日本テレビ 「泥舟」の老害船長×士気下がる乗組員たち(2)
ここまで高い給与にもかかわらず不満だらけの会社も珍しい |
- Digest
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- 「社長のしっぽ切り」で再発防止策なし
- 縁故、情実、人質採用
- ゼネラリストを育てる、会社員を探す
- 制作費126億円もカット!
- 関係会社救済のための現物支給
- 残業は書類上、月250時間までに抑える
- 泥船の船頭に代わりが見当たらない
「社長のしっぽ切り」で再発防止策なし
虚偽証言を見抜けなかったのは、取材にあたった制作会社から派遣されたディレクターで、記者経験はなかった。日テレの社員は現場で取材することさえなく、VTRを見ても見抜けなかった。安い下請け制作会社を使うことでコストカットを図った結果だ。バンキシャのような、低コストで高視聴率な番組はもっとも都合がよく、したがって社長が辞めたのに、番組自体は打ち切りにならずに、いまだ続いているから驚きだ。
2ちゃんねるレベルの書き込みに熱心な日テレの社員たち(「労組から会社へのメッセージ」より) |
中堅社員が解説する。「ぜんぜんまた起こると思いますよ。テレビの報道局は、TBSは400人くらいいて多いですが、他の民放は社員200人くらいで回してる。だから、番組にはプロデューサーくらいしか社員がいない。一方で、上場企業としてコンプライアンスを守るために社員は休みをとらされるので、代休消化のためプロデューサーが週3日しか出社しない、というおかしな事態も起きている」
確かに名簿を見ると、報道局には226人しか在籍していない。これで、放送時間でいうと1日あたり3時間半ほどのニュース枠を埋めている。「バンキシャ!」は報道局の担当だが、制作局や情報エンタメ局が作る番組は、さらに外部社員が多い。たとえば「おもいっきりテレビ」はスタッフ約200人中、正社員はわずか2~3人だけだという。映像取材部のカメラマンは、もちろん全て外注だ。
「正社員1,200人弱に対して、8,000人の周辺の人がいると言われています」(社員)。訓練された記者を現場に行かせるだけの人員をかかえていない(1人あたりの人件費が高すぎる)ため、安かろう悪かろうの、記者経験もない制作会社の人を使い、その結果、虚偽を見抜けず社会に迷惑をかけている構図だ。
しかも、これまでは、ほとんど消化しないのが当り前の「代休」が買い上げられ給与に加算されていたが、昨今はコスト削減のために代休を少なくとも書類上はとるよう指示されるようになり、ますます社員が現場に行けなくなっている。制作費カット、人件費カットの流れのなかで、ますます事件は起こりやすくなっているといえる。
「構造的な問題なので、人(頭数)を増やさないと問題は解決しない。今回の話は、放送業界のなかでは社長が辞めるような話じゃない。こんなの、よくあることだから。それが、たまたま重大なテーマでバレちゃっただけです。制作会社は、チェックするのは日テレの仕事だと思っているし、日テレは社員が少ないから人を割けない。だからポテンヒットになっちゃう」(社員)。表に出ない虚偽報道は日常的に行われているというのだから、あまりに危うい現場である。
辞めた久保社長も、社長とは名ばかりの、読売新聞から連れてこられた「雇われ社長」だった。氏家齊一郎議長が、社内では「氏家天皇」と呼ばれ、圧倒的な実権を握っているのは社内外で周知の事実だ。次に事件が起きても、現社長の細川知正氏が辞めさせられるだけだ。本当の責任者である氏家天皇を守るために家臣が詰め腹を切らされるという、時代錯誤がまかりとおっている。
トカゲの尻尾を切るのみで、現在も本質的な再発防止策は、何も打たれていない。報酬が半分から3分の1と言われる制作会社のスタッフに虚偽を見抜く技量を求めるのは酷だ。人件費の配分を変え、1人あたりの人件費を減らすか中高年の無駄に高い人件費を減らして、現場社員(社内)の頭数を増やす、といった解決策しか論理的にはありえないが、正社員過剰保護の日本の法制度下では、社員の理解なくしては配分の変更が難しい。
