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P&G 「外国人みたいな日本人」が集う、ガツガツ系サイボーグの養成所

情報提供
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A 優良企業
  【サイボーグ型】
(仕事5.0、生活3.0、対価5.0)
 2009年の6月から、アジアのヘッドクォーターを日本からシンガポールに移したP&G。グローバル企業にとっての、日本市場のプレゼンス凋落を象徴する出来事となった。社員も、日本法人の本社がある神戸からシンガポールへの転勤が進められ、いまや「マーケ職全体で全盛期の4~5割、部門によっては2~3割しか神戸に残っていない」(元社員)というほど。もはや成長が見込めない日本は、アジアの中心ですらなくなっている。
Digest
  • シンガポール転勤者が増加
  • 「新卒が8割」な会社
  • 営業は5~10年は支店
  • マーケ≒経営企画室
  • R&D≒技術をマーケに売る仕事
  • 商社や製薬へのステップにはならない
  • グローバルルールで内部昇格主義
  • 上級管理職は失敗するとクビ
  • 「それで、花王にどう勝つの?」
  • 上司が2~3週間の休みをとる
  • より人間的なサイボーグ
  • ダンナが「主夫」になれる

シンガポール転勤者が増加

一方で、P&Gの採用ページのQ&Aには、以下のような「建前」が掲載されていて面白い。

Q3. グローバル企業として日本市場はどのような位置づけですか。

A3. 日本はP&Gにとって戦略的重要性が極めて高いと考えています。これは、1)熾烈な競争=優れた競合他社、2)世界で最も目の肥えた消費者がいる、3)厳しい小売業界、4)複雑な流通制度、5)厳格な規制があるためです。これは、P&Gの経営陣がよく口にする「日本での成功なくして世界での成功はない」という言葉に代表されますし、現在のグローバルの会長、ロバート・マクドナルドや、リーダーシップチームのワーナー・ゲイスラーが日本での勤務を経験し、現在の地位についていることからも裏付けることが出来ます。

本当に日本が「戦略的重要性が極めて高い」のなら、続々と社員を引き上げてはいけない。むしろ増強しなければいけないだろう。

マーケティング部門に在籍していた元社員によると、日本市場の特殊性が強いハウスホールド(洗剤やオムツ等)部門以外は、この1年あまりの間に、7:3でシンガポール中心の人員体制に移行した。化粧品や歯磨き粉などの主要製品は、すべてシンガポールで経営戦略が立てられ、細かい展開の戦術だけが日本にいる社員の仕事として残された。

「サイエンス(戦略)とアート(店頭での展開)に役割分担され、バラバラになった感じです。シンガポールで大きなメッセージを作って、具体的にどういう色で商品展開するか、などは日本の社員が担当する。毎日のように両国で電話会議はします」(元社員)

日本の地位が下がるに連れ、社内では昇格の難易度も上がったと言われている。「かつては、暗黙の了解で『日本で○席』という昇格の枠があったが、今では全世界で統一され、日本担当は不利になった」(元社員)。売上が上がった人ということだと、新興国を担当しているほうが断然有利だからだという。

日本の陣容が縮小されるに連れ、海外でキャリアを積むチャンスは増えている。「実質、海外転勤はシンガポールが多いですが、希望を聞いてくれる風土はあります。赴任先のポスト数は現地の市場やP&Gが成長している度合いで決まるので、成長著しい中国やインドは行きやすく、ヨーロッパへの赴任は、かなり難しい」(元社員)という。

外資の日本法人というのは、通常、世界のなかでの日本市場への展開をミッションとするために日本国内から出られないケースが多いが、日本市場を軽視する流れのなかで、P&Gでは国を選ばなければ、20代で海外勤務は十分可能という点に特徴がある。

「新卒が8割」な会社

P&Gの特徴といえば、マーケティングに優れた会社とされること。採用も職種別で、マーケ職は特に競争率が高めだ。もう1つの特徴は、特殊なカルチャーを維持するため「新卒で入社する人が全体の約8割を占める会社」(社員)ということ。グローバルルールで内部昇格にこだわり、いきなり課長や部長のポジションに他社から移籍してくるというケースは、ほとんどない

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キャリアパスと報酬水準(マーケ職)

社員は「P&Gバリュー」を記されたカードを持ち歩く

意思決定カルチャー等

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seapig_dolphin2011/11/04 16:03

セミナーで見た人もまさにこんな感じ

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読者コメント

2011/04/25 01:29
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