値引きしただけでセブン本部から契約解除される奴隷的“名ばかりオーナー”の実態
画像1:昨年5月から値引きを決行していた元「セブンイレブン福島塙店」オーナーの鈴木一秀氏 |
- Digest
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- 値引きで売上アップ
- 契約書に値下げはオーナーの判断と明記
- 寝耳に水の契約解除通告
- 本部の詐欺的会計「オープンアカウント」
- 本部の常とう手段「オーナー同士の潰し合い」
- 地位保全の仮処分申請を取り下げて裁判開始
- 閉店で従業員への解雇予告手当も自腹
- 最終目標は「フランチャイズ法」の制定
- セブン労組は「デモ行進」を決行すべき
- 「オーナーは本部の奴隷」
◇値引きで売上アップ
◇値下げはオーナーの判断と契約書に明記
◇寝耳に水の契約解除通告
◇本部の詐欺的会計「オープンアカウント」
◇本部の常とう手段「オーナー同士の潰し合い」
◇地位保全の仮処分申請を取り下げて裁判開始
◇閉店で従業員への解雇予告手当も自腹
◇最終目標は「フランチャイズ法」の制定
◇セブン労組は「デモ行進」を決行すべき
◇「オーナーは本部の奴隷」
画像2:上は値下げ前と値下げ後の月別の売上推移。下は、セブン本部から鈴木氏に内容証明で送られてきた契約解除通告書の全文 |
値引きで売上アップ
鈴木一秀氏(59)は1985年に福島県東白川郡塙(はなわ)町にある「セブンイレブン福島塙店」のオーナーとなり、1993年には2店舗目の「セブンイレブン福島塙上石井店」を出店した。
だが、後述のように営業エリア内で同業者も出店して競合したことなどが原因で経営が悪化。そこで鈴木氏は起死回生の売上げアップを期し、2008年5月から“値下げ”を断行した。
鈴木「値下げをしたのは、弁当、惣菜、サンドイッチ、パンなどのデイリー品です。セブンのデイリー品には『販売期限』があり、期限を過ぎたものはレジではねられるので、期限の2~3時間前から値下げをして在庫を全てさばけるように調整しました。値段の設定はケースバイケースです。たくさん売れ残っていれば5割引。少しであれば2割引、3割引でやっていましたね」
値下げの効果は数字にハッキリと表れた。画像2(右記)の「値下げ前と値下げ後の福島塙店の月別の売上推移」によると、前年同月比でみると、ほぼ全ての月で08年5月の値下げ以降の方が売上はアップしている。
例えば、昨年1月~4月の値下げ前は毎月売上が前年割れだったにもかかわらず、値上げした5月には1日当たりの売上が30万7千円(前年同月比プラス3万7千円)と一気に黒字化。
さらにリーマンショック後の不況の最中にもかかわらず、08年12月には1日当たり37万2千円(同プラス9万3千円)と売上を伸ばした。
そして値下げから1年後の09年4月には、1日当たり35万7千円(同プラス10万円)と前年比でさらに売上を拡大させた。値引き効果は明らかである。
ちなみにセブンイレブン本部や値下げを渋るオーナーたちは「値下げをすると、定価では客が買わなくなってしまうので、売上が落ちてコンビニが成り立たなくなってしまう」とよく主張しているが、実態はどうなのか。
鈴木「欲しいものを買いに来るついでに『今日は安くしてないのかい?』と聞いてくるお客さんならいましたけど、値引きの時だけ買いに来る人はいませんでしたね。スーパーなら値下げ品目当てでくる人もいるみたいですけど、コンビニはスーパーじゃないので」
契約書に値下げはオーナーの判断と明記
そもそも鈴木氏が調印したセブンイレブン加盟店契約書には、値下げについて次のように書いてある。
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ここでいう乙とは鈴木氏のことで、甲とはセブンイレブン・ジャパン本部を指す。つまり、契約上、セブンの商品の値下げはオーナーが決めてよいことになっているのである。
値下げをするかしないかはオーナーの判断。それなのに約1万2千あるセブン店舗のうち、値下げに踏み切っている店は皆無に等しい。
その裏には本部の圧力がある。それが今年6月に白日の下にさらされた。公正取引委員会が、セブンイレブン本部が弁当などの値引きをしないよう加盟店に強制していたとして、本部に対し、独占禁止法違反の排除措置命令を出したのだ。
公取が指摘するセブン本部の違反行為は次のようなものだった。
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公正取引委員会「株式会社セブン-イレブン・ジャパンに対する排除措置命令について」
寝耳に水の契約解除通告
消費者は当然値下げを歓迎している。今まで本部に気兼ねしていたオーナーも値下げしやすくなった。公取が動いたことで、当時、全国のセブン店舗で値下げのうねりが起こりそうなムードが広がった。その最中、鈴木氏宛てに本部から内容証明が届いたのだった。
09年7月13日に本部から届いた内容証明はなんと「契約の解除通告書」だった(画像2下)
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画像3:上は鈴木氏の地位保全仮処分申立書。下は鈴木氏の申立書に対するセブン本部の答弁書の一部。両文書とも記事末尾から全文PDFでダウンロード可
画像4:上はセブンイレブン福島塙店のあった場所。シャッターは閉まったままだった。(09年9月26日筆者撮影)。下は鈴木氏がセブンイレブン本部に対して起こした損害賠償請求の訴状の一部。全文は記事末尾にてPDFダウンロード可
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読者コメント
賛同者は、極力セブンイレブンの利用を控えよう。
結果的に確実に売れる数だけ仕入れることになる。夜遅いとご飯類やパン類が無く、お菓子で我慢だな。
この会社(7&i)は来訪者の面会相手の役職によって乗せられるエレベーターが違うらしいですよ。会社の体質を表していると思います
セブン・イレブンさんのやり方はオーナーに対する嫌がらせにしか見えないですね!北陸地方にはセブン・イレブン少ないですが、絶対利用しようとは思わないですね、殿様(セブン本部)と家来(オーナー)の関係ですかね
値引きは良くない、周囲のコンビニも値引きするようになり、良質なサービスと高い雇用水準が維持できなくなる、
だが、現在のコンビニは本部が強すぎてオーナーの能力が発揮出来ないことも事実、要するにコンビニが増え過ぎている、本部は従来の考えを根本から考え直すべきだ。
買う側としてみれば廃棄するなら安く売ってくれた方が良いとおもう。弁当とか買ったらすぐに食べる場合が多いと思うので。
コンビニで値引きしてたら私は買いに行かない。どこの店舗に行っても同じ値段同じ状況であるからコンビニだと思うけど。。。契約上の問題の法的問題はあるがコンビニがスーパーになったらダメだと思うけどね
他のコンビニグループが、逆に「エコ活動と生活支援」ということで値引き販売をして売り上げを上げてほしいです!企業組織がこういう仕打ちをしても厳しい罰則もないから散々なことが行われてる訳ですよね。こういう人を救済、保護する仕組みが有名無実で、民事訴訟を起さないといけないというのは、アンフェアですよね。契約と実態が違う偽装請負の問題と同じように長く放置されそうで心配です。
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