日本HP IBMと対照的な“HPウェイ”文化
![]() |
![]() (仕事4.5、生活4.7、対価2.8) |
- Digest
-
- まともに出る残業代
- グローバル業績が悪いと日本でも昇格なし
- 「横」の人を評価する
- 高業績者は海外旅行へ
- 「1回目に応募しておけば」という後悔
- 社内転職の自由度が高い
- DELLに食われている
- 専門職制度「キャリアトラック」は途上
- ゼネコン体質
- オフィスはフリーアドレス制
- HPファンが出席する「コーヒートーク」
- 「前職の60%の力で出来てしまう」悩み
- 「君の行動はSBC違反だよ」
- 年3回、海外旅行にいける休みやすさ
- 外資なのに労組がある
- SE職プロジェクトマネージャーの1日

まともに出る残業代
「プロジェクト期間中、自分は月80~90時間を申請している。競合する日本IBMとの違いは、家賃補助がゼロの代わりに、残業代がまともに出る、というところでしょう」(プロジェクトマネージャー)。
事業部にもよるが、HPは1ヶ月積算のフレックスタイム制で、残業は、月100時間を越えてつける人もいるという。自己申告制で、グループ長が管理。「働いた分もらえるので、納得性は高いと思う」(同)。
昨年まで在籍していた社員によると、残業代が多いときは、月収総額が、基本給の3倍にもなった。「月100時間、年1,200時間程度の残業は周りでは普通でした」。このため、仕事が遅く効率が悪い人のほうが残業代で高い報酬を得てしまう、という成果主義に反する状況も出てきていた。
残業に対する考え方は、HPも、合併前のコンパックも同じ。「コンパック時代も残業代がまともに出たので、新卒入社2年目で年収が7~800万円になっている人がいた。HPになってから月40時間を目安とするようになったが、実際には、忙しい部署ではそれ以上つけられる」(コンパック出身者)。
グローバル業績が悪いと日本でも昇格なし
2002年のコンパックとの合併から2005年2月にフィオリーナ会長が解任されるまでは総じて業績不振。グローバルで1万5千人が削減された2002年、2003年のリストラ時期は、日本法人の社員の昇格が、ほぼフリーズしていたため、基本給もなかなか上がらない状態だった。「昇格がとめられたこともあり、100%つく残業代の多寡のほうが、報酬に与えるインパクトが大きかった」(同)。
産業再生機構に、ダイエーの社長として引き抜かれた樋口泰行氏の社長在任中(2004年5月~2005年5月)の業績は悪くなかったが、それ以前の数年間は、コンパックとの合併に伴うリストラ時期で、グローバルHPの業績が期待された水準に達していなかったため、ほとんどの人が昇格できなかったという。
「個人がいくら頑張っても、世界全体の業績が良くないと報われない仕組みに対しては、不満を持っている人が多かった。コンパック時代の『成果を出した個人に報いる』との方針とも全く異なるものでした」(元社員)。
![]() |
キャリアパス![]() |
残業代に大きく左右される同社の年収水準であるが、基準額は、組合員で5つのランクに分かれている。
この先は会員限定です。
会員の方は下記よりログインいただくとお読みいただけます。
ログインすると画像が拡大可能です。
- ・本文文字数:残り7,420字/全文8,621字
タイプ別のJOBレベル(社内資料より)
組織図(2005年11月の組織改変図)
Twitterコメント
はてなブックマークコメント
facebookコメント
読者コメント
多忙な部署にいて必要とされていると社内転職など、希望しても聞いてもらえないし、できた人間を見た事がない。60%の力でできてしまうのはここで書かれているSE職(ってインフラだけで殆ど丸投げ)やサポートの一般契約窓口関連のエンジニア、あとは営業くらい。利益の財源となっているカスタマサポートの最上位契約に関係する人材はボロボロになっても働かされる。
IBMで残業手当をまともに出していたら破産する。それにただでさえ1000万以上がゴロゴロいるのに、どうなる?
概ね間違ってないね。ボーナス年一回はどうなったんだ?
記者からの追加情報
会員登録をご希望の方は ここでご登録下さい
企画「ココで働け!」トップ頁へ
新着のお知らせをメールで受けたい方は ここでご登録下さい
サンプル記事をご覧になりたい方は、こちらへ
■社員を紹介していただいた方、