だが、既得権を持つ既存正社員がカットを受け入れることはまず考えられない。民放労連の声明でも、実際に番組を作っている制作会社や外部からの派遣ディレクターとの数倍に及ぶ賃金格差を棚に上げ、「私たちは、視聴者の期待に応える充実した放送を支えるために放送局内で二重三重の賃金格差を生む賃金形態があってはならないと主張し続けてきた」と、利己主義丸出しのコメントを述べている。若手に人件費を配分するなど、もってのほかというところだ。
縁故、情実、人質採用
日テレの組織図(2009年2月現在) |
「テレビ局が花形だと思って入ってくる人は、たいしたことない人。将来性がない業界ですから」(社員)
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読者コメント
「映像取材部のカメラマンは
もちろん全て外注だ!」
「外注」ではありません。
長期契約です。
社会的犯罪や殉職しない限り、定年まで
ほとんど局内で雇用されます。
また局員も、部員の一部を占めるよう役割が成されて
います。
「外注…って」ワイドショーとかの情報系の
TPOを弁えない局外の外部スタッフと勘違いですかね?
残業代がほとんどだとか言うけど、そこまで払ってくれる会社日本にそんなないよ。減らされるのはいたいけど、十分高い給与じゃないか。マスコミが一番感覚が麻痺してるね。こりゃ
ヒラのうちはみんな組合員、常識じゃないかドットじいさん。組合で大成できない奴は出世できないのも常識じゃないかドットじいさん。マック行ってる場合じゃないだろうドットじいさん。ここは組合=会社なのよ、ドットじいさん。だから組合に不満があるなら会社ヤメロって言いなよドットじいさん、パンチ浜崎のような芸風の。
こんなメッセージ出して恥ずかしく無いの?少なくとも対外的には、完全にバカにされるね、社内的にも労働組合運動では無く、アンポンタン社員と思われるよ!辞めろよ!
偏向報道、やらせの欺瞞で試聴者をバカにして来たのだから没落して当たり前。
公共の電波を使って利益を追求するだけの御用メディアは必要無い。
私はマック好きですね、何時行っても(特に休日)もお客さんで一杯ですよ、価格は安いし、面白いし、何時も色々なキャンペーンをやってるし、たった120円で一服出来ますよ、商売の見本だと思いますがね、如何でしょうか
マックの話は別でしょう。
あんなものが世界一と思ってるのも文化度を疑うね。
TVもマックも大衆をバカにしてると先はないんじゃないかな。
>良い番組は…皆で力を合わせて作る…個人の意識の問題だ…。
たぶんシステムの問題だと思う。マックを見てみ、最先端の厨房とレジには非熟練のティーンを投入しながら世界一。個人の意識をタゴさくする暇があったらシステムを変えよ。末端の社員の意識をヌケさくする暇があったらトップを変えよ。
>社長…は元労働組合書記長。…マスコミは組合天国だね。
たぶん、何か勘違いをしていると思う。無知が栄えたタメシはないけど、大通りを威風堂々と歩いているのはよくある話だ。
フジテレビの社長の日枝は元労働組合書記長。そりゃあ組合員たちは憧れるだろうなあ。マスコミは組合天国だね。
下請けをイジメ抜いている分際で、よくこんなこと平気で言えるよな。
まじで、こいつらきちがいだな。
高い給料で良い番組作れるのかね?バカだよね、良い番組は良く考え、皆で力を合わせて作るものだよ、個人の意識の問題だよね、だから「泥舟」なのかねえ?沈むよね!
TBSの報道局で400人だそうですが、アメリカ三大ネットワークの夕方ニュース番組が数百人単位で番組制作にあたっていることを考えるとそれでも少ない気が。
腐った会社には腐った社員がいるものですね、会社へのメッセージを読んで、書いた社員は恥ずかしく思わないのかね?幼稚だよ!
記者からの追加情報
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