「天下り受け入れ私大」ワーストは日大・早稲田
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画像1 私大「天下り事務職員」ワースト20 |
- Digest
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- 私大にはびこる文科省「天下り職員」
- ノンキャリアも天下り
- 調査方法(概要)
- 天下り職員152校に576人
- ワースト1位日大「回答いたしません」
- 論点をすり替える早稲田大
- 上位10中8校が「無回答」
- 金沢大「ОBを採用して適正化…」
- 武蔵野音楽大は“コネ採用”
- “血税”で職員の給料、年金を補てん
- 税金の使途答えず、「無責任大学」139校
- 天下り幹部“年収1000万円”
- 「説明責任は果たす」13大学
- 存在意義を問われる私大の閉鎖性
私大にはびこる文科省「天下り職員」
当サイトの09年10月20日付の記事で、建学の精神に反して「天下り役員」を受け入れている私大は81学校法人、計123人に上ると報じたが、役員だけではない。私大の職員にも文科省ОBが大量に天下っている。
そもそも事務職員は教員のような専門職ではない。役人出身でなくてもいい。それなのにあえて補助金を交付する文科省のОBを、補助金をもらう側の私大が職員として受け入れるとすれば、癒着の温床となるリスクをはらんでおり極めて不適切である。
では私大に一体どれだけ文科省ОBが天下っているかというと、幹部だけで過去5年間に計35人もの役人が私大職員に天下っていたことが調査によりわかった。ポストは事務局長、事務局次長、事務局長補佐、審議役などだ。筆者の取材によると私大職員幹部の年収は約1000万円。実に優雅な天下りである。
例えば、文科省大臣官房付を06年3月末日に退官した藤井陽光氏(当時58歳)は、その翌日、「日本大学」の「学務部付審議役」に就任、07年6月30日に退官した村松君雄氏(58)は翌日に「聖心女子大学」の「事務局長」に就任といった具合だ。(詳細は画像2上部の通り)
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画像2:上 文科省幹部“私大天下り事務職員”リスト(03年8月16日~08年12月30日) 記事の一番下からエクセルダウンロード可。同リストは文科省の「再就職状況の公表について」に基づき集計した。
画像2:下 文科省ノンキャリアの大学事務職天下りを示す文書![]() |
ノンキャリアも天下り
ノンキャリアの天下り職員も多い。例えば、当サイトの09年12月1日付の記事で報じたように、情報公開請求した分だけでも、3人のノンキャリが大学職員に天下っていることがわかっている。(画像2の下の3枚の写真より)これは氷山の一角でしかない。一体どれだけ私大に天下っているのか。実態を調査した。
調査方法(概要)
調査のもとにした資料は、「国家公務員の再就職状況に関する予備的調査報告書」(09年5月公表)の文部科学省分の25~39ページの学校法人の箇所)。ここに学校法人ごとの国家公務員OBの常勤職員数が記載されている。
そこで各学校法人に以下の点を主に質問した。
1 常勤職員のうち、それぞれの最終官歴、ポスト名、年収をお教え願います。 2 こうした国家公務員ОB常勤教職員を雇うということは、私大・短大への補助金や許認可権という面からみて、公平性を欠くおそれがあり、問題ではないでしょうか |
回答までの期日は一週間以内とした。
天下り職員152校に576人
こうして各大学の回答をもとに集計した結果、文科省の天下り職員を受け入れている私大は全152校(学校法人数)、天下り事務職員数は576人に上った。ワースト上位20校は画像1、全152校は画像4の通り。(全ランキングは記事の一番下からダウンロード可)以下、順にみてみよう。
ワースト1位日大「回答いたしません」
ワースト第1位は日大。天下り職員数は26人。広報課のアズマオサム氏からは次のようなメールが届いた。
「貴殿からお問い合わせのありました『国家公務員OBの常勤役教職員について』の件につきましては回答いたしません。 日本大学 広報課」
回答はこれだけだった。
論点をすり替える早稲田大
ワースト2は天下り事務職員数24人の早稲田大学。広報室広報課の清水氏からは次のような一文がきた。
「先日ご連絡いただいたご質問ですが、本学には国家公務員としての前職を持つ教員がおりますが、勤務実態の伴わないいわゆる名ばかりの天下りと違い、前職の専門的な知識を活かして教育・研究に従事しております。従いまして、今回の取材主旨には合致いたしませんので、回答は差し控えさせていただきます。よろしくお願いいたします」。
要するに「勤務実態を伴うので名ばかり天下りではない。だから回答しない」というわけだが、これは論点のすり替えでしかない。勤務実態のない天下り職員など、もともと皆無に等しい。そんなことを問題にしているのではない。
問題視しているのは、大学行政を所管して、私大に補助金を交付している文科省のОBであるかどうかという点だ。それに答えられないというのは、全く説明責任を果たしていない大学である
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画像3私大事務局長の年収約1000万円と記載された文書
画像4私大天下り事務職員ワーストランキング21位~40位まで。全152大学は記事一番下からエクセルダウンロード可
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2010年記事。独立行政法人の研究所の図書館もこのパターンがあって、某研究所の天下り図書館館長の勤務実態は掃除ばかりだった。
何十年も上意下達の人事異動をやって50代になってから自力で転職先を探せというのも現実味を感じないんだけど。もっとエンプロイアビリティを奪わない人事運用できないのかな
独立行政法人でもかなりいるとは思うが、文科省管轄の場合文系教授があまり目立たないので気にされない。
日大早大はでかいからな、と思ったけど、規模を踏まえても多いな…。そして、規模的には大したことのない金沢工大とかは…
”私学助成補助金が114億、92億と多く、事実上、税金が役人の雇用対策に使われている”
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読者コメント
いつの世も天下りや。。。
早稲田には教授だけではなく事務職員にも天下りがいる。調査すべき。
2017年1月20日 早稲田大学に再就職していた元高等教育局長の吉田大輔教授について、大学は20日夕方、記者会見を開き、吉田教授から辞表が提出され、受理したことを明らかにしました。 本当に酷いな。非正規で赤字の非常勤講師ばかりの中(コンビニバイトの方が稼げる)官僚は年収1000万円の教授職に楽々と就職する。実に腐った構造だ。ネトウヨの馬鹿にする中国韓国と日本に大差などない。
本当に見識があり、研究が出来、教育が出来る方なら、天下りもありとは思いますが、実際には、そのいずれにも当たらない方が大学の教員になっていることが多い様に思います。学生がかわいそうですね。
更には、この大学設置の職務権限にかかる不正・癒着。
国民から見て、贈収賄とも見れる事実が、民主党政権の元文科副大臣・鈴木寛に見られます。
金も貰い癒着。不正。
ネイビー通信の記事にスクープが出ています。
そもそも大学経費補助は「一割」程度です。
こんなものは「廃止」して、大学の自助努力で解決出来る「程度の額」です。
それなのにこんな非合理な「経費補助」があるのは、ひも付き天下りだからです。
これをやめれば1.5兆円も財源が「開き」ます。
これを政治的に解決するのが、本来政治家なのですが。こんな「当たり前」の事も真紀子はせず、猟奇的な「生贄」への卑劣な攻撃。人格異常者です真紀子。
田中真紀子の「不認可」。
この火消しに文科省の役人は「躍起」となり、結果認可となりました。火消しに何故文科役人が「躍起」となったのかは、この記事にあるとおり、天下りが追及されるからです。
当初不認可という「生贄」にされかけた「3大学」の怒りは凄まじく、だったら天下りの不正を攻撃されると「文科役人」は恐れました。
そして真紀子火消しへ。
以前いた大学がかなり立ち行き怪しくなってきたとき、文科省からの天下りが徐々に行われ、結果、認可されないといわれた新設学科が翌年に認可され、当たり前に前言撤回された。意図的だった。潰れる寸前まで金を使い込、困ったという理由で天下りを歓迎し、ボロボロになった教員を追い込んでつぶしてた。朝日新聞も所詮、官僚擁護新聞で、かれらとつながっている。
日大、早稲田が多いとあるが、そもそもOBの数も多い。出身大学別社長の数ランキングも、トップ1・2は日大と早稲田。文科省の官僚OBのうち、大学別で何人いるのか、そしてそのうちの何人が出身大学に天下りしているのか、という数値も比べるべき。OB10人のうちの3人が天下りをしているのか、OB3人のうち3人が天下りをしているのかでは話が違ってくるのではないだろうか。
わたしはドイツの大学に10年近くいましたが、その間学費というものは払ったことはありません。下記のような書き込みは誤解を生じますからよくお調べになって書き込んでください。
欧米の大学が高いというのは誤解です。米大学は高額から格安まであり、また奨学金もあり、一概に高いとは言い切れません。また、欧州の大学は英国を除けば多くは公立であり、その学費は非常に低いものになっています。これは、1979年に日本が批准した「国際人権規約」の条項として「高等教育段階的無償化」が存在し、欧州の多くの国はこれを批准しています。日本は「高等教育無償化」ついては留保しています。
早稲田はタレントを入れた頃に終わってた。
大隈も泣く。
日本の私大の学費が高い?
欧米の方がもっと高いのですが・・・。
大学は、元新聞記者の受け入れにも熱心です。学者にとって新聞社はPRに利用できるからです。大学関係者は、常に自分の行動を「損得」の視点から決めているようです。真理の追究は二の次。
世界でも類を見ない程の高学費になっている日本の私大の闇を潰すことで随分日本の大学教育もマシになるのではないか。
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