早大非常勤講師が理事会&専任組合へカウンター、過半数代表選に立候補 宇都宮健児、雨宮処凛、山本太郎、斎藤貴男、想田和弘…が支援
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早稲田大学の非常勤講師たちがカウンター・アクションに立ち上がった。専任教員(正規教員)と大学理事会を批判し、就業規則制定にからむ過半数代表者選挙に立候補した。 |
- Digest
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- 早稲田大学内でカウンター(対抗・反撃)アクション
- 早稲田騒動のきっかけは偽装選挙
- 非常勤以下の身分「日本語インストラクター」
- 就業規定の内容に重大な欠陥
- 処罰を逃れるための過半数代表選
- 正規VS非正規の全面対決
早稲田大学内でカウンター(対抗・反撃)アクション
いま世の中は“カウンター”流行りである。レイシスト集団「在特会」に反対するカウンターデモから始まり、最近では戦争法案(安保法案)の必要性を説いて自民党が全国各地で街頭演説をしたところ、反対する市民が押し掛け、通行人も加わって帰れコールが沸き上がるなど、カウンターが続発している。
そして早稲田大学でも、差別的で劣悪な状況に貶められている非常勤講師たちが、大学と専任教員組合に対し、カウンター・アクションを開始した。これは、単に早稲田という一大学の話ではなく、経営側と正規社員組合が、非正規社員を差別し劣悪な環境においている構図そのものであり、非正規からの反撃という意味でも、早稲田騒動は最先端に位置づけられるのだ。
目下の焦点は、学内にある日本語教育研究センターの日本語講師(非常勤日本語インストラクターら)の就業規則を定めるための、過半数代表者選挙。選ばれた代表者が、大学側が呈示した就業規則に意見書を書き、大学は就業規則に添付して労働基準監督署に届け出なければならない。
労基署への提出義務づけは労基法89条、過半数代表選は労基法90条で定められ、違反すれば、どちらも30万円以下の罰金が科せられる。
ただし、労働者の過半数代表者が「反対」の意見書を出しても、使用者はその意見に従う義務はなく、就業規則を届け出ることができるから、この制度は手続きを重視したものと言っていいだろう。
今回、問題になっているのは非常勤インストラクターの就業規定だが、当事者ではない専任職員組合・専任教員組合が推す大橋麻也準教授が過半数代表者候補として立候補したため、非常勤側から、早稲田ユニオン(首都圏非常勤講師組合・早稲田ユニオン分会)副代表の片山幹生氏が立候補した。
「立候補の動機を端的に述べると、大学理事会と専任教職員組合の組織ぐるみの“弱いものイジメ”に憤りを感じたからです」
と片山氏は所信を表明している。
その強い意志を支持して、社会運動や労働運動の世界ではそうそうたるメンバーが片山氏の推薦人に名を連ねている。宇都宮健児・元日弁連会長、雨宮処凛(作家)、山本太郎・参議院委員、斎藤貴男(ジャーナリスト)、想田和弘(映画監督)、佐藤昭夫(早大名誉教授)・・・。(1枚目の画像参照)
専任教員組合の前委員長の岡山茂・早大教授も片山氏を推薦している。このほか、団体では、河合塾ユニオン、全国一般労働組合東京南部、フリーター全般労働組合の共同代表ら20団体と個人だ。
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非常勤教員の就業規則に関する過半数代表選挙だが、専任教員組合から立候補者が出ている。![]() |
大学全般の選挙ではなく、日本語インストラクターという、ごく一部の箇所における労働者過半数選挙にすぎないのに、まるで国政選挙の候補を推すかのような派手さ
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「日本語教育研究センターインストラクター規程」。第4条―3で「インストラクター(非常勤)としての在職期間の合計は、5年を超えることができない」と、低賃金に輪をかけた悪条件が示されている。
関係者3名が5月15日、就業規則の届け出違反で、3名の理事を告発した。
早稲田ユニオンから専任教職員組合へ「公開質問状」。教職員組合発行の『きょうとうニュース』で早稲田ユニオンが教職員組合に対して事実とことなる批判をしていると書かれていたため、具体的に示してくれと質問している。
非常勤講師の候補に投票を呼び掛けるビラ。
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拡散要請だと? 私はそゆのは嫌いなんだけどな。ま、いいや、「はてな」ブクマくらいするか。
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読者コメント
受験生にとって、気になるニュースです。
投票総数 731 専任得票584 非常勤票143 白票4。
有権者は早稲田キャンパスに所属するもののみ。非常勤組合員の有権者は約40人なので、100票が上乗せされている。有権者という意味では、今まで存在しないことになっていた非常勤講師らが登場した意義は大きい。ようやく”普通選挙”実現へ向けての第一歩と言えるだろう。
事態を動かす為にも幅広い賛同者が必要と言いたかっただけです。決してこの記事が駄目だとかいちゃもんつけている訳ではありません。ただ厳しい予想ですが二重行政解消を目的としただけの大阪都構想レベルですら実現できない日本でこんな本質的な改革が果たして上手くいきますかね。
<A href="http://www.doujidaisya.co.jp/book/b165110.html" target="_blank">「ブラック大学 早稲田」(同時代社)</A>
”多様なメンバー”は、決して名前を出して彼らを支援しないでしょう。あるいは逆に、名前だけ出して何もしない。問題の本質を見極め、ある程度の勇気と行動力のある人が集まらなければ、事態を動かせない。
渡邉正裕編集長の指摘する通り、もう少し多様なメンバーで支援しないと色眼鏡で見られかねない。レッテル貼られ偏見持たれるだけでもマイナス。これは左右関係なく大事な問題なので余計にそう思ってしまう。
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