あなたに合う会社・職種の調べかた
終章『いい会社はどこにある?』
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| 就職・転職で「働く会社」を選ぶ際の、3つの軸と9つの視点 |
自分にとっての「いい会社」を見つけるため、3つの軸(章)・9の視点(❐)・12の条件(#)を示してきた。改めて、目次を一覧いただきたい。これで、現在の日本の労働市場における各種「相場」のようなものが分かったと思う。「企業なんてどこも大差ない」と思っていた人は、「実際には大差があるから、ちゃんと調べないと入社後に痛い目に遭う」ということがわかっただろう。普段、自分の会社以外との接点が少ない社会人のかたは、少々、驚いたかもしれない。
- Digest
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- 会社選びの全体像における位置づけ
- 衛生要因と動機付け要因
- 公開情報の収集
- 社員に会って「丁寧にズバリ」聞く
- 人材紹介会社やヘッドハンターの使い方
- 「ワーカーズファクトシート」でワンストップサービスを
会社選びの全体像における位置づけ
まるで大企業を勧めているかのように見えたかもしれないが、それは、誰も知らない中小企業を例に書いても興味を持って読んでもらえないからであって、決して「寄らば大樹」を勧めているわけではない。淡々と事実をもとに、分析・解説したつもりである。確かに報酬水準や希望退職募集時の待遇など、明らかに大企業ほど有利なのが、現実だ。政府が格差拡大を助長している面も大きい。
※格差是正のため、解雇時に一定のルールで割増賃金を受け取れる権利を確立したり、給与の高い成長産業へ転職するための生活保障&スキルアップバウチャー付与といった立法措置を行うべきであるが、政府は実に無策である(❐報酬水準 岩盤規制改革に失敗し封印参照)。
本書が提供する軸や視点に対して、あなたが興味を持っている会社がどこに位置づけられるのかを知るには、さらに、具体的なアクションが必要だ。流れとしては、以下になる。
①就職・転職の「軸と視点」の優先順位を決める
②業界と職種のあたりをつける
③外からわかる公開情報の収集
④その会社にいるOB・OGや現役社員に質問
⑤仮説・検証を重ね、絞り込んでいく
ここで、会社選びと並行して行う必要があるのが、「自己分析・自分探し」である。「なぜあなたは働くのか」「働く意味は」「何が向いているのか」という、労働観の土台となる、動機・能力面の自己分析だ。
実際には働き始めないと見えてこないことも多いので、常に頭の片隅で意識できていればよい。
動機面のとっかかりとしては、たとえば子供時代に病気になったときに受けた看護の経験から看護師に対する強烈な憧れがあるとか、親兄弟親戚に尊敬できる新聞記者がいて自分もなりたいと思ったとか、叔父さんが商社で働いていて海外赴任の話を聞いて面白そうだと思ったとか、インターンやバイトでIT企業で働いてみて自分もできそうだと思ったとか、なんでもよい。その後、働く中でコア動機(個人に固有のもの)が姿を現してくる。
動機だけでは、お金は稼げない。能力面の適性も必要だ。自分にとってのコア能力(固有の才能)を発揮できない仕事を続けるのは、苦痛でしかない。動機だけあって能力が伴わないものは、趣味であって、仕事ではない。
仕事とは、この動機と能力の交差点で探すものだ。
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仕事人生の全体像

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