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ニュースのビジネス化-9 PRの苦悩

情報提供
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我々の目指す分野は既存メディアとはタブらない
 キラーコンテンツの企業評価モノは、まずまず順調に船出できたが、それ以外の分野の記事をいかに充実させるかがポイントだった。もともとの理念は、社会人でも学生でも、職業記者に限らず、誰でもが記者登録できて、現場で個人が見て聞いて体験したマイニュース(=私にとってのニュース)を送ってもらい、それを編集がブラッシュアップ、バリューアップして掲載していく、というのがMyNewsJapanのコンセプトだ。
Digest
  • 2007年アクセスランキング
  • 会員制情報誌、8百部→6万部の拡販手法
  • クチコミ頼み
  • アフィリエイトは大失敗

図で表すと、図(右上)のようになる。これまでのニュースというのは、供給者側の視点で、記者クラブなどで官僚や企業が発表した情報や、個別にリークされた情報が記事になるのが王道だった。日経の一面トップなど「財務省は○○する方針を固めた」のような官僚リーク記事が非常に目立つ。政治面など、ほとんど永田町政局紙であり、政治家発の情報で埋め尽くされ、有権者の視点など不在である。

そこで、生活者、消費者、有権者という受益者の視点で記事を書くことを大前提とし、しかも、現場にいる個人が、職業記者であるか否かにかかわらず記事を書くことを基本とした。ここが既存メディアとの違いである。とはいえ、いわゆる市民記者の募集から教育、動機付けまでのノウハウはなく、その分野での強みもない。そこにリソース(人、カネ)を投入する余裕はなく、来るのを待つ、という姿勢だった。

徐々に内部告発が来るようになり、2006年の年間アクセスランキングでは、2位が「ソフトバンク店員が詐欺的商法を告発」(80,700PV)、3位が「NTTデータが偽装請負」(69,500PV)と、現場発の個人の報告が上位に食い込んだ。いずれも、内部告発モノの性格上、記者名は仮名になっているが、編集部で本人とコンタクトをとって裏をとり、一部代筆するなどして、あくまで記者自身の書いた記事として掲載しているので、迫力が違う。いずれも証拠資料とともに掲載した。

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2007年のアクセスランキン(PV)
※2006年12月~2007年12月に掲載された記事

2007年アクセスランキング

2007年のランキングでも、「吉野家の牛丼から骨」(94,187PV)が5位にランクインした。最近(2008年8月)では現役の東大生が東大新聞などを調べて卒業生の進路の変遷を記事にするといった(「東大生、売り手市場で官庁不人気 外資はキャリア官僚に迫る勢い」)、現場発の情報をどんどん増やしている。とはいえ、もともと韓国とのバックグラウンドの違いが大きいことは予想どおりで、プロのフリージャーナリストによる記事に頼っているのが現実だ。

2007年のランキングでも6位に入っているが、新聞販売の問題も、マスコミが自分のことであるがゆえにタブーとせざるをえない分野であり、フリージャーナリストの黒薮哲哉さんを中心に、積極的に手掛けていった。既存メディアのマスコミタブー、大企業タブーを堂々と書けるところが弊社の強みであり、ほかでは読めないからこそ、読者はお金を払ってでも記事を読むのだ。

会員制情報誌、8百部→6万部の拡販手法

PRや営業については、ずいぶんと苦労した。そもそも、まったくの無名サイトを、どうやって知ってもらえばよいのか。

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『エルネオス』に掲載された特別手記は、新メディアのPR手法を考えるうえで興味深いものだった

『A8ネット』で投資を回収できている広告主はどのくらいいるのか、平均継続利用月数はどのくらいなのか。こうした数字を公表できないところが怪しい。楽天などもそうだが、結局、仕組みの提供者ばかりが儲かる仕組みなので、疑ってかかるべき

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