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NTT東日本 生産性度外視、若手のやる気そぐ“共産主義企業”な現場
社員証を見せてもらう。このロゴは1985年、電電公社が民営化された際に導入したもの。

「NTT東日本では、社内向けパワポ資料内の、ミリ単位のズレも指摘されます。資料の綺麗さにこだわる姿勢には、引きますね。主査→課長→部門長と承認を得るのですが、『なんで全角なの?』と課長から指摘され、『なんで半角なの?』と部長からは言われる。そこで、若手社員たちが時間外で残業をして会議をして、どう修正するか対応を協議したこともあります」――。生産性概念の欠落ぶりが、民営化33年を経た今も、ありし日を彷彿とさせるNTT。日本の労働生産性が主要先進国最低であることを象徴するような企業が、NTTグループだ。NTTを知ることで、正社員終身雇用第一主義という日本経済の本質的欠陥もみえてくる。なかでも東日本はそのオリジン、総本山だ。新卒入社して数年が経つ“ネイティブNTT社員”に現場で感じる違和感と実情を聞いた。

【Digest】
◇50歳以上が8割の拠点もある
◇ソウジンロウが出世しやすいイカサマな配点
◇「それは誰の指示だ」――「誰が言ったか」で判断される
◇営業でも8割は事務作業
◇インターン採用の流れ――人事が「非通知で」電話
◇通常ルート採用(1次~3次採用区分)
◇スポーツ採用=総人労キャリア確定
◇配属先は大学4年の10月に決まっている
◇「ドットコムマスター」「簿記3級」を2年以内に取得
◇有休取得実績=年19.8日、年150日休める会社
◇労組の職場役員が承認しないと残業できないNTT式
◇通信会社なのにVPNが重くて使えない
◇おっさんが仕事をしないストレス
◇都市手当は2016年に廃止
◇20代の給与水準――生活残業ナシ
◇本社は残業代が出やすい
◇1人1千円、政治団体への献金を強要


◇50歳以上が8割の拠点もある
 これはいま私が実感していることですが、この会社ではクリエイティブな仕事はできないと思ったほうがよいです。特に文系採用の社員は、財務枠採用やスポーツ枠採用をのぞき、入社後、まず全員が地域子会社(NTT東日本-北海道、NTT東日本-東北、NTT東日本-関信越…)に出向となって支店で営業を担当しますが、コンサルティング営業ではなく、ただのドブ板営業です。

 NTTは、地方拠点に行くほど、「おっちゃん」がたくさんいます。支店組織は、各県に支店が1つ以上あり、その下に「拠点」と呼ばれるものが各支店に2~5つあります。この拠点は、他の企業でいうと営業所に近いです。

 自分がいまいる拠点の組織で言うと、50~60人のうち、50歳以上(50代と60代)が約8割を占め、20~40代は全部あわせても10人ほど。40代でも、かなりの若手です。他の地方拠点でも似たような年齢構成が多いです。活気ある職場を期待してはいけません。ベンチャー企業とは正反対と思ってください。

 NTTは2002年以降、リストラの一環で、50歳以上の地域採用社員に以下3つの選択肢を提示している。

①故郷を離れ、今の給与のまま東京など他地域へ転勤し、定年まで働く。
②今の勤務地のまま地域子会社に転籍、年収3割カットで、65歳まで働く。
③早期退職優遇制度に応募し、割増退職金をもらって退職する。

 このうち、②を選んだ人が大量に地方支店(及び営業拠点等)に勤務している。NTTの地方支店は、一言でいうと雇用対策職場である。労組が強いNTTでは、生産性よりも雇用第一。そしてその雇用を維持する売上は、いわゆる「NTT法」という国の規制によって支えられており、自由競争に晒されていない。いわば、国策の雇用対策企業である。

 NTT東日本の社員の平均年齢は、4,850人の平均で40.2歳(2017年3月31日現在)と発表されているが、これは数字のマジック。実際の職場には子会社に転籍した50代60代の先輩社員が大量にいるため、本当の平均年齢は50代という職場も珍しくない。若手社員のモチベーションなど、誰も考えていない。新入社員は、この“おっちゃん職場”を一度は経験する。

 50代以上の人たちは、給料を下げるために形式上、所属会社が子会社転籍になっているだけで、若手から見たら同じNTTの先輩社員です。去年からは子会社採用も始まり(給料はNTT本体より当然安い)、飛込営業を担当していますが、子会社採用だと課長になれない可能性が高いでしょう。子会社採用を進めても、65歳までの雇用延長を政府が決め(2013年施行)、NTTは忠実に従うため、全体はあまり若返る感じがありません。

 転籍したおっちゃんは、出世レースから完全に降りて人生の消化試合に入っているので、もちろん仕事にやる気は感じませんし、新しいことを学ぶ意欲もないので、若手にその分の負担が降りかかってきます。だから、人が余っている割に、若手社員は意外に忙しく、実質の残業時間が100時間を超える月も出てきます。

 NTT社内では、かつてマルクスが目指した共産主義的な経済運営が実現。22歳でたまたま就活に成功しただけで、全員に65歳までの仕事と十分に民間平均と比べたら高水準な給料が出る。ただそれは、かつて税金で作った津々浦々のインフラ基盤と、歪みを一手に引き受ける若手がいることで成り立っており、社会の雇用格差・経済格差を助長している。アンフェアで理不尽な世界である。

