ニュースのビジネス化-5 「やりがいある仕事を求めて」
韓国オーマイニュ-ス社のオフィス配置図(2001年8月訪問当時) |
- Digest
-
- オーマイニュースの衝撃
- 裁判にケリをつける
- メディア系の転職活動をしてみる
- ネット新聞へと傾く
- 会社を辞めるくらいでないと…
オーマイニュースの衝撃
この年の8月、佐藤さん(後に日刊ベリタ取締役)と2人でオーマイニュースを視察することになった。通訳のかたに仲介してもらい、ソウル中心街にある「世宗路大宇ビル」5階の一室(80坪)を訪れ、創刊メンバーで大学休学中だというパク・チョングンさんに話をうかがった。半年前に移転してきたというオフィスには、3つの大きな机(運営用、取材記者用、編集用)に、パソコンが計20台ほどあり、黙々と作業していた。21人が働いているという。
私がもっとも知りたかったのは、ビジネスモデルと経営状況である。パクさんによれば、月次収支では、売上が3500万ウォン(≒350万円)で、その85%が広告収入。10%がコンテンツ販売、5%が記者講座だという。支出が4500万ウォン(≒450万円)で、その60%が人件費、15%が取材費、10%が原稿料、残りが家賃・光熱・通信費。毎月、約100万円の赤字だということだった。
なお、MyNewsJapanは昨年通期(2007年)で月次売上平均が350万円強となり黒字化もしているので、この当時のオーマイニュースの経営成績は既に超えている。
オーマイニュースは、原稿料が、通常は1千ウォン(≒100円)。メインのトップに採用されると1万ウォン(≒1000円)。メインのサブと、20個ある各面トップが5千ウォン(≒500円)。記事に広告がついており、クリックすると一回50ウォン(≒5円)が加算される仕組みだという。これでは、ほとんどボランティア活動だと思った。2000年2月の設立当時は、資本金2億ウォン、サイトのプログラム開発で1億ウォン以上を投資したそうだ。
ニュースゲリラも4人紹介してもらい、街中で、そして居酒屋で、じっくり話を聞いた。軍事政権のもと、言論の自由が日本以上に制限されていたという背景が大きいようだった。
実際、ソウルを歩けば明らかで、街中でデモ行進を見られるし、地下鉄に乗れば若者が演説を始める。大学を訪れれば政治集会をやっていた。とにかく、この国は政治的に熱い時代を迎えており、日本が冷め切っているのとは対照的なのだ。冷めた日本には、熱い書き手がいないから、同じメディアは作れない
この先は会員限定です。
会員の方は下記よりログインいただくとお読みいただけます。
ログインすると画像が拡大可能です。
- ・本文文字数:残り4,784字/全文5,764字
あとから作った日経新聞の職務外のホームページ等に関する規定
佐藤裕一氏作成のテスト版。課金以外の基本的な機能を備えていた。タブのデザインはアップルのものをパクった(2002年4月)
ウォルフレンのいう責任の所在が曖昧な権力構造(政官業の3角形で頂点が欠けている)と情報の流れ
Twitterコメント
はてなブックマークコメント
facebookコメント
読者コメント
※. コメントは会員ユーザのみ受け付けております。記者からの追加情報
会員登録をご希望の方は ここでご登録下さい
企画「サラリーマンEXIT」トップ頁へ
新着のお知らせをメールで受けたい方は ここでご登録下さい