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ニュースのビジネス化-5 「やりがいある仕事を求めて」

情報提供
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韓国オーマイニュ-ス社のオフィス配置図(2001年8月訪問当時)
 2001年4月、昼のFNNニュースをたまたま見ていたら、韓国で『オーマイニュース』というネットメディアが影響力を増しているというリポートがあり、衝撃を受けた。常駐4人、『ニュースゲリラ』と呼ばれる市民記者が1万1千人いて、一般市民が記事を書くのだという。この仕組みは画期的である。書き手が現場の市民ならば、立場や視点が現場発となり、自動的に目線の低い原稿になる。記事を書く行為はマスコミ記者の特権では全くないし、ネットの特性を生かした優れた仕組みだ、と思った。
Digest
  • オーマイニュースの衝撃
  • 裁判にケリをつける
  • メディア系の転職活動をしてみる
  • ネット新聞へと傾く
  • 会社を辞めるくらいでないと…

オーマイニュースの衝撃

この年の8月、佐藤さん(後に日刊ベリタ取締役)と2人でオーマイニュースを視察することになった。通訳のかたに仲介してもらい、ソウル中心街にある「世宗路大宇ビル」5階の一室(80坪)を訪れ、創刊メンバーで大学休学中だというパク・チョングンさんに話をうかがった。半年前に移転してきたというオフィスには、3つの大きな机(運営用、取材記者用、編集用)に、パソコンが計20台ほどあり、黙々と作業していた。21人が働いているという。

私がもっとも知りたかったのは、ビジネスモデルと経営状況である。パクさんによれば、月次収支では、売上が3500万ウォン(≒350万円)で、その85%が広告収入。10%がコンテンツ販売、5%が記者講座だという。支出が4500万ウォン(≒450万円)で、その60%が人件費、15%が取材費、10%が原稿料、残りが家賃・光熱・通信費。毎月、約100万円の赤字だということだった。

なお、MyNewsJapanは昨年通期(2007年)で月次売上平均が350万円強となり黒字化もしているので、この当時のオーマイニュースの経営成績は既に超えている。

オーマイニュースは、原稿料が、通常は1千ウォン(≒100円)。メインのトップに採用されると1万ウォン(≒1000円)。メインのサブと、20個ある各面トップが5千ウォン(≒500円)。記事に広告がついており、クリックすると一回50ウォン(≒5円)が加算される仕組みだという。これでは、ほとんどボランティア活動だと思った。2000年2月の設立当時は、資本金2億ウォン、サイトのプログラム開発で1億ウォン以上を投資したそうだ。

ニュースゲリラも4人紹介してもらい、街中で、そして居酒屋で、じっくり話を聞いた。軍事政権のもと、言論の自由が日本以上に制限されていたという背景が大きいようだった。

実際、ソウルを歩けば明らかで、街中でデモ行進を見られるし、地下鉄に乗れば若者が演説を始める。大学を訪れれば政治集会をやっていた。とにかく、この国は政治的に熱い時代を迎えており、日本が冷め切っているのとは対照的なのだ。冷めた日本には、熱い書き手がいないから、同じメディアは作れない

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ウォルフレンのいう責任の所在が曖昧な権力構造(政官業の3角形で頂点が欠けている)と情報の流れ

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