の額が大きい
  • 横田と硫黄島のパイロット給与が一番高い
  • 実際は100時間残業も…「自衛隊員給与法」で残業代ナシ
  • まず年収900万円台までは同期一律で上がる
  • 防大卒が昇進で有利な理由
  • 地方短距離LCCに再就職して65歳まで飛ぶ
  • 米軍への派遣、警備対策官、防衛駐在官
  • 民間エアラインへの転職…理想と現実
  • 防衛商社という転職先
  • 乗り続けると出られない〝アリ地獄〟

航空手当の額が大きい

一般幹部候補生コース(大卒)で入ってパイロット職に就けば、給料は国内にいながらも、高いまま安定して推移する。

「大卒は全員、最初の10年間は差がつかず、一斉に昇格していきます。曹長(入隊時)→3尉(2年間)→2尉(3年間)→1尉(5年間以上)までは同じスピードで給料が上がります。高卒の『航空学生』出身はそうとは限りませんが、大卒幹部候補生なら全員が、その上の管理職『3佐』まで絶対に昇格できて、その上も目指せます。これが高卒だと、3佐1200万円くらいが出世の上限です」(30代パイロット、以下同)

航空手当一覧
年収の3割超を占める「航空手当」。戦闘機は特に高い。

給与は、基本給が「自衛官号俸表」に基づいており、これ自体は他の公務員と大差ないが、多種多様な「手当」で大きく差がつく仕組みだ。もっとも大きいのは、パイロット職に毎月つく「航空手当」で、最低20万5千円から。

この航空手当は、石破首相・中谷防衛大臣による「自衛官の処遇改善施策」によって、2025年度から、1尉で月3.2万円が増額されたばかり。

つまり石破政権のリーダーシップで、自衛隊パイロットは全員、昨年度より年収40万円程度が引き上げられるという恩恵にあずかったわけである。

より高額の手当が設定されている戦闘機乗りだと、

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「地域手当」一覧。現在は移行期間だが、硫黄島の地位が上がる。

自衛隊の住居手当と単身赴任手当。時代に合っているとはいいがたい。

「人計ハンドブック令和7年度版」より

1尉の給与明細(30代パイロット職)

過去30年の航空自衛隊トップ航空幕僚長の出身校

空将補のポスト一覧(50個)。年収1700万円程度。

左:航空幕僚長の田母神氏、右:陸自「1佐」で辞めた佐藤正久氏。もちろん防大卒。(両氏の公式サイトより)

人事評価は5段階→6段階になり、直近2年間の評価結果で昇任が決まるようになった。

航空自衛隊(一般幹部候補生)パイロット職のキャリアパスと報酬

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