情報公開でわかったインチキな「売れてる健康食品」、サントリー「グルコサミンアクティブ」&「ロコモア」
サントリ―ウエルネス社のヒットサプリ「グルコサミンアクティブ」「ロコモア」機能性表示食品への届出資料ではその効果に疑問が出ている。 |
- Digest
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- 消費者庁も疑問視する「グルコサミンアクティブ」の効果
- 証拠の不十分で届出撤回が続出していたグルコサミンサプリ
- 「ロコモア」の関節・筋肉成分のダブル効果は「科学的に誤り」
- 回答拒否のサントリーウエルネス
消費者庁も疑問視する「グルコサミンアクティブ」の効果
サントリーのサプリメント「グルコサミンアクティブ」。
グリコサミン成分のサプリメントの中では売上No.1で、累計販売本数2000万本突破という大ヒットサプリメントである。
早朝や深夜のCMも盛んにながれており、落語家の三遊亭圓楽や歌手の中尾ミエが「移動時のひざ関節の悩みを改善!」などと宣伝。「抽選で1万名様にボトル1本無料」などの大盤振る舞いをしている。
サントリーウエルネス社のホームページに示されたグルコサミンアクティブの臨床試験のグラフ。 |
消費者庁に証拠を届け出れば機能性を表示できる機能性表示食品であり、サントリーウエルネスの商品のホームページでは、機能性の証拠を示すグラフが示されている。
ひざ関節に痛みを感じる人たち24人を、有効成分を含むサプリメントのグループ(摂取グループ)と、成分を含まないサプリメントのグループ(対照グループ)に分けて、16週間飲ませて、移動時のひざ関節の痛みの改善に差が出るかを調べたものだ。
グラフを見る限り、両グループの間では、統計上有意な差、つまり偶然とは言えない差が出ているように見える。
消費者庁が2017年に行なったグルコサミンアクティブのエビデンスレビュー報告書 |
しかし、このサプリメントについて、消費者庁が2017年度に行った健康食品のエビデンスレビュー報告書の中で、問題点が指摘されている。
グルコサミンアクティブの臨床試験は、もともとは変形性膝関節症の患者も含めた全体39人を2グループに分けて比較したものであった。
しかし医薬品と区別するために、機能性表示食品の対象はあくまで病気以前の人たちである必要があるため、患者15人を除いて、「健常者だが膝に痛みを感じる24人」に限定して再解析した結果が示されている。
グラフでは、摂取前の膝の痛みなどのスコアが、摂取中または摂取後にどれくらい改善されたか変化量が示されているのだが、ホームページのグラフでは、摂取0週の値はどちらもゼロになっているが、そこですでに差があったというのだ
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過去に届出資料の科学的根拠が不足として撤回されたグルコサミンサプリ一覧。
2017年度に実施されたグルコサミンに関するエビデンスレビュー報告書
サントリーからの回答。具体的な疑問には何も答えてない。
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読者コメント
変な薬飲むより普通にストレッチして睡眠時間を8時間確保する生活した方が身体にええんやな・・・偽薬効果くらいはあるかもしれんが。
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