My News Japan My News Japan ニュースの現場にいる誰もが発信者のメディアです

ニュースの現場にいる誰もが発信者のメディアです

DHC、ファンケルらの偽装効能表示に厚労省が指導 “共犯”新聞社は報道できず

情報提供
ReportsIMG_I1180071816625.jpg
DHC社の「圧ダウン」。血圧を下げる効能を「血」という字を除きごまかそうとしている
 「圧ダウン」「風なし」「肝エネルギー」--。一見、何のことか分かりにく いが、イラストなどとセットで医薬品のような効果を暗示している商品名の健康食品が増えている。厚生労働省が、5月末までの期限付きで、健康食品大手DHC、ファンケル、小林製薬などに対し、全面的な表示の改善を求めていることが分かった。主要新聞の広告表示をもとに改善指導していることもあってか、大手新聞は一切報道していない。表示は今月末で本当に改善されるのか。
Digest
  • 「圧ダウン」「風なし」奇妙な商品名増える
  • DHC、ファンケル、小林製薬の商品 厚労省が名指し
  • どこからも正確な情報が得られない消費者
  • 「そもそも健康食品という定義は無い」
  • 予防には「何を食べるかより、何を食べないか」

「圧ダウン」「風なし」奇妙な商品名増える

「圧ダウン」「風なし」なんて、ちょっと見ただけでは意味不明なサプリメント。商品のパッケージを見ると「圧ダウン」には、血圧計のイラストが書いてある。「風なし」は、マスクをかぶった男の子のイラストだ。

「血圧を下げる」とか「風邪を予防する」とはっきり明示すると、薬事法違反にあたるため、なんとなくぼかして「圧ダウン」「風なし」とイラストのセットで暗示させているわけだ。他にも「快快眠」「トイレアシスト」「アレル気サポート」「すっきりサポート」…

だが薬事法を厳密に適用した場合、例え暗示でも違反になる。その件について、昨年MyNewsJapanでもコカコーラの「広末浄化計画」について報告したとおりだ。

東京都が「浄化」は消費者にデトックスを思わせるので薬事法に抵触するとコカコーラ社に、キャッチコピーの変更を命じた。するとコカコーラ社は「気分浄浄」に変更。東京都は「浄浄」でもダメという判断だが、コカコーラ社からの回答待ちで、期限もつけずズルズルとあいまいにしたままという非常にぬるい行政指導が行われている。

DHC、ファンケル、小林製薬の商品 厚労省が名指し

ReportsIMG_H1180099484885.jpg
4月13日厚生労働省から各自治体宛に出された事務連絡

ただ、このぬるい行政指導に異変が起きている。まずはこの「事務連絡」を見ていただきたい。今年の4月13日に厚生労働省から各都道府県あてに出されたものだ。「いわゆる健康食品について」と題された文書で、健康食品の違法表示に対する改善指導を求めている。

業界大手のDHC、ファンケルをはじめ、小林製薬、明治乳業、味の素、アサヒビール、サントリー、サッポロビール、ハウス食品、ヤクルト各社に対して、厚生労働省からすでに連絡をしているとしている。東京都のぬるい指導と違って、5月末日までと、具体的な期限も決めている。

裁量行政の功罪は別として、行政指導をトップダウンで強化した形だ。厚労省が問題とした商品を販売しているのは、いずれも「主要新聞の全国版に広告掲載した社」と記されており、広告掲載を許可した新聞社としては片棒をかついだ形となっている。

ReportsIMG_G1180099482894.jpg
事務連絡に添付された問題になる商品名の表示

実際の問題広告の表示例を示したのが、右図だ。

「美肌グッド」「ダイエットパワー」「なめらか肌」など美容・ダイエット効果を示したものや、「コレステダウン」「圧ダウン」「糖ダウン」などコレステロール、血圧、血糖値などの低減を暗示されるもの、「ふしぶし」「楽節」「健節」など関節痛への効果を暗示したもの、「トイレ減」「トイレアシスト」「もれなし」など前立腺機能を暗示したものなどが並べられている。

指導を求められている企業は10社だが、上位3社のDHC、ファンケル、小林製薬の商品カタログを見たところ、問題表示と指摘されているリストは、いずれも、これら3社の商品の具体名であることが分かった。

例えば、DHC社のホームページをみると、商品名リストの主に左段に上げられている「圧ダウン」「糖ダウン」「風なし」「さらさら」「ふしぶし」「トイレアシスト(男)」「トイレアシスト(女)」。

ReportsIMG_J1180099486918.jpg
ファンケルの商品カタログ1

またファンケルが発行している月刊の「元気生活」という商品カタログをみると、健康サポートシリーズという商品問題リストの中段に挙げられている「快視」「記憶」「ぜんりつ」「コレステ」「楽節」「更年」「糖値」「計圧」「ぬくぬく」「リズム」「すっきり」「快眠」「肝心」「休足」「タフネス」といった商品名がならんでいる。

このカタログをみると一見意味合いが不明な「すっきり」は「食物繊維が不足しがちな方に」というコピーが添えられており便通の改善を意味していることが分かる。

また、小林製薬のホームページのヘルプシリーズという商品の中に、問題リストの右段にある「抗酸(ヘルプ)」「更年」「健節」「健圧」「しみなし」「しっとり」「休カン」「コリコリ」「ドキドキ」などの商品名があることが分かる。

どこからも正確な情報が得られない消費者

この健康食品の表示規制。私たち消費者にとって、どういう意味があるのか。

この先は会員限定です。

会員の方は下記よりログインいただくとお読みいただけます。
ログインすると画像が拡大可能です。

  • ・本文文字数:残り2,267字/全文4,070字
公式SNSはこちら

はてなブックマークコメント

プロフィール画像
nk-12014/08/13 13:41

古い記事だが、薬事法についてはどこも苦労してるようだ

プロフィール画像
jyooh2012/06/01 04:18

書かなきゃ、何に効くか分からないのにね。

もっと見る
閉じる

facebookコメント

読者コメント

DHCもやりすぎ!!2008/02/01 02:51
チャプリン2008/02/01 02:51
小林製薬は2008/02/01 02:51
※. コメントは会員ユーザのみ受け付けております。
もっと見る
閉じる
※注意事項

記者からの追加情報

本文:全約4,800字のうち約2,400字が
会員登録をご希望の方は ここでご登録下さい

新着のお知らせをメールで受けたい方は ここでご登録下さい (無料)