「請求放棄」で敗北宣言したオリコンの小池恒社長。会見も開かず、説明責任は果たしていない。
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オリコンが雑誌『サイゾー』に掲載されたコメントで名誉を傷つけられたとして5千万円をジャーナリスト個人に請求した訴訟は、東京高裁でオリコンが請求放棄を申し出て、事実上、敗訴した。オリコンの申し出を受けて烏賀陽氏も反訴請求を放棄、サイゾーが両者に謝罪し、和解の形をとった。2審から訴訟参加したサイゾーが全過失を引き受けることで烏賀陽氏側を救う異例の展開だった。恫喝訴訟を仕掛けたオリコンの小池恒社長は、33ヶ月にわたりジャーナリストに精神的苦痛を与えることには成功したが、自ら理由なき訴訟だったことを認める請求放棄によりオリコンの社会的評価、株主価値を大きく毀損した。
【Digest】
◇武富士と同じ終わり方
◇新証言で態度変えたオリコン
◇1年間事実審理に入らず
◇超レアケースだった
◇法定外闘争の重要性
◇武富士と同じ終わり方
オリコンが、自ら起こした訴訟(本訴)の判決を望まず、請求放棄を申し出るという、最もみっともない終わり方だった。本訴の放棄を受け、烏賀陽氏側も反訴の請求を放棄し、サイゾーが不正確な編集だったことを認めて両者に謝罪、烏賀陽氏側に500万円を支払うことで8月3日、決着した。
今回のオリコンと同様、原告の「請求放棄」で終わった代表的な事案としては、大手消費者金融・武富士の恫喝訴訟が有名。ジャーナリストの寺澤有氏が「週刊プレイボーイ」で武富士を批判し、同社から総額2億円の損害賠償請求の裁判を起こされたが、武井会長が逮捕されたため、戦い半ばにして武富士が2004年2月、「請求放棄」した。
武富士は盗聴事件においても、盗聴疑惑について記事を執筆した被害者のジャーナリスト・山岡俊介氏に対して名誉毀損で約3500万円を請求したが、武井前会長の逮捕を受け、2004年3月、「請求放棄」し、山岡氏側の請求を全面的に認める方針を示した。
オリコンの請求放棄は、犯罪企業・武富士と同様、自ら間違った恫喝訴訟であったことを事実上認め、請求を引っ込めるものだった。
→武富士に1兆円請求した寺澤氏
→アムウェイ、武富士、2ちゃん…裁判件数26の山岡氏
→戦闘放棄の武富士から勝ち取った120万円(三宅氏)
請求放棄で武富士に勝ったことがある寺澤氏に話を聞いた。
――オリコン恫喝訴訟の終わり方をどう見ているか。
「烏賀陽氏側の勝訴と言っていいでしょう。オリコンに請求放棄させてサイゾーから500万円貰えるんなら十分だと思います。形式的には和解となっていますが、これに同意せず判決を求めたら、負ける可能性もあった。一審で負けているので、新証拠を提出しても、なぜ一審で出さなかったのかと言われ、控訴棄却して終わらせるのが、裁判官としては一番ラクですから。事実審理に入っても、この奥田隆文という裁判長は、僕がやってる記者クラブ訴訟も担当していたのですが、真面目に審理するふりをして、判決はそれを踏まえない滅茶苦茶なものを出す人なんです」
――なぜオリコンは一審で勝ったのに請求放棄に出たのか。
「オリコンとしては、恫喝訴訟が特集などで取り上げられると、武富士などと一緒にオリコンの名前が必ず出るようになってイメージが悪いから、早く裁判を終わらせたいと思ったのだと思います」
確かに、オリコンが一審で勝ったにもかかわらず請求放棄に出た理由は、不可解だ。武富士の武井会長のように、小池恒氏の逮捕にかかわるような事件が迫っているのだろうか。提携話やM&A、銀行融資などでは、負けそうな訴訟が係争中であること自体が大きなリスク要因となって話が止まってしまうこともあるため、とにかく終わらせたかったのか。以下、2審での事実経過を追ってみよう。
◇新証言で態度変えたオリコン
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サイゾー担当編集者の証言(サマリーの一部) |
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烏賀陽氏側が配布した「裁判上の和解」文書
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2009/8/6付の正式な「和解調書」。これが今回の“判決”ということになる。
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