最初の司法判断は岡本圭生医師の完全勝訴――滋賀医科大の小線源治療をめぐる事件で法的措置が多発
写真上:勝訴直後の待機患者。(左)鳥居浩さん、(右)宮内伸浩さん。 写真下:記者会見をする岡本圭生医師。 |
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- 大津地裁の画期的な判断
- 癌の非再発率96%超の岡本メソッド
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大津地方裁判所の西岡繁靖裁判長は5月20日、癌患者と主治医が申し立てた癌治療の妨害を禁止する仮処分申立に対して、人命優先の決定を下した。
午後1時35分。裁判所の玄関から2人の患者が小走りに駆けだしてきて、曇り空の下で持ち受ける報道陣や支援者らの前で、「待機患者の救済認められる!」と書いた紙を広げた。カメラのシャッター音が一斉に響いた。
「どうでしたか?」「勝ちました」
「よし!」
拍手が起こった。
「認められたのは、(申立人の)7人だけですか」「岡本先生が治療される患者全員です」
写真上:裁判所に入る鳥居さんと宮内さん。写真中:判決後に裁判所の前で記者の質問に応じる鳥居さん。写真下:おなじく宮内さん。 |
岡本圭生医師による最新の癌治療を妨害されていた33人の患者を、司法が救済したことが判明した瞬間であった。患者らの多くは、癌の転移リスクが高く、岡本医師による最先端医療を受ける以外に完治できる可能性が低い人達である。治療を妨害され、命を裁判所の判断に委ねていた待機患者である。
仮処分の判決は、法廷で宣告されることなく、裁判所の事務局で決定書を受け取る慣例になっている。
申立人のひとりである宮内伸浩さんは、患者代表として裁判所の事務局で決定書を受け取る前に、顔に微笑を浮かべながら、
「受験の合格発表を待つような心境です」
と、筆者に話していた。自分を励ますかのように、
「大丈夫だと思いますがね」
とも、繰り返していた。常識的に考えれば、宮内さんらの請求は、まず認められる。しかし、日本の裁判には、「報告事件」と呼ばれる理不尽なケースがあり、これに指定されると、最高裁事務総局の政治判断で判決が下される。その前近代的な実態を繰り返し取材してきた筆者は、宮内さんらの勝訴に確信が持てなかった。暗い想像も脳裏をよぎった。
裁判所前で判決の報告を待つ患者と支援者。 |
微笑を浮かべた宮内さんとは裏腹に、鳥居浩さんは、能面のように顔を強ばらせたまま裁判所の庁舎に消えた。筆者は、鳥居さんが癌告知を受けたときも、同じ表情だったに違いないと思った。
しかし、20分後に宮内さんと一緒に裁判所の玄関に姿を現した鳥居さんは、安堵の笑みを浮かべていた。記者に取り囲まれて、口を開いたときは、思わず顔をゆがめて涙をこらえた。顔の輪郭が何度もゆがんだ。が、涙がにじみでた。その表情は、これまで待機患者らが耐えてきた日々を物語っていた。
大津地裁の画期的な判断
「前例のないケースについて画期的な判断をしていただいた」
仮処分の申し立てを行った岡本医師と患者らの代理人を務めた小原卓雄弁護士は、判決後に開いた記者会見で、裁判所に敬意を表した。
ひとつの事件で民事裁判や刑事告訴が連続して提起されることは特にめずらしくはない。滋賀医科大を舞台とした事件も例外ではない。いくつもの法的措置が連鎖している。治療妨害を禁止するこの決定は、数ある係争の最初の認定である。その意味で、最初の「勝訴判決」を受け、しかもそれが完勝だった岡本医師と患者ら、それに弁護団の喜びの大きさが想像できる。
実際、岡本医師も、決定を高く評価した。
「担当医として裁判所の適正な判断に敬意と感謝を表します。今回の仮処分において そもそも医療は誰のものか?医療とは誰のために行われるものか?という根本的なことが問われたと考えています。いうまでもなく医療は患者さんのために存在し、患者さんを救うために行われるべきです
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大津市郊外にある滋賀医科大医学部附属病院。
読売新聞に登場した河内明宏教授。専門はダビンチ手術。
疑惑がかかっている有印文書。「岡本」の三文印が押されている。詳細は本文。
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読者コメント
続きです。
「多くの患者が治療を希望して殺到する可能性が高い」にいたってはもはや笑うしかない。
希望が殺到してこまるなら今後も続けるべきであろう。
そもそもその状況に追い込んだのは自分たちではないか。
病院側が仮処分の判決に対して異議申し立てを行ったそうだが、その理由は、岡本医師の小線源治療が実施されると治療体制の見直しが必要になる、に加え、多くの患者が治療を希望して殺到する可能性が高い、からだそうだ。
もはや何が言いたいか理解できない。
岡本先生は10年以上も現地で治療を続けているにもかかわらず、病院側は体制の見直し?これは何かの罠か?と疑いたくなる程稚拙な言い訳だ。
6カ月か1カ月かという医療自体の問題で、裁判所から主張を全面的に否定されるのは、国立大学病院としてあるまじきことだと思う。滋賀医科大学病院は患者のことを第一に考えて国立大学病院としての責任を果たすことを強く望む。
ここまで書かれているのだから、反論があれば病院側はぜひ記者会見を開き弁明すべきだ。だんまりなら全面的に認めたと解釈します。
滋賀医大病院は未経験医師の治療をチーム医療と主張し不当医療行為を正当化するため文書偽造を行う、デリケートな性生活に関する質問を含む生活の質調査FACT-Pをインフォームドコンセント無く実施し更に内容の偽造を行う、FACT-Pの偽造目的は不明だが岡本医師の小線源治療の生活の質の評価を悪くしようとした疑いがある。医療の私物化のため当院は犯罪にも手を染めようとしているようだ。
滋賀医大病院の院長は「貴院は治療を妨害している」という医療機関としてあるまじき判決を突き付けられたにもかかわらず、真摯な対応を行っていないようだ。自浄能力がなく医師の倫理観もない人間は今回の責任を取って辞任すべきである。
黒薮記者による滋賀医科大小線源治療問題の続報。黒薮記者の記事は文がまとまっていて読みやすく、自分はとても助かっている。
滋賀医大の問題は奥が深いことがよくわかった。病院側はそれほどまでして何を求めているのだろうか。見苦しい。
今回の司法判断は患者側にとって大変うれしいことであるが、どうやらこれは最初の一歩に過ぎないようだ。
今後も続報を期待したい。
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