自民随一の資産家、笹川VS秘書献金、社名不明献金の石関 群馬2区
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笹川VS石関 献金ランキング比較 |
- Digest
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- 前回1422票差
- 13億円超“笹川マネー”
- 資産公開46億円
- 抜け道だらけの資産公開
- 年間4千万円の不労所得
- 笹川三世も議員
- 秘書献金、社名不明の個人献金の石関
- ザル法の政治資金規正法で改善すべき点
- ザル法の資産公開法で改善すべき点
前回1422票差
モータースポーツや笹川財団を設立した大物右翼で、モーターボートの財団法人「日本船舶振興会」を設立した笹川良一氏。「1日1善」のCMでもお馴染みだ。笹川尭議員はその息子で、自民党きっての資産家。対する石関氏は、郵政省出身の官僚OBで、まだ37歳と若い。
両者の激突する群馬県2区は伊勢崎市と佐波郡玉村町、桐生市(旧桐生市の区域)、太田市(旧藪塚本町の区域)、みどり市(旧笠懸町・旧大間々町)がエリア。もともと群馬県は福田赳夫、中曽根康弘、小渕恵三、福田康夫と戦後4人の総理大臣を輩出した自民党王国として有名。
だが、唯一群馬2区だけは前々から王国を揺るがす地盤沈下が起きていた。なんと自民党が大勝した2005年の郵政選挙の時でさえ、笹川氏の得票数は9万9,919票、対する石関氏は9万8,497票と、わずか1,422票差に肉薄していたのだ。
2005年に石関氏が肉薄した理由は、郵政省出身であることから郵政民営化への反対票を取り込めたからと考えられる。つまり、小泉首相が掲げた郵政民営化に根強い反対がある地域ということである。となると今回、民営化の見直しを掲げる民主党候補は、圧倒的に有利だ。
しかも、2005年の選挙では日本共産党の藤掛順恒氏の得票数が1万2832票あったが、今回共産党は候補者を立てていない。笹川氏にとっては、大差で負ける可能性が高い、キツイ戦いになる。
かといって小選挙区で落選しても比例で重複立候補して当選する、という可能性もゼロである。自民党は比例候補を73歳未満と定めており、73歳の笹川氏は小選挙区のみのガチンコ勝負で臨むことが確定しているためだ。背水の陣を敷く笹川氏が自民王国の意地をみせるか…。
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写真上は笹川氏が政治資金規正法で定められた政党支部への献金の上限の2千万円を寄付していることを示す文書。写真中は笹川氏が寄付上限をはるかに上回る金額を借入金という形で資金管理団体に流していることを示す文書。写真下は07年末時点の笹川氏の資金管理団体への借入金残高13億円超。![]() |
13億円超“笹川マネー”
そこで両陣営のバックにはどのような組織や勢力がついているのかを、政治資金面からチェックしたのが上記一覧だ。
まず、表のように、笹川陣営の献金ランキング上位は、第1位が本人、第2位、第4位も身内が占める。
3位の「富士振興㈱」も、群馬県の桐生競艇場でモーターボートをレンタルする会社で、笹川氏は大株主。5位の「桐生ボートサービス㈱」も競艇場の清掃を行うる系列会社。つまり、大口献金は全て“笹川マネー”によるものだ。
しかも、笹川氏本人は毎年、政党支部への寄付制限の上限いっぱいの2000万円分の献金をしていたり、後援会にも毎年120万円ずつ献金しているが、それだけでは足りないため、笹川氏の政治団体が、笹川氏本人に借入れる形で、莫大な笹川マネーを流し続けている。
たとえば、笹川氏は資金管理団体「笹川新生政策研究同志会」に、05年に7500万円、06年に7750万円、07年に6700万円を貸し付けている。
なぜ献金ではなく、こういう形にしているかというと、
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笹川VS石関政治資金力比較
石関氏の資金団体の個人献金(07年分)。ほとんどの肩書は会社役員となっているだけで社名は不明。企業献金よりも透明性は下がってしまっている…。
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読者コメント
時代の変化を感じますなあ。群馬県というと田舎なイメージなんですが・・・もう日本から田舎がなくなったのかもしれないな。都会化が進んでいるのかもしれない。
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