「京セラにだけは、入社してはいけない!」鬱&PTSDで退職した元社員が稲盛本読者に伝える“パワハラ王国”の内情
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パワハラでPTSDを発症、鬱病を患って退職に追い込まれた京セラの元中堅社員 |
- Digest
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- 安全配慮義務の欠如
- あだ名は『謝り侍』
- 「机を叩きながら指導する」をよしとする京セラ
- バカ・アホと1日中叱責
- 海外出張で部下に買春を強要
- 「全員参加ロジック」で昇進も決まる
- 復帰するも鬱病が再発、その原因は…
- フィロソフィーの感想で別室送りに
- 休職中も給料100%出して責任回避
- 「就業継続不可」の診断書
- パワハラの有効な対処法
- 京セラの特徴①:コスト最重視、クオリティー最軽視
- 京セラの特徴②:BtoB体質で柔軟性がない
- 京セラの特徴③「いい人」が少ない、冷たい
- 京セラの特徴④:アメーバ経営の闇
- 稲盛本を読んで入社するのは危険
安全配慮義務の欠如
私は2011年の11月から、鬱病の悪化から2度目の休職に入り、投薬治療などを続けていました。そして1年余り療養しましたが、産業医の診断で「就業継続不可」と断定され、社内規定の休職期間満了で退職するしか選択肢がなくなってしまったのです。
私は大学卒業後、京セラの前に在籍していた2社の計10年弱において、ごく普通に働いてきており、プライベートにも何ら問題は見当たりませんので、客観的に見ても、京セラの労働環境しか原因は考えられません。
このまま泣き寝入りでは納得いかないので、他社で人事畑を歩み専門知識を持つ親族を含め、計4者も同席のもと、パワハラの件について、人事部門の担当者に、面談を申し込みました。責任を認めて貰い、自動退職を回避するためです。
親族がこういった質問をすると、京セラの人事担当者は答えられず、固まりました。「意味がよくわからない」などと言うのです。私は人生を棒に振りかねない被害を職場で受けて、実際に働けなくなっているのに、京セラは、法令で定められた「使用者の安全配慮義務」について認識が欠落していると感じました。
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人事部による「ヒアリング結果まとめ」の一部。加害者・関係者側の言い分が掲載されている。「出張時にカラオケで買春を強要された」等につき、「記憶にない」を連発(全文は末尾よりPDFダウンロード可)![]() |
この面談のあと、やっと会社側が、加害者を含む関係者にヒアリングをすることにはなりましたが、「証拠なし」「当時者・関係者は記憶にないと言っている」という、ウヤムヤな結果となり、何も社内処分は行われませんでした。
このヒアリング結果は、嘘だらけでした。自ら「パワハラしました」と言う加害者はいませんから、嘘をつくに決まっていますし、また、関係者についても、前後のエピソードを話さなければ思い出すはずもありません。
だから、「私もその調査に入れてくれ」と人事に何度もお願いしましたが、無視され続けました。京セラには、パワハラが発生した際に問題を解決するノウハウが何もないのです。
結局、京セラは加害者および関係者側の意見をそのまま採用し、したがってパワハラは認定されず、私は翌年になって退職せざるを得なくなりました。
あだ名は『謝り侍』
具体的なパワハラの中身は、京セラのカルチャーから生まれているものだ、と感じました。なぜなら、その加害者1人だけではなくて、京セラの上司は、同じようなタイプばかりだったからです。
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京セラの現場組織概要![]() |
まず、「ご指導会」というのがあって、
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傷病手当金の請求書。給付を「京セラ親睦会」の会長に委任することで、休職中も給与の100%が支給される独特な仕組み。末尾の労務課説明資料(休業補償制度)参照。
休職に入る前の給与明細(主事補1級、30代)。休職中も、家族手当・都市手当まで含め、100%支給された。
京セラのキャリアパスと報酬水準
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以下のことを考えてみてほしい。産業医は職場の管理職や人事部と連携していると思いませんか?彼らは給料はどこから貰っているのか?産業医の診断に疑問があるならセカンドオピニオンを考えてはどうでしょうか?アジアには稲盛さんから学んだという経営者や労働者がたくさん居るらしいが、こういう事例は伝わっていないのだろう。
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