My News Japan My News Japan ニュースの現場にいる誰もが発信者のメディアです

ニュースの現場にいる誰もが発信者のメディアです

大東建託でまた自殺発生 パワハラで同僚が亡くなっても「のろわれているんじゃないの、あはは」と笑い声がする絶望的職場

情報提供
ReportsIMG_J20170903190044.jpg
自殺した建築営業社員Aさんが勤めていた大東建託八千代支店。
 今年6月、大東建託八千代支店に勤める50代の男性営業担当社員Aさんが自殺していたことが、社員らの証言でわかった。パワハラが濃厚に疑われる。証言によれば、Aさんはアパート建設の契約をとるよう上司から日常的に強く迫られていた。やっと契約をとったものの、実現の見込みがない事実上の「架空契約」で、数ヶ月後「予定どおり」凍結となった。上司らも知っていたはずだが、「なんとかしろ(融資を取りつけろ)」と激しく叱責、顧客との板挟みになってAさんは追い詰められたとみられる。加えて、この「架空契約」は、退職する上司の成績を上げるための「餞別」がわりだった、との証言もある。事件後、上司らは責任のがれの言動を繰り返し、それに追従して「のろわれているんじゃないの、あはは」と笑う者もいるという。「ひどすぎる。このままでは犠牲者がまたでる」とAさんに同情する社員らは、怒りをあらわにしている。同社をめぐっては、10年前の2007年10月にも藤枝支店で営業マン(当時42歳)が上司のパワハラで自殺し、労災認定されている。
Digest
  • 「長期無実績」の恐怖
  • 契約金肩代わりも日常的
  • 「餞別」がわりに架空契約
  • 変更契約で「契約凍結」回避>
  • 同僚が自殺しても冗談が飛ぶ職場
  • 大腸ガン手術の翌日に出社

◇「大東建託に殺された」

大東建託八千代支店(千葉県八千代市)に勤めていた建築営業社員Aさん(50歳台)が2017年年6月、自殺した。支店から1駅ほどの距離の空き地で、首をつって自殺をはかり、通行人に発見されたが、生還することはなかった。葬儀の場で、遺族である父親は、悲痛な表情で次のように語ったという。

「やめろ、やめろ、早くやめたほうがいいんじゃないかと言っていたのに。いちばんくやしい思いをしたのは息子です」

会社に殺されたというのは、本当にそのとおりだ――参列した同僚のひとりはそう思った。亡くなる直前の1ヶ月間、上司から理不尽な理由で連日詰問されるAさんの姿を見ていたからだ。

後段でも触れるが、同僚社員らによれば、Aさんは今年1月ごろ、2件のアパート建設契約をとった。しかし数ケ月の後、どちらも融資がつかずに凍結状態になってしまう。そうした展開は当初から予想されたことで、支店長や課長ら上司もわかっていたはずだった。

しかし上司らは、Aさんを責め立てたという。

「保留にならないようにしろ(契約が凍結状態にならないようにしろの意味)とか、人としての扱いじゃないようないいかたでものすごい責める。どうでもいいから融資をとれ、がんばれと。がんばりようなどないんです。どうしようもない。なのに、がんがんものすごい勢いで言う。いじめですよ」

同僚社員らの証言から浮かぶのは、過酷で無謀なノルマとパワハラに追い詰められたまじめな社員の姿だった。

ReportsIMG_I20170903190045.jpg
大東建託の建築営業社員が使っている自動車。GPSや運行状況の記録装置で社員は四六時中監視されているという。

「長期無実績」の恐怖

最近の大東建託をめぐる事情について、まずみておきたい。

アパート建設の契約をとるのが大東建託建築営業社員の仕事である。そして昨今の状況はきわめて厳しい、と社員らは言う。地方は人口が減っていて景気も悪い。したがってアパートの需要がない。一方、都市圏では、アパートの需要があるにはあるものの、建築費が割高につく大東建託は人気がない。

また「一括借り上げ」するのが大東建託の売りだが、都市圏ではこの契約をする必要性も低い。銀行などの金融機関も、アパートが供給過剰になってきたことを背景に、融資に慎重になってきた。

なかなか契約がとれなくなってきたなかで、会社はただひたすら「契約を取れ」と激しく社員に迫るだけだ。融資がつこうがつくまいが、関係ない。契約を取れ。取れなければクビだ――という強引な経営方針を推し進めているという。

営業担当社員が数ヶ月間にわたって契約をとれないと、どうなるのか。ある社員が言う。

「長期無実績者のレッテルを貼られます。そして、研修を受けさせられる。それも、いきなりメールで、明日朝、(遠く離れた)○○支店にこい。長期無実績研修をする、などと呼び出す。そこで丸一日拘束されて、しぼられる。反省文も書かされ

この先は会員限定です。

会員の方は下記よりログインいただくとお読みいただけます。
ログインすると画像が拡大可能です。

  • ・本文文字数:残り3,638字/全文4,905字

自殺したAさんが勤めていた大東建託八千代支店。亡くなる前の1ヶ月間、契約に融資がつかず凍結状態になったことに対して上司から執拗に罵倒されていたと同僚は証言する。

Aさんがアパート建築の営業をしていた周辺の風景。激しいノルマ主義の結果、融資の見通しがないまま契約だけをして数ヶ月後に凍結になってしまう「テンプラ契約」が多発しているという。

Aさんが勤めていた支店に張られたポスター。

大東建託本社。社員を使い捨てにする非人間性の度合いは上場企業のなかでも指折りだ。

公式SNSはこちら

はてなブックマークコメント

プロフィール画像
abberoad2017/09/10 18:53

行政が大ナタを振るわないと、ブラックはなくならない!

プロフィール画像
boshi2017/09/04 00:16

ダメ会社にもほどがある。(怒)

もっと見る
閉じる

facebookコメント

読者コメント

読者2021/10/27 21:09
株主2017/10/01 18:53会員
2017/09/19 16:52
求人広告問題2017/09/04 10:23
 2017/09/04 00:08
 2017/09/04 00:06
 2017/09/04 00:04
※. コメントは会員ユーザのみ受け付けております。
もっと見る
閉じる
※注意事項

記者からの追加情報

本文:全約5100字のうち約3900字が
会員登録をご希望の方はここでご登録下さい

新着のお知らせをメールで受けたい方はここでご登録下さい(無料)

企画「CMリテラシー」トップページへ
本企画趣旨に賛同いただき、取材協力いただけるかたは、info@mynewsjapan.comまでご連絡下さい。会員ID(1年分)進呈します。