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みずほ証券に騙された!「元本戻る」「高利息の私の社内預金に預けて」…被害者4人が一審全面勝訴「3831万円返せ」

情報提供
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みずほ証券の本山博史社長(11年6月就任、同社HPより)
 みずほ証券で営業を担当する社員(証券外務員)が、埼玉県南東部に住む主婦4人に「銀行に預けておくより、いいものがある」「元本は保証される。絶対損させない」なとど言って、ハイリスクのファンドを契約させ計2057万円の損害を被らせたり、「退職金代わりに金利のいい社内預金をやらせてもらっている。私の名前で預けて」等と言って、計2936万円を騙し取っていたことが分かった。この犯罪行為は2010年9月に社内で発覚したが、みずほ証券は被害者に損害金を支払わなかったため、被害に遭った主婦4人が、みずほ証券を相手取り、さいたま地裁川越支部に提訴。その一審判決が14年1月にあり、みずほ証券が使用者責任を認定されて全面敗訴、総額3831万円の支払いを命じられた。こうした話はメガバンクをスポンサーとするマスコミでは全く報道されず、まるでなかったことにされているのが実情だ。みずほの顧客無視・無責任体質ぶりがよくわかる事件を詳報する。
Digest
  • 「元本が戻ってくる」といってハイリスクファンドを買わせる
  • 「高利息の私の社内預金に預けて」
  • 「500万円預ければ3か月で50万円の利息がつく」
  • みずほ証券は3831万円を払え、一審判決

「元本が戻ってくる」といってハイリスクファンドを買わせる

社員が「みずほ」の看板と信用力で顧客から大金を騙しとっても「会社に責任なし」と堂々と言い張る“ОNEみずほ”を信用して資産を預けると、裁判までやらなきゃ戻ってこない――そんな事件が明らかになった。

一審判決文や訴状、準備書面、陳述書などの裁判資料によると、原告4人は、いずれも埼玉県南東部に住む主婦。05年12月、原告の1人、相沢愛氏(仮名、当時68歳、クリーニング店のパート勤務)は、近所のスーパーの出入り口付近のクリーニング店舗で仕事をしていたところ、顔見知りの客が近寄ってきた。

それは、みずほインベスターズ証券(13年1月から「みずほ証券」に改名。以下、「みずほ証券」という)池袋支店で契約社員として働く証券外務員で、埼玉県南東部に住む釜田篤枝氏(仮名、当時64歳)だった。釜田氏は、こう話しかけてきた。

(※証券外務員とは、証券会社の従業員のうち、証券の売買、デリバティブ取引の委託等の勧誘などの営業行為を行なう者。参考:東証HP

「銀行に預けておくより、よっぽどいいものがある」「銀行に置いといたって、今じゃ利息なんてちっとも付かない」「毎月、何万も配当もあるし、満期にはちゃんと元本が返ってくる」

しかし、相沢氏は投資取引の経験が絶無で、よくわからなかったので、曖昧に返事をするだけだった。

すると数日後の12月13日、釜田氏が再び職場にやってきて、「この間話したやつの申し込み書を持ってきた」「サインしてくれれば、後はやっとくから平気よ」「絶対大丈夫だから!」といって、署名、押印をするよう言った。

相沢氏は、釜田氏が大手金融「みずほ」の社員であることから、その言葉を信じ、200万円を釜田氏に渡した。

それから約1か月後の06年1月10日、釜田氏は再び、職場にやってきて、こう言った。

「お金があるなら、もっとやった方がいい。元本は返ってくるんだから、いいじゃない」

相沢氏は、釜田氏の言葉を信用して、夫の退職金1000万円を渡した。

だが、後にわかったことだが、釜田氏の指示に従い相沢氏が契約した商品は、ハイリスクなものばかりだった。

「RC(リスククラス)」という指標がある。これは、中立、公平な立場から「R&I(株式会社 格付け投資情報センター)が、ファンドのリスクの大きさを格付けしたもので、リスクの小さい順にRC1~5に分類される。定義は以下の通り。

・RC1:安定した利回りを目標として運用するファンド(基準価額の変動が極めて小さいファンド)

・RC2:価格変動リスクが5%以下(基準価額の変動が小さいファンド)

・RC3:価格変動リスクが5%超15%以下(基準価額の変動が中程度のファンド)

・RC4:価格変動リスクが15%超30%以下(基準価額の変動が大きいファンド)

・RC5:価格変動リスクが30%超(基準価額の変動が極めて大きいファンド)

相沢氏が投じた1200万円は、いずれもRC5の、ハイリスクな金融商品だった。

なお、みずほ証券からは、定期的に、取引残高を記載したハガキが、相沢氏のもとに届いた。それを見る限り、マイナスとなっているように見えた相沢氏は、心配になって釜田氏に一筆書いてもらった。そこには手書きでこう書いてあった。

「最終的には元本保証することを約束致します」

しかし、1200万円預けて、751万円もの損失を出していたことが、後に発覚したのだった。

「高利息の私の社内預金に預けて」

05年12月7日、原告の1人の飯田郁世氏(仮名、当時54歳、未亡人、近所のブティックのパート販売員)は、仕事中に店内で釜田氏に勧誘された。

釜田氏は、ブティック開店当初の同年6月から、月に何度も洋服を買いに来る羽振りのよい客で、身なりも良かった。

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元本保証の手書きの文面の概要(※筆者が裁判資料をメモして作成したもの=コピーや撮影はできないため)

その釜田氏は、こう切り出した。

「銀行に預けておくより、いいものがある

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原告・飯田氏(仮名)の「商品取引の損失明細」の概要(原告全員分は本文中からエクセルダウンロード可)

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吉田 光宏2015/02/18 05:49
2014/11/14 21:52
まさ2014/11/14 20:45
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