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社員の定着率が高い会社、低い会社

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社員の定着率が高い会社、低い会社の考え方
 労働白書によれば、大卒者は入社後の3年で3割が辞めるのだという。だが、会社側には、求職者に対して、個別企業の離職率を発表する義務が課されていない。私が取材した限りでは、大企業ほど離職率は低くなるので、5年で2~3割が平均といったところである。
Digest
  • 5年で何ができるのか
  • 年2~3割は辞める外資
  • 想定内「アップ・オア・アウト」エリア
  • 「会社も社員も想定外」エリア
  • キャリア支配の問題
  • 残る人にかかる負担
  • リストラ中エリアはチャンスも
  • 5年で3割辞めるJTB
  • 離職率が低い企業の落とし穴
  • 4億円の利権
  • 解雇されやすい時代へ
  • モノカルチャーエリアは、カルチャーの中身が肝心
  • バランスよく活気ある業容拡大中エリア

離職率というのは、会社を選ぶ際に極めて有用となる情報だ。一般的に、高すぎれば何か問題がありそうだし、逆に低過ぎれば、人材の入れ替わりがなく社内が活性化されていないこともある。高い会社のなかでも、外資を中心に、労使ともにそれを望ましいと考えているケースもある。

唯一、新卒採用数だけは新聞発表されているが、2006年入社からは景気回復に伴う大量採用で、新聞には「バブル期以来」と景気の良い見出しが躍る。しかし、離職率が高い会社における大量の新卒採用は、「使い捨て」のリスクも高い。

離職率に対する考え方は、会社ごとに、驚くほどに全く異なる。会社を選ぶ際に、一つの重要な判断基準になるのは間違いない。

5年で何ができるのか

最近、タリーズコーヒーを展開するフードエックス・グローブの松田公太社長が、雑誌の対談で、「入社式で新入社員を前に、『みなさんには五年で辞めてもらいます』ということにしています」と発言しているのを読んだ。その5年で何ができるかを必死で考えるから、成長の速度が速まる、というのが理由だという(『THE21』2006年11月号)。

それで、私が新聞社に入って3年目の終わりに、会社側から言われたことを思い出した。「君のように、5年ぐらいで辞めるかもしれないと言っている奴を、雇用しておく訳にはいかないんだよ。うちは基本的に中途をやらず、新卒採用で育てていくのが経営方針なんだから」

真面目な顔でそう言い放ったのは、編集局総務(当時)という肩書きを持つ丹羽という人物だった。

私は、ウェブ創世記にあたる95年の「MOSAIC」(ネットスケイプの前身にあたるブラウザ名)時代から自分のホームページを持ち、社会人になってからも、今でいうブログを続けていた。そのなかで、「これからの時代を考えると、早々と実力をつけてFA宣言をしなければならない、5年ほどを目安にしたい」といった内容を書いていたのが、問題視されたのだ。

今ではFAを社内制度化している企業が増えてきたが、当時は皆無であった。ましてや、新聞社では未だにそういう発想はないのだから、理解できるはずもない。本来、そのようなことは言論の自由であって、文句を言われる筋合いなど、全くない。

実際、私は今や独立してニュースメディア編集長として成功させているのだから、自分の実力からして相応のことを書いたに過ぎない。しかし丹羽氏は、法務室の森と名乗る人物と2人で、それをプリントアウトして線を引っ張り、私に文句を言ってきたのであった。

そんなイチャモンは、初耳だ。それなら採用時に、そういう条件をつければよい。キャリアプランは個人の自由であって、会社が強制できるものではない。会社が個人の職業人生を決められるなどという考えは、傲慢はなはだしい。よりによって法務の人間が言うのだから、呆れてしまった。

私は自分のブログサイトを閉鎖する理由が一つもなかったので、会社と争って辞めた。そのサイトが今では、会員制ネット新聞として成長を続け、月およそ100万ページビュー、ポータルサイトにもニュース配信し、2007年は3千万円超の売上高を見込んでいる。広告収入に依存しない有料会員モデルとしては、日本では史上初の成功事例だ。初心を貫く、信念を持って妥協しない。自分のキャリアは自分で描く。これが大切なことだ。

私は当時、とにかく焦っていた。今、独立して成功しているのは、20代で何かを身につけたい、何かを成し遂げたい、という漠然としたキャリアプランがあり、まさに松田社長のいう「5年で何ができるか」を入社当時から、日々、考え続けていたからだ。

年2~3割は辞める外資

私が4年目に辞めたとき、同期30人で辞めたのは3人目だった。

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取材に基づく、具体的な企業名のマッピング結果。

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cp212008/02/01 02:50
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