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全身傷だらけ、肋骨骨折に脳血管破断―新兵を殺した陸自「格闘訓練」の恐怖

情報提供
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「徒手格闘」訓練中に死亡した島袋栄吉さんの父・勉さんが記した著書『命の雫』(文芸社)
 東北・関東地方を襲った巨大地震と大津波。被災地や原発事故の危険で過酷な現場に自衛隊員10万人が派遣されている。原発暴走の事態は深刻である。この被災現場で活動するはずだったにもかかわらず理不尽な理由で命を落とし、任務を果たせなかった隊員の話を紹介したい。緊急切迫の状況にある方には不可欠な情報ではないのでそちらを優先してほしい。2006年11月、「徒手格闘」の訓練中に脳内出血で1等陸士の島袋英吉さんは死亡した。全身傷だらけ、肋骨2本が折れるという状況に遺族はいう。「息子は殺された」
Digest
  • 肋骨骨折、全身傷だらけの遺体
  • 陸自11師団調査報告書
  • 技は?場所は? 浮かぶ数々の疑問
  • 「大会」出場目前に無理な練習か
  • 時効を主張する国VS「真実」求める遺族

肋骨骨折、全身傷だらけの遺体

遺族によるホームページ「命の雫」裁判に詳しいが、事件は2006年11月21日、陸上自衛隊真駒内駐屯地の体育館で起きた。「徒手格闘」の訓練中、島袋英吉1士が意識不明となり死亡した。享年20歳。教育期間を経て同駐屯地に配属されて間もない“新兵”。部隊では輸送隊のトラック運転手だった。

自衛隊の階級制度について簡単に説明しておく。低いほうから、2士・1士・士長・3曹・2曹・1曹・准尉・3尉・2尉・1尉・3佐・2佐・1佐・将補・将。士長までは2~3年ごとに更新する任期制で、3曹以上は定年制だ。島袋英吉さんの階級は「1士」だから下から二番目である。旧日本軍の「1等兵」に相当する。

英吉さんの受傷状況は目を覆うばかりだ。救命措置を行った中村記念病院(札幌市)の診断書によれば、死因は急性硬膜下血腫および外傷性くも膜下出血、さらに頭部外傷による急性脳浮腫、小脳ヘルニア、二次性脳幹部出血もあったという。搬送直後は呼吸があったものの意識不明で、そのまま息を引き取った。「発症状況」として医師の所見がこう書かれている。

〈徒手格闘訓練中、投げられた際、後頭部を強打し受傷。頭部がかなりふられた様子。脳がかなりふられたことが予想される〉

司法解剖の結果をふまえた鑑定書にも、「脳が比較的強く振盪する力が発生したものと考えられる」と記載されている。架橋静脈という頭頂部の重要な血管が切れていることがわかった。頭を強打したことが致命傷になったことは明らかだった。

しかしダメージを受けたのは頭だけではない。医師や解剖医によって次のような傷が確認されている。

① 左ほお・鼻の表皮剥離・

② 下唇挫創・下顎切歯の脱落(注)

③ 前胸部・両側胸部の皮下出血

④ 左第4肋骨・同第8肋骨の骨折

⑤ 両腰・背中・ひざ・両肩付近の皮下出血

⑥ 肝臓裂創・出血(注)

解剖所見によれば、②の前歯欠損と⑦の肝臓の損傷については。人工呼吸器の挿入や心臓マッサージなどの医療行為による可能性があるとしている。だが、ほかの傷については病院に運ばれた時点でついていたとみられる。

「訓練中の事故」という自衛隊の説明を、遺族はにわかに信じられなかった。傷だらけの遺体を前にすればもっともなことだろう。

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自衛隊「徒手格闘」訓練の試合の様子

陸自11師団調査報告書

島袋英吉さんが亡くなったことを受けて陸上自衛隊第11師団が調査を行い、報告書をまとめている。そこに記載された経緯は次のとおりだ

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自衛隊「徒手格闘」訓練の様子。「倒して胴突き」をやっている最中に、返し技で倒され、頭を強打したとされる。

亡くなった島袋栄吉さんが使っていたラッパ。高校時代はブラスバンド部で、自衛隊でもラッパ手として優秀だとの評価を受けていたという。「命の雫」裁判ホームページより

島袋栄吉さんが生前に書いた書「命どぅ宝」(命は宝)。沖縄県出身で、命を大切にするやさしい人物だったという。「命の雫」裁判ホームページより

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jiangmin-alt2011/06/30 01:23

陸軍の内務班以来の日本の伝統。

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三宅勝久2017/06/28 12:59
 2017/01/08 16:56
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