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アイスクリーム(2)(食の安全・コンビニ編)

情報提供
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「クランキーアイスバー」(ロッテ)
 チョコ風味などバニラ以外のアイスクリームには、乳化剤や安定剤、着色料といったセブン-イレブンが自ら「心配」する添加物が3~4種類使用されているケースがほとんど。バニラ系より使用頻度が高い分、リスクも高い。添加物をほとんど使用していないのは「ハーゲンダッツ」くらいである。

<「アイス」とは何か?>
 今回の記事では、「アイスクリーム類」のうちバニラ以外のフレーバー(主にチョコレート風味)のものについて取り上げていく。→「アイスクリーム類」の説明については「 バニラ」参照

【商品間の比較・特徴】

<危険性の高いバニラ以外のフレーバー>

 今回調査対象としたアイスクリーム(バニラ)に含まれている食品添加物を大別すると「安定剤」「乳化剤」「香料」「着色料」の4つとなる。
→各添加物の使用理由については 「バニラ」の冒頭(以下再掲)参照

「安定剤」:一般に安定剤と呼ばれているものは、高分子化合物で、組織を滑らかにし、保形性をよくし、空気の混入(オーバラン)をコントロールします。

「乳化剤」:牛乳中の脂肪は液体ではなく、細かい粒子の固体が液体の中に浮かんでいる状態です。これが激しい攪拌で壊されたまま凍結すると、脂肪粒子と氷の結晶と細かい空気の泡とからなるアイスクリームの組織が不均一になってしまいます。乳化剤は、このような状態を防ぎます。

「香料」:アイスクリームにはそれぞれ特有の風味があります。その香りを強めたり改良するために調合香料が使われます。

「着色料」:アイスクリームの自然の色を補ったり、改良するために着色料を使用する場合があります。

「クランキーアイスバー」「クーリッシュ カプチーノ」「チョコモナカジャンボ」には、これら4種類の添加物がすべて入っている。また、「ピノ」「ジャイアントコーン チョコナッツ」についても3種類の添加物が使用されている。

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商品別危険性グラフ

こうしてみてみると、バニラ風味のアイスクリームに比べて使用されている添加物の量が多いことが分かる。このうち「乳化剤」や「安定剤」については、例えばアイスクリームをチョコレートでコーティングしたり、チョコレートにナッツを乗せたりすることが原因と推測される。

チョコレートに含まれるココアバターは、熱を加えて溶かしてしまうと油脂と固形分が分離する。そのため、そのまま固めても口あたりが悪くなってしまう。そこで、チョコレートを加工した菓子を作る際には、一旦溶かして再度固まらせる際に温度調整(テンパリング)を行い、元の安定した状態に戻す必要がある。より滑らかでかつ成分が分離することのないように「乳化剤」や「安定剤」を使用していると考えられる。

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セブンドリーム・ドットコム
 セブン-イレブン・ジャパンのインターネット販売の子会社である「セブンドリーム・ドットコム」では、「市販のアイスクリームと違って、乳化剤や安定剤、着色料といった食品添加物の心配がありません」という謳い文句でアイスクリームメーカーを販売している。→ セブンドリーム・ドットコム

 セブンが自ら販売している市販のアイスは、心配すべきもの、ということである。

 [数字は危険度ポイント]
■「クッキー&クリーム」(ハーゲンダッツ)
:バニラ香料=0、植物レシチン(大豆由来)=0
■「ピノ」(森永乳業)
:乳化剤=2、安定剤(増粘多糖類)=2、香料=2
■「クランキーアイスバー」(ロッテ)
:乳化剤=2、安定剤(増粘多糖類)=2、香料(卵由来)=0、着色料(カラメル=3、アナトー=2、クチナシ=2)
■「ジャイアントコーン チョコナッツ」(グリコ)
:香料=2、安定剤(増粘多糖類)=2、シュラック=2、着色料(カラメル=3、カロテン=0)
■「クーリッシュ カプチーノ」(ロッテ)
着色料(カラメル)=3、安定剤(増粘多糖類=2、セルロース=0)、香料=2、乳化剤=2
■「チョコモナカジャンボ」(森永乳業)
:乳化剤=2、安定剤(大豆由来)=0、香料=2、着色料(アナトー=2、カロテン=0)

