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就活・転活でのグループワーク・プロジェクト分析&説明に使える、タックマン「チーム開発モデル」

情報提供
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【図1】Journey Mapsのストーリー作成に続いて、今回はグループワークでの自分の役割に焦点を当てたフレームワークを紹介。小規模なグループで仕事を進めると、4つのステージ(形成期、混沌期、統一期、機能期)を経るという。また、補足として、解散期がある。
 2019年卒向けの就活は既に4割の学生に内定が出ているという調査もあるが、6月1日から公式に採用面接が解禁となる。空前の売り手市場と言われるものの、大手企業及び外資系企業は相変わらず競争的な就活市場で、10年以上前に就活をした筆者の時代と大して変わっていない印象だ。内定を取るためには、ある程度、昔から続く「絶対ではないけれど、かなり内定の確率の上がる方法論」があるはずである。昨年、国立大学に所属する大学生から、以前掲載した『Journey Maps』を活用し、2018年卒の就活で 大手総合商社に内定を取った、という嬉しい報告をいただいた。今回は、本人承諾のもと、内定者のストーリーを参照しつつ、就職・転職活動でも有用な、グループで何かを成し遂げた経験を語るフレームワークとして、米国心理学者・タックマンの「チーム開発モデル」についてご紹介したい。
Digest
  • 「個人」だけでなく「集団」のストーリーを語れるか
  • タックマン「チーム開発モデル」とは
  • 5つのステージについて
  • 4つのステージをうまくJourney Mapsから引き出してみる
  • 2018年年度就活の総合商社内定者のストーリー事例「学生寮」

「個人」だけでなく「集団」のストーリーを語れるか

就活ではグループワークの経験を問われたり、転職活動では前職でどういったプロジェクトに参画し、どのような役割を果たしたか、を問われることは多々ある。また、プロジェクト後の上司によるフィードバック面談においても、プロジェクトを通してどういうスキル・知見を身につけたか、を問われることもある。

筆者について:通信事業者で営業、ITコンサルでテレコムメディア領域のコンサルタント、モンゴルにてAdline社にてプロジェクトマネージャー、PwCにてシニアアソシエイト、三和エナジー社にてITマネージャーを経て、現在ドイツのHocshschule EsslingenにてMBA in International Industrial Managementコースに在籍し、エンジニアリングと経営に関して勉強中。キャリア的な相談がある方は、以下に連絡をお願いします。
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Journey Mapsでも記載したことを繰り返すが、面接官の心に響くストーリーは、「いかに困難を克服したかを自分の言葉で語れるか」である。手前味噌だが、これは筆者が10年以上前に大学2年の時に学んだフレームワークを2015年に記事にしたものにも関わらず、昨年2017年の5月にメールでJourney Mapsの記事に関する相談が来た。私がその学生のエントリーシートを添削した結果、その人は第一志望群の大手総合商社に内定を取ることができた。このような事例がまだ出るぐらい、非常に「使える」ツールだ。大学生・ビジネスパーソンには積極的に使っていただきたい。

しかし、Journey Mapsは個人の体験にやや焦点を当てたフレームワークであり、グループワーク、チームワーク、プロジェクトワークなどの「集団で何かを成し遂げた」ことについて語るストーリーを見せる上では、少々、焦点がぼやけてしまう可能性がある。そこで、組織的な仕事の体験をストーリーとして語るためのフレームワークとして、タックマン「チーム開発モデル」を紹介したい。

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【図2】自分が作成したJourney Mapsをどう応用するかを示してみた。Journey Mapsの項目を4つのステージにてグルーピング、重複部分に関しては切り分けが難しくかつ話を膨らませるため、敢えて重複させた。

タックマン「チーム開発モデル」とは

タックマン「チーム開発モデル」とは、ある小さいグループがタスクを行う際に、そのグループは4つのステージを経ると説明したものである。4つのステージとは、形成期(Forming)、混乱期(Storming)、統一期(Norming)、機能期(Performing) に分けられる。50年以上前の非常に古い理論ではあるが、グループワークに関する理論として最も引用され続ける論文であると、別の論文でも言及があるほどである。

タックマン・ブルース(Bruce W. Tuckman)というアメリカの心理学者が、 1965年に心理学のジャーナル雑誌(Psychological Bulletin)に"Developmental sequence in small groups"として発表した理論である。さらにタックマンは1977年、理論を補完するため、adjourning(延期・休会)を発表した。

自分の歩んできたキャリアにおけるプロジェクトワークおよびグループワークの振り返りをする際、これは非常に参考になるモデルだ。実際に筆者は、ドイツMBAにて、「これまでの自分自身のビジネス経験を、タックマンのモデルを用いて30ページ以内の英文でまとめよ」という小論文的なものに取り掛かっている。「タックマン モデル」でGoogle検索をすると、日本語でも多くの記事が見られる。これはビジネスの世界でも十分に使えるし、就活・転活でも活用できるものである。

しかし、このタックマンモデルを日本語で検索しても原典にしっかり当たって、詳しく説明した記事は非常に少ない(原典に当たって説明しているのか怪しいものが、多々ある)。ここで保存版として、原典および英文の論文や書籍を読んだ上での説明、および筆者自身の体験を踏まえて簡潔に説明したい

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【図3(1/2)】混沌期を脱するには、「人間関係のこじれ」を解決する難しさがあるが、JourneyMapsと同様、問題をツリー化(構造化)して問題・解決策を整理すると良い。

【図3(2/2)】もはや陳腐化しつつあるMECE(MutuallyExclusiveandCollectivelyExhaustive)のツリー図であるが、グループの問題・解決策を整理するのにまだ使える。

【図4】大手総合商社に内定を取った当時学生だったHさんのストーリーを書き出してみた。(本人のレビューのもと、特定を避けるため一部情報を加工、構造はそのままにした)

【図5】JourneyMapsを基に、各4つのステージを書き出してみる、もしくはコピー&ペーストで継ぎ接ぎしながら調整して文章を作成してみる。各ステージでの自分の役割を要約として書き出してみる。

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