交通取締り偽装で「公務執行妨害をでっち上げ19日間拘束」の築地市場事件 警官法廷証言をすべて覆す、目撃者が語る全真相
「私はすべてを見た」とAさんは語る。事件現場の前にある地蔵の右隣に立っていたAさんは、二本松氏の車に気づいた。 |
- Digest
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- 事件が起きる直前から見ていた
- 放置車両は放任して発車しようとする車を取締り?
- 「暴行なんて一切ありませんでした」
- ドアに挟まれていたのは警官でなく二本松氏
- 「ウチで調べるから」と目撃証言を警察が拒否
- 左手負傷のはずが右手負傷に
- 運転しない二本松氏が逃走をはかった?!
「ひとつ伺いますが、白バイの事件って知ってますよね?」
ファミレスの窓際の席に座るなり、Aさんは切り出した。
突然の質問だったので少し戸惑い、「あの高知の白バイ事故冤罪事件のことですね」とワンテンポ遅れて筆者は答えた。
高知白バイ事件とは2006年3月、スクールバスが高知市内で暴走白バイに激突され、白バイ運転の警察官が死亡し、スクールバスの運転手が業務上過失致死罪で禁固刑とされた事件だ。高知県警の捏造工作が疑われ、メディアでも大きく取り上げられた。
この事件では、スクールバスに同乗していた生徒や教諭、後ろの乗用車に乗っていた校長など、多くの目撃者が「バスは止まっていた」と証言している。しかし、「バスは動いていた」という警察官の証言を裁判長は認めた。
「築地の事件でも、野次馬がものすごくて、少なく見ても100人以上。しかも至近距離で見ていました。高知白バイ事件では多くの目撃証言が無視されて警官1人の証言だけが採りあげられましたよね。
しかも、現場のスリップ痕が後からつけられたのではないかという疑惑も出されました。
じゃ、警官1人の証言の重みと同等になるには、一般人が100人、200人証言しなきゃならないんでしょうか。この人たち(警察官)が黒いものを白といったら白くなっちゃんですか」
「柳の木のところに車が止まり、運転席に女性が座っていた」と指差して説明するAさん。 |
築地市場事件では、言い争いになった二本松氏が、合計7~8回も肘で警察官を突いたり押して暴行を働いたので警察官が通報して現行犯逮捕したとされている。しかも、二本松氏が車に乗って逃走を図ろうとした、とまで警察官は主張しているのだ。
しかし、二本松氏本人は暴行を全否定しているほか、陳述書を提出した目撃者4人全員が、暴行はまったくなかったと証言している。この構図が高知白バイ事件と似ている。
訴訟提起から約4年後(事件発生から約6年後)の13年11月19日に、関わった警察官2人の尋問、12月11日に二本松夫妻の尋問が実施された。
この証人尋問では、原告の二本松進夫妻と被告側の2警官(高槗真知子巡査と渡邊すみ子巡査部長)の主張が真っ向から対立した。
現在、原告側は第三者(目撃者)の証人尋問を申請しており、実現されれば裁判は大きな山場を迎える。
事件が起きる直前から見ていた
朝8時ごろの築地市場橋門近くにある露天八百屋前で起きた事件だから、目撃者・野次馬は相当数に上る。今回、事件の前・事件の最中・事件の後、つまり一部始終を至近距離で目撃していたAさんに、最初から最後まで見たことを聞いた。
「私はその当時、築地市場外の卸で働いており、早朝4時に出勤、配達や店頭販売、そのほかいろいろな雑用をしていました。
朝7時から8時の時間帯は、朝の仕事がひと段落して、店から出たゴミをまとめてゴミ集積所に持って行き、分別したゴミを指定場所に置く作業をしていました。
それほど忙しい時間帯ではないので、ゴミ集積所の社長と雑談することもよくあります。
あの日も、いつもと同じようにゴミ出し作業をして、その社長と雑談していました。ゴミ集積所の前にはゴミ収集車が2台並列して止められ、その後ろあたりですね。
作業もほぼ終わっていたのですが、そのとき目の前の柳の向こうに乗用車が止まり、女の人(二本松氏の妻)が乗っているのが目にとまりました」
事件現場の概略図。目撃者Aさんは最初①の場所で事件の始まりを見て、すぐに車の目前である②の場所に移って事態を見ていた。 |
Aさんが立っていた場所から柳の木までは5~6メートル。車内に人がいたかどうか充分に確認できる距離である。
「(この時間帯は)乗用車が止まっていることは比較的少なく、しかも緑のBMWだったので注意が向いたのかもしれません。
すると婦人警官が(車の前方から)2人歩いてきて、その車を通り過ぎました。交通取り締まりだろうと思い、社長と『この忙しいときに駐車違反なんて取り締まらなくてもねえ』というような話をしていたのを覚えています」
築地市場周辺の朝は、仕入れや集配の車が多く、路上に駐停車されているのが常だ。しかも並列駐車していることもあり、T字型交差点の真ん中に止めてあることも多い。
それを取り締まっていたら仕入作業がはかどらないため、築地市場と築地署との「協定」「長年の慣習」等により杓子定規な交通取り締まりをすることはない。