<添加物の少ない「ハーゲンダッツ」>

今回調査対象としているバニラ以外のアイスについても、ハーゲンダッツ製のものは使用されている添加物が少ない傾向にある。一般にコンビニエンスストアで売られている「ミニカップ」(容量120mlもしくは125ml)のうち、「ストロベリー」「グリーンティー」「マカデミアナッツ」「アズキ」「リッチミルク」については、食品添加物が使用されていない。

それ以外の商品でもそれほど危険性の高い添加物は使用されておらず、ある程度食品添加物の使用を控えていることがうかがえる。

ただし、今年(2004年)3月、4月に新発売となった「オレンジ」と「メロン」には、香料が使用されている。実際に使われている具体的な物質名は不明であるが、今後ハーゲンダッツが添加物をどのように使用していくのかが注目される。


食品添加物を避けるのであれば、危険性がほとんどない添加物のみを使用しているハーゲンダッツのアイスがオススメである。


■香料 危険度レベル2

香料は、食品に特定の香りをつけるために使用されている。一言で香料と言っても、様々な物質が使われている可能性が高い。しかし、食品衛生法ではそれらをまとめて「香料」と表示することが認められており(「一括名表示」といわれる)、食品表示からどんな添加物を何種類添加しているかを判断することはできない。

■乳化剤 危険度レベル2

乳化剤は、水と油など通常は混ざり合わない2種類の液体を混合させるために使用されている。一言で乳化剤と言っても、様々な物質が使われている可能性が高い。しかし、食品衛生法ではそれらをまとめて「乳化剤」と表示することが認められており(「一括名表示」といわれる)、食品表示からどんな添加物を何種類添加しているかを判断することはできない。

■増粘多糖類 危険度レベル2
 増粘多糖類は、食品に粘り気を与え、結着性や保水性をよくするために使用されている。「多糖類」というのは、文字通り「糖」がたくさんつながっているもので、でん粉やセルロースも多糖類であり、この中でも増粘性を持つものが「増粘多糖類」と呼ばれる。

「増粘多糖類」と記載されている場合は、2種類以上の天然多糖類を使用していることを示している。1種類の天然多糖類を使用した場合には具体的な物質名を表示する必要があるが、2種類以上になると「増粘多糖類」と表示することが認められており(「一括名表示」といわれる)、食品表示からどんな添加物を何種類添加しているかを判断することはできない。

■アナトー色素 危険度レベル2
 ベニノキ科ベニノキの種子の被覆物より、(1)熱時油脂若しくはプロピレングリコールで抽出して得られたもの、(2)室温時ヘキサン若しくはアセトンで抽出し溶媒を除去して得られたもの、または(3)熱時アルカル性水溶液で抽出し、加水分解し、中和して得られたものである。黄色または橙色に着色するために使用される。

■クチナシ色素 危険度レベル2

クチナシ色素には、青く着色する「クチナシ青色素」、赤く着色する「クチナシ赤色素」、黄色く着色する「クチナシ黄色素」の3種類がある。「クチナシ赤色素」は、アカネ課クチナシの果実より加温した水で抽出して得られたイリドイド配糖体のエステル加水分解物とタンバパク質分解物の混合物に、β-グルコシダーゼを添加した後、分離して得られたものである。

■カラメル 危険度レベル3

褐色に着色するために使われている。一言で「カラメル」もしくは「カラメル色素」と表示されていても、食品添加物として認可されている「カラメル1」~「カラメル4」のいずれであるかは、判断することができない。いずれもデンプン加水分解物、糖蜜、糖類の食用炭水化物を加熱して作られたものであり、熱処理する際に亜硫酸化合物やアンモニウム化合物が加えられるかどうかによって、「カラメル1」~「カラメル4」に分類される。

■シェラック 危険度レベル2
カイガラムシ科ラックカイガラムシの分泌する樹脂状物質を抽出したもの。光沢を出したり保湿、皮膜のために使用される。

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MyNewsJapanでは、コンビニで販売されている商品に含まれている食品添加物に焦点を当て、商品カテゴリごと(例えばおにぎり)に、各社別商品のリスクを比較検討して明らかにしている。
企画概要   >添加物の危険度判定方法
商品別の危険度算出方法  >sample

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