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DHC、長期摂取で死亡率が上がる「上限値超え」ビタミンEサプリを販売――小林製薬・大塚製薬も2倍弱を含有

情報提供
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長期摂取で死亡率が上がる量のビタミンEが入っているDHCの天然ビタミンE[大豆]
 必須栄養素であるビタミン・ミネラルのサプリメントには、国が栄養機能食品として含有量の下限値と上限値を定めている。しかし、ドラッグストアではその上限値を超えるサプリメントが販売され、過剰摂取の危険性が指摘されていることがわかった。現在の制度では、栄養機能食品の上限値を超えた商品は一般食品として販売可能で、「栄養機能食品」という表示ができないだけだからだ。特に危険なのは、体内に蓄積しやすい脂溶性のビタミン(A,E,D)と、必要量と過剰量の差が少ない鉄分。DHC、小林製薬、大塚製薬のビタミンEサプリは、上限値の2倍近くの量で、アメリカで発表された複数の臨床試験のメタ分析では、死亡率が上昇する量であった。最も含有量が多い『天然ビタミンE[大豆]』発売元であるDHCに尋ねると「そういう指摘があることは知っているが、血流改善や冷え解消などの効果を出すためには、ある程度の量が必要」と無責任な回答だった。(大手メーカー主要サプリ安全度一覧、およびDHCお客様相談室とのやり取り全音声データを、会員限定で提供)
Digest
  • 過剰摂取が危険なビタミン・ミネラルのサプリ
  • DHCの「ビタミンE」サプリは長期摂取で死亡率上昇
  • DHCの見解は「そういう記述もあるが…」
  • 小林製薬のビタミンAの含有量はロットで10倍のばらつき

過剰摂取が危険なビタミン・ミネラルのサプリ

「ビタミン剤でも処方しておきましょうか?」と、病院でも割に気楽に処方されるビタミン剤だが、過剰摂取した場合には危険性も出てくるので注意が必要だ。

食品安全委員会ですら、「ビタミンやミネラルの過剰摂取のリスク」について注意喚起を出しているほど。

事業者が、消費者庁に届けるだけで機能性を表示できる「機能性表示食品」の対象成分としても、ビタミン・ミネラルは過剰摂取による健康被害の可能性があるという理由で、認められていない。

また、ビタミン・ミネラルを含んだサプリメントに関しては、「機能性表示食品」とは別に、「栄養機能食品」という国の制度があり、下限値と上限値が定められている

ではそれらのサプリメントで、安全性は担保されているかというと、実は上限値以上のビタミン・ミネラルを含むサプリが、普通にドラッグストアやネット通販で販売されている。

上限値を超えている場合、「栄養機能食品」と表示をつけられないだけで、一般食品としてならば販売できるという、実におかしな制度になっているためである。

DHCの「ビタミンE」サプリは長期摂取で死亡率上昇

食品安全委員会が「特に注意が必要」としている成分が、脂溶性ビタミン(A、D、E)と、鉄分のサプリメントだ。脂溶性ビタミンは体内に溜まりやすく排泄しにくいため、また、鉄分は、必要量と過剰量の差が少ないため過剰摂取しやすいためだ。

特にビタミンEは、抗酸化作用があるため、動脈硬化予防による心疾患リスクの減少や、がん予防効果が期待され、医薬品としてビタミンE剤補充療法なども行われてきた。

しかし最近の研究では、ビタミンEの大量摂取には、心疾患やガンの予防効果は無い、という結果が多く発表され、逆に、死亡率が増加する、ということが分かってきた

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メタ解析論文の一部で、ビタミンEの摂取量と死亡リスクとの相関関係を示したグラフ

主要メーカーのビタミンE,D,A、鉄分のサプリの1日摂取目安量と栄養機能食品の上限値を比較した一覧表。筆者作成。

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