つくばエクスプレス(TX)、コロナ禍で乗客3割減&赤字転落も賞与5.5ヶ月維持 親方日の丸、公務員的な鉄道会社
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2018年に創業以来はじめて改訂された新人事制度(末尾より全文PDFダウンロード可) |
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- 開業15周年記念10万円、コロナ禍精励協力金1万円
- 昇格しにくくされてしまった
- 助役試験「4~5人しか受からない」
- 「労働者代表」が若くして助役に
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- 沿線住人増加、業績は盤石
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開業15周年記念10万円、コロナ禍精励協力金1万円
賞与は、コロナ禍まっただ中で業績が悪化していた2020年度も、前年度並みの5.5ヶ月だった。それどころか、この年は開業15周年記念で2020年3月31日に一律10万円追加支給、その3ヶ月後の2020年6月給与では「コロナ禍精励協力金」という名目で1万円追加支給。コロナ1年目は緊急事態宣言の影響で1日あたり平均乗車人員は27.8万人と前年度比3割減に落ち込み、79億円の経常赤字に転落した(2020年度決算)が、お構いなしだった。連続赤字見通しの2021年度も、5.5ヶ月分の賞与を維持した。
資本も経営もお役所なので、民間のような痛みを感じない経営体制であり、景気がよくても悪くても、常に一定。同じ輸送業の航空業界でANAが賞与ゼロ、年収で約3割カットになった不安定さ(JALは2021年度の賞与が年0.45ヶ月)とは対照的に、まるで日本社会から切り離された別世界のようだ。
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鉄道会社の平均年収ランキング50位までと残業代比率(全データは末尾よりエクセルダウンロード可)![]() |
確かに、元々の水準が大手と比べそう高くはない。左記は、国交省が全国の鉄道事業者についてまとめている最新の「鉄道統計年報」(2018年度版)から作成したものであるが、社員10人以上の事業者は全国に189。
そのうちTXは、平均年収で45位と、まあまあ上位で、中小事業者全体の平均より約100万円高いものの、絶対額では、東急や阪急といった上位企業に比べ見劣りする。
具体的には、
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昇格試験と必要ポイントの導入について
TXのキャリアパスと報酬水準
20代後半、主任の給与明細(駅員)。この月は12日も泊まり勤務が入り、40時間ほどの残業代として10万円近くが加算されているが、このくらいは平均的だという。制度改正後、基本給が「職能給」と「職務給」に分解された。紙による支給は数年前に廃止済み。
新退職金制度における勤続年数による加算ポイント設定と退職金の積み上がり方。勤続15年以下で辞めると著しく不利になることがわかる。(新退職金制度は末尾よりPDFダウンロード可)
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