22万円払っても1年以上放置する朝日ホームロイヤーの“過払いビジネス”
上:「過払い金返還代理人」をキャッチフレーズにテレビCMを放映していた朝日ホームロイヤー。 下:被害者のAさんは、1年以上も放置されるなどとは思いもよらなかったという |
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- 「過払い金返還代理人」にだまされた
- ネットでたどりついた「救いの神」
- 債務整理費用16万8000円を払い込む
- 頻繁に変わる「担当」。7ヶ月で5人…
- さらに「自己破産の費用」5万2000円
- 契約解除を通告。費用を取り戻す
- 「面談せずに委任することはありません」
- 昔サラ金いま「過払い」のモラルなき法律家
「過払い金返還代理人」にだまされた
「ようやく債務整理ができると信頼してお願いしたんですが…。自分のバカさ加減を反省しています」そう嘆くのは、香川県内で事務職の派遣社員として働くAさん(独身女性、42歳)だ。クレジットカードやサラ金の借金が膨らみ、支払いに行き詰ったのは昨年5月。何とか解決する方法はないかとインターネットを探すうちにたどり着いたのが、司法書士法人「朝日ホームロイヤー」のホームページだった。
「過払い金返還代理人」「多重債務者救済」「過払い金返還のスペシャリスト」「すでに26億円の過払い金を取り戻し、多重債務者の救済を行っている」――。
朝日ホームロイヤーが掲げた宣伝文句が、Aさんには頼もしく見えた。
ロイヤーの代表を勤めているのは、元第一勧業銀行行員の司法書士・奥出欣二氏。「司法書士」という肩書きにも、弁護士に比べて親しみやすいイメージがあった。
Aさんはさっそく、ホームぺージに記されたアドレスにメールを送った。すぐに返信のメールが返ってきた。「担当」という女性H氏からだ。
〈司法書士法人朝日ホームロイヤー 担当Hでございます。
お電話してもよろしい時間をお知らせいただけましたら、詳しいお話をお聞きいたしまして、債権者との対応を早急に勧めさせていだたきたいと存じます。
お届けいただいたご住所に関係書類を送付したいのですが、差し支えございませんか。
(原文ママ、後略)〉
丁寧な文面に好印象を受けた。ただひとつひっかかったのは所在地だ。朝日ホームロイヤーの事務所は東京・神田(後に市ヶ谷に移転)にある。一方、Aさんは香川県に住んでいる。東京に出るには飛行機だと片道2万5000円前後、夜行なら片道1万円はかかる。
東京まで行かなければならないのだろうか――。派遣社員として働くAさんの月給は15万円。その大半を返済に充てている身では、東京と香川を往復するような余裕はとてもない。
心配をよそに、メールにはこう書かれていた。
〈当事務所におきましては、債務整理の場合には、債権者との交渉は電話や郵便、FAXなどで行いますし、司法書士との相談についてもEメールや電話ですることが出来ますので、当事務所にお越しいただく必要はありません〉
「遠方の者でも引き受けてくれる…東京に行かなくてもいいのか…」
朝日ホームロイヤーに債務整理を依頼しよう――Aさんは決心し、その旨をメールでH氏に伝えた。何年も苦しんできた借金地獄からやっと解放される。そう信じて疑わなかった。債務整理を依頼したのが2007年5月。その後、費用を払わされたまま1年以上も放置されるとは、よもや思いもよらなかったという。
ネットでたどりついた「救いの神」
Aさんの負債総額は300万円あまり。ライフ、クレディセゾンなどクレジット会社4社からの借金だ。300万円といっても、すべて利息制限法を超えたグレーゾーン金利である。利息制限法(年利15%~20%)で再計算すると実際はもっと少ない。返済を終えてもなお払い過ぎている、いわゆる「過払い」になっている可能性もあった。訴訟や調停を起こし、自分で過払金を取り返すことは可能だが、多くのサラ金・クレジット利用者がそうであるようにAさんも法律に暗かった。グレーゾーンのメカニズムもわからない。朝日ホームロイヤーだけが頼りだった
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東京・新宿区にあるオフィスビルの中に朝日ホームロイヤーはある。代表を務めるのは元第一勧業銀行員の奥出欣二司法書士(写真上は、朝日ホームロイヤーホームページより)。
5人目の「担当」M氏から届いた状況説明のメール。過払金返還を求める訴訟を起こしたとあるが、訴訟の詳細はいまだに不明だ(上)。東京以外での広告・宣伝活動はやめたというが、札幌の地下鉄にはいまも広告が貼られている(下、12月13日撮影)
朝日ホームロイヤーのパンフレット。手続きの冒頭には「司法書士と面接・相談」とあるが、四国に住むAさんは、スタッフの誰とも会ったことがないという。
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読者コメント
私も朝日ホームロイヤーにお願いして過払いを取り戻してもらいました。最後の担当者は先に書き込みしてある方と同じ担当者でした。ただ、連絡がないということは何もしていないということではなく、連絡がないということは特に和解交渉が進展していないと説明してくれました。私にとっては丁寧に説明してくれ親身になって話を聞いてくれた担当者だったので悪意のある書き込みに不快感を感じたので書き込みました。
私も朝日ホームロイヤーに依頼し、4人担当者が変わり債権者が取引に応じないなどを理由に過払い金の返還を延長されてる状態です。 村松という現担当がいうには、連絡が(朝日からの)ないということは、何もしてないということです。と、はっきり言い切りました。
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