「婦人警官2人は乗用車のそばを通り過ぎたのですが、しばらくすると戻ってきて乗用車に近づくのが見えました。運転席にいた女性が車を少し動かし始めたので、その場を離れるかと思ったのですが、前の交差点ギリギリのところ、つまり一車両分は移動したところで止まりました」
女性(二本松氏の妻)が運転席に乗っていて、いつでも発進できる状態だったとAさんは話すが、裁判では高槗真知子巡査が、
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事件現場を南から撮影した写真。右のゴミ回収車の左後と小さな赤い屋根(中に地蔵)の間付近でAさんは雑談をしていたところ、左歩道脇の柳のところに二本松氏の車があるのに気付いた。争いが始まったのでガードレールまで移動して事の推移を見守ったという。
被告の都(警視庁)が出した再現写真撮影報告書では、警察官が運転席と開いたドアの間に進行方向に向かって立っていたとされている。こうしないと警察官が右手を挟まれたという供述が成り立たなくなる。
原告側が出した再現写真報告書。警察と正反対に、二本松氏がドアの内側で外側の警察官と言い争う形である。目撃者たちも、これが事実だったと証言している。Sは二本松氏、Tは高槗巡査、Wは渡邊巡査部長、説明文のNは二本松氏の妻。
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読者コメント
左記林克明氏はこの築地署デッチ上げ事件に対し、現場において目撃証人取材、裁判長らの訴訟指揮取材、原告・被告らの証人尋問取材を通じて、事件の真実を第5弾まで追跡しています。ぜひ閲覧して頂ければこの事件の真の恐ろしさが分ります。
⑤警察官の虚偽通報に端を発したデッチ上げ捏造事件の6年半余の長い国賠裁判で、築地署・東京地検の犯罪を隠蔽するため被告都・国は計22名指定代理人らを投入したが、原告らは裁判過程でこの不公平な税金の無駄遣いをも、その財源に税金を納めている国民にぜひ知って戴きたいと考えてきました。この事実もより多くの方々に拡散して頂ければと存じております。
④第1審の勝訴も警察・検察の証拠隠蔽、事件捏造を秘密にする蜥蜴の尻尾切り判決でしかない。「被告らは本事件の発生の原因・この種の事件発生を未然に防止するための方策、並びに本事件に直接・間接に関与した特別公務員の処分内容を明らかにした謝罪文発行」は却下されたままである。
③今回マスコミ各社の報道は主に勝訴判決の要旨を伝える内容にとどまっているが、左記林克明の取材報道のように真実を伝えて警察・検察の違法行為を糾弾して是正を促す内容が望まれる。よって、本マイニュースジャパンの読者の方々による真実の記事の拡散して戴ければ幸いに存じます。(④に続く)
②報道各社は単に国賠裁判における判決文をそのまま報道するのみで、警察・検察・裁判所の闇の部分にまで踏み込んだ取材報道する社は今回は無し!(③に続く)
①平成28年3月18日第1審勝訴!応援して下さいました皆様に感謝!感謝!引き続き応援方。地裁判決は高橋真知子・渡辺すみ子両警官の公妨事件捏造を認めるも、証拠隠蔽・事件捏造を主導した捜査警官(中島有侍警部補・前橋淳一巡査部長・小島修平巡査部長)、五島真希検察官の責任は回避させようという意図が明白。(②に続く――原告より)
この事件は一見ただの誤認逮捕事件であるが,実はそれよりもっと恐ろしいのは,その裏での「仕事」である。当初は私憤解消に【脅迫・逮捕】といった違法行為であったが,その後の【隠蔽・捏造】などは,関わっている者以外は想像もつかないほど恐ろしいものである。(参考:被告らの代理人だけでも延べ20人以上。)
「陽炎」という冤罪被害者の闇を描いたNNNドキュメント番組・氷見事件を拝見したが、人間どもはなんて嘘つきなんだろうワン❗️真っ黒に塗りつぶした書証を見るにつき、悪行満ちた闇社会だワン❗️吾らは忠実な捜査犬だワン❗️
再放送は7月20日11:00/BS日テレ18:00みんな見てワン❗️ウチのママは涙してたワン❗️
松村徹裁判長は客観的証拠文書と証人の採用を拒絶して終結させようとした。原告弁護団の再三の「証拠調べを拒絶する理由は何か?」に対してあやふやに「決定しましたから。」の一点張りであった。傍聴席からも「正当な理由は何か!」という質問が飛んだが、松村徹裁判長は顔を硬直させて下を向き、何も応えず逃げるように退席してしまった。裁判長の証拠調べ拒絶は裁判の破壊行為そのものである。忌避されるのは当然!
7月4日,目撃証人を採用しないM裁判長を忌避した。
警察組織は冤罪に裏金に集団ストーカーと忙しいのです。
私の白バイ事件と同じですね。
警察官は、スーパーマン(何をやっても真実)
不思議な国になりました(検察官、裁判官は仲間です)
冤罪事件は、後を絶たないでしょう、情けない。
おいこら!!巡査の復活→秘密保護法で→さらに増徴か???
またもやの印象。そのような裁判を傍聴したい。
記事を読むだけでは満足しない。皆さん行動を起こさなくては。
記者からの追加情報
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