社内報の媒体名も「Team GAIA」にリニューアル。サブタイトルは「地球に喜ばれる会社をめざそう」。社内では「三洋マンは地球の生命体ではないのでしょうか?」との声があがっている。特集はリストラ、ではなくツートップのインタビュー記事
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10月下旬、三洋電機本社と三井住友銀行の“連合軍”が、独立性の高い各カンパニーに乗り込んだ。カンパニー社長に対して、事業展開予測のヒアリングを行うのが目的だった。株価が急落するなか、1日には三井住友銀出身の副社長を迎え、いよいよ銀行主導の再建が始まるとも見られている。ワークシェアまで導入し守ってきた雇用の崩壊と、さらなる人件費の削減は不可避の情勢だ。
【Digest】
◇“ヤクザ研修”でリストラ
◇管理職クラスを製造ラインに配置換え
◇昇給を半年凍結
◇稼いでいる部門でも一律で年俸カット
◇「Buy Sanyo」で自社製品買い強要
◇「Bye(さようなら)Sanyo」
◇カレンダーや社員手帳も有料化
◇研修・評価はいい加減
◇“ヤクザ研修”でリストラ
下期に入り、2006年1月までという短期間に連結で1万人(うち国内5千人弱)のリストラを実施すると発表した三洋電機だが、ソニーや松下のような希望退職の募集は本体では行わないとしている。つまり、割増の退職金も支払わず、社員が自主的に辞めるよう仕向けるとの宣言だ。しかし、終身雇用を信じてきた同社の社員は、普通のやり方では辞めるはずがない。
そこで導入されたのが、春から行われてきた“営業研修”。今年3月ごろ、同社では「営業力強化」の名のもとに、リストラ含みの大規模な異動が始まった。表向き、営業を専門とするセクションが立ち上がり、JR塩屋駅近くの「三洋電機研修センター」(神戸市)に、それまで営業経験がまったくない人たちが、各部署から次々と送り込まれていった。
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1,200人の営業研修を伝えるビラ |
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「ウチの部では、40代、50代で管理職になっていない年配者が数人、行きました」(大東事業所のある部署)。個別に呼び出され、辞令が出て、すぐに異動。「来月から、新しい営業の仕事をします」といった内容の挨拶メールが流れた。各部署に人員数の数値目標が課され、技術系など全く営業とは関係ないキャリアを歩んできた人たちが、部署ごと全員、送り込まれたケースもあったという。
「指名された人のうち大多数は、帰る場所のない異動だと分かっているが、平穏を装って異動していく。『研修終了後は、医療機器の販売を行います』という挨拶メールを読んでいると非常に悲しくなり、明日はわが身だと思わざるを得ません」(40代社員)。
研修の内容は、いわゆる「ヤクザ研修」。些細なミスに怒号を浴びせ、無茶な販売目標を課して、達成できなければ罵倒する。「辞めさせるのが目的であることは明らかです。既に相当数が辞めている。研修を請け負う外部のコンサルティング会社は、辞めた社員の数で成功報酬が支払われる」(社員)。
東の拠点、東京製作所(群馬県)の要員も、はるばる塩屋まで越させる。土日に帰りたければ自腹だし、出張扱いにならないため出張手当もつかないから、生活環境面からも、嫌になって退職に追い込まれていく。こうした営業研修への配置転換は約1,200人が対象となり、指名された人のほとんどが退職してしまった職場もあるという。
◇管理職クラスを製造ラインに配置換え
一方、不振の半導体部門は、新会社を設立し、そこに強制的に社員を転籍させ、給与を2割カットするという強引な手法に出た。こちらも対象者2,000人のうち300人以上の退職者が出ており、20代で辞める人も多いという。退職者に対する優遇措置は一切ない。
これだけではない。さらに、それまで管理職や事務職だった人が製造現場に異動となり、製造ラインに立つ仕事もしている。「やっている仕事は、パートのおばちゃんと同じ。.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
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2005年度の一時金を伝える号外
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三洋電機のキャリアパス |
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