NECソフト、リストラ対象社員に2年超ハローワーク通いさせ訴訟に 50万円の支払いで和解
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乾氏“リストラ事件”にかかわるNECソフト歴代社長。真ん中が池原憲二氏(在任期間04年6月~07年6月)、左が国嶋矩彦氏(同07年6月~09年6月)、右が古道義成氏(同09年6月以降) |
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- 再就職支援会社に出向で給与3分の1減
- 狭い部屋で上司に囲まれ罵倒の嵐、証拠音源
- 業務内容は月曜出社後ハローワーク、火~金出社せず就活
- 700万円の損害賠償を求め提訴
再就職支援会社に出向で給与3分の1減
原告の乾氏は1975年にNECソフトに技術職の正社員として入社。98年からは営業職に転じた。そして2000年代に入り、乾氏は徐々にリストラの標的にされていった。
最初の会社からのアクションは、53歳になる02年、夏のことだった。上司のI氏から複数回にわたり、アウトプレースメント社(再就職会社)への出向を打診されたのだ。
もともとNECソフトでは、業務遂行能力に限界があると判断される社員に対し、社員との合意のもとで、会社に在籍させたまま再就職支援会社に出向させ、そこで本人の希望に沿った転職先を探す活動をさせることになっている。
だが乾氏は、出向の打診を断った。
翌03年夏には、I氏から「営業としての強みがない」「君のやることはない。家族と相談するように」などと言われるようになった。そして同年12月には、再就職支援会社である「関東雇用創出機構」に出向することを打診された。乾氏は拒絶したが、翌04年1月、2月と、何度もI氏から出向するよう迫られ、ついに出向に応じた。
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NECソフト本社(東京都江東区新木場)![]() |
関東雇用創出機構での業務は、ズバリ、再雇用先を探すことだった。Yマネージャーからは、「2年間で仕事を見つけろ」と命じられた。
出向前までの乾氏の賃金は、基本給約46万円だったが、04年4月1日からは、事業基幹職6級(エキスパート)から4級(リーダー)に降格となった。
さらに、営業職の時代には支給されていた裁量労働制による1日1時間のみなし残業が支給されなくなったことから、賃金は減額となり、
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再就職支援の出向会社NECプロサポート(旧NECバイタルスタッフ)もあるNEC本社ビル(東京都港区芝)
NECグループ企業行動憲章。「従業員一人ひとりの個性を尊重します。また、能力を十分に発揮でき、活き活きと働ける環境を実現します」とある
和解条項(※筆者が裁判資料をメモして作成したもの=コピーや撮影はできないため)
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