◇ソウジンロウが出世しやすいイカサマな配点
 こういう環境なので、体質は古いです。まだ電電公社だった時代に22歳で入社した人は今年55歳ですが、その前後の人たちが管理職や役員をやっていて、彼らは完全に、お役所体質の電電カルチャーで育っています。

 独占事業で営業する必要がなかったので、営業は今でも社内の力が弱くて、「ソウジンロウ」と呼ばれる総務・人事・労務畑と、ユニバーサルサービスを提供してきた影響から、「ちゃんと動いて当り前」の設備畑が強い。今の山村雅之社長は東工大卒の設備部出身で、井伊基之副社長も設備畑、井上福造副社長がソウジンロウ畑です。

 NTTは、持ち株会社のほうも、鵜浦博夫社長が東大法卒の人事・労務畑出身で、いわゆるソウジンロウが3代連続で社長に就いている。NTT東日本の前社長(江部努)もソウジンロウとして北海道総支社労働部長などを務めた。NTTはその「営業不要」だった成り立ちから、営業畑は出世しにくい。それが昇進制度にもイカサマ的に組み込まれているという。

 なぜ、総人労が出世するのかというと、評価制度がそうなっているからです。  NTT東日本では、社員に2つの評価を与えます。①「業績評価(1〜5で5が一番高い)」と②「人事評価(SA〜DでSAが一番高い)」です。

 ①業績評価は、いくら販売したか?という結果と、どれだけ行動したか?というプロセスの両方を見られます。これは単年度ボーナスに影響しますが、昇進には全く影響しません。

 昇進に関わるのが②人事評価のほうで、こちらは業績、行動、気配り等、普段の行動全てと、入社年次とで、評価が決まります。これは加点方式で、Cだと3点、Bだと5点…等と決められており、15点たまると昇進試験を受けられる、という流れです。

 出世には、この②人事評価のほうが大切ですが、これは、最初から点数の配分が決められています。例えば「東日本全体の営業員のうち、〇〇人がB評価」といったように。そして、この配分を決めているのが、総人労です。ですから、総人労は自分の部署に点数の枠をたくさん持っているため、総人労はたくさん評価をもらえ、昇進が早くなるのです。

◇「それは誰の指示だ」――「誰が言ったか」で判断される
 お客さんのほうを向いているのではなくて、みんなが社内、すなわち上司や他部署や労組のほうを向いています。だから、「上から言われたことを忠実にやる人」「社内の調整ができる人」が評価されやすい。私が経験したことで言うと、コーヒーの淹れ方、新聞のたたみ方で怒られ、改善策を出せ、と言われます。これは、決められたNTTカルチャーがあるというより、上司個人の気に入るやり方を忖度せよ、ということです。

 仕事上の話でも、改善提案をすると、「それは誰の指示だ」と言われる。ボトムアップは全く求められていません。だから、自分の頭で考えることができなくなっていく感じがある。内容ではなく、「誰が言ったか」で判断されるカルチャーなんです。

 ビジネスモデルとして、自分たちで最先端のものを開発して売る、ということは考えておらず、業界が成熟してから、誰もが知っているNTTのブランド力で売ります。たとえば、どの会社にも机の上にある業務用の電話機(ビジネスホン)を、NTTがOEM供給を受けて売るだけ。最先端のものを売れない悩みが、現場にはあります。

 それにしても、NTT東日本は、日本の東半分という広大な土地を営業エリアとしており、社員数は本体だけで4,850人、グループ33,700人も在籍する(前述のとおり、子会社に50代以上を転籍させてそれまでと同じ仕事をさせている)。いったい普段、どんな仕事をしているのか――疑問に思う人も多いだろう。

 NTT東日本の若手社員が何をしているか、文系を中心に説明しましょう。なお新入社員は、以下の仕事に就いて、離職率が入社後3年で1割くらいと、きわめて低いので、総じて強い不満はないと思われます。東京地区に配属された人は、誰1人として辞めないくらいです。

 NTT東日本には、以下4つの本部があります.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



NTT東日本の組織図(公式サイトより)
NTT東日本のキャリアパスと報酬(2018年、NTTグループ共通)
給与明細の控除項目。「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」「所得税」以外にも、こんなにある。それぞれ数千円~1万円程度だが、細かい福利厚生が充実しており、保険かけまくり人生となるのがNTTらしさ。
NTT東日本20代社員(20代はずっとこの「一般2級」のまま抜擢人事はない)の給与明細

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  注意事項
    21:22 04/03 2018
主査→課長→部門長と承認を得るのですが、『なんで全角なの?』と課長から指摘され、『なんで半角なの?』と部長からは言われる。 ワロタw バカじゃないの?w
   07:03 04/02 2018
社内資料でパワポで綺麗に作り込むなんて時間の無駄やと元トリンプ社長の吉越浩一郎氏も指摘していた。最大の問題はこのような旧時代の巨大企業が未だに日本を代表する会社として第一線にある事であろう。本来は新しい会社がNTTに取って代わる事が未来の日本にとって必要である。