全日空 「死ねばいいのに」職種間格差の異常
Ba 普通の企業 【生活オンリー型】 (仕事1.5、生活5.0、対価3.0) |
- Digest
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- 2年で180万円も減った年収
- 未だ聖域のパイロット
- 3万円で世界一周できる
- 入り口と年次で決まる給料
- 目立つコネ入社
- 専門職のキャリアパスに転換
- 内向きな仕事が多い
- 宗教的、軍隊的な強制力
- 仕事はグダグダ
2年で180万円も減った年収
その結果、経営側から見ると、社員の人件費が劇的に削減された。有価証券報告書に記載される一般従業員(総合職と特定地上職)の平均年間給与は、2008年846万円(43.4歳)→2009年799万円(43.4歳)→2010年666万円(43.0歳)と、なんと2年で180万円(21%)も減少。外資並みの業績連動ぶりなのだ。
ANAはインフラビジネスなので、業績の如何にかかわらず給料が安定した企業だと一般には思われがちだが、それは人事部のイメージ戦略と、巨額の広告費に懐柔されたマスコミが作り上げたイメージに過ぎない。実際、イメージ投票になっている学生の人気ランキングでは、常にトップ争い。たとえば楽天の「みんなの就職活動日記」による新卒学生人気企業ランキングで2010年まで4年連続の総合一位となっている。
ANA(総合職)のキャリアパスと報酬 |
「本当はゼロにしたいけど、採用ストップすると景気が悪いと思われてイメージダウンになるから」。ある社員は、2010年入社の採用で総合職を25人だけ採ったことについて、人事部の人間がそう言っていたのを聞いている。前年が85人、前々年は70人だったが、赤字転落(2010年3月期)するなかでリストラ(希望退職200人募集、2010年3月期に特別退職金44億円を計上)を進め、本来は新規採用どころではなかったという実情は、学生にはほとんど知られていない。
JALの倒産で「棚ボタ」による客が流入し、さぞかし経営がラクだろうと思われたANAだが、リーマンショック後の世界的な需要低迷やLCC(格安航空会社)との競争で2010年3月期に863億円の経常赤字に転落。2011年度からのLCC参入を表明するなど手を打ってはいるが、内実はドロドロである。
未だ聖域のパイロット
特に社員にとっての不満は、業績悪化のなかでも聖域として守られている、時代錯誤なパイロットの“神様扱い”、そして赤字転落してもなお、それを改めるための決断力も交渉力もない「事なかれ主義」の伊東信一郎社長ら経営陣に向けられている。
「あいつら全員、死ねばいいと思ってますから」。ある総合職社員が、本気で憤る。「パイロットと話しても、ワインと愛人の話ばかり。賃金をカットしたって、CAやトクチ(特定地上職)と遊ぶ金や、愛人を囲う費用がなくなるだけで、何も困りません。奴らの給料さえ正常化すれば、社員の平均年収1千万円の魅力的な会社にすることもできるんです」
なにしろ、パイロットの年収は、この2年間で、2199万円→1981万円と、10%しか下がっていない。同時期に21%も下がった一般従業員(総合職、特定地上職)や、もともと低い489万円から12%下げられたCA(客室乗務員)から見たら、諸悪の根源はパイロットの過剰待遇にあるのは、疑いのない事実だ。
パイロットは、賃金には表れない待遇も多い
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30代社員の給与明細
評価詳細と根拠
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読者コメント
実質公共企業だから変化は難しいけど、業界に競争原理は働いてるから、まあまあの職場と思います。 内向きの仕事は仕方ないね!
外国人パイロットを増やさないと聖域は無くならないね。
公共系ならコネ入社は普通に多いんじゃないでしょうか?
全日空の平均給与、特定地上職を除くとどのくらいですか? 私の友人は45歳で700万といっていました。
「死ねばいいのに」京極夏彦のタイトルですねえ。これは役人と結託している全国紙やTVキー局にもいえますねえ。それと政権与党もね!
ANAの異常実態を知っているので言葉はでません。子会社 孫会社の仕事内容は異常です。ハイジャックも可能 密輸も可能
夜中の機内は無法地帯。 偽造 偽造。
もっと 内部の内部に入り込んでください。
まだ JALの方が今は安心して乗れます。
一瞬でも会社がJAL化して40~50代の人間がリストラされるのを望んでいる会社は多いと思います。
実はこの改革が断行できたJALは今後何十年か安泰になっていくのかも知れません。
本当に今の40~50代は自分たちで何も出来ないし、何かを生み出すわけでもなく、現行の仕事にしがみつくしか無いのです。
若手からは無駄と思われるところにお金を掛け、残業を減らして自分の給料を守ろうと必死になっているのです。
社内格差がここまで激しい会社・組織は官民を見ても殆ど無い。第2のJALになる危険性はあるかも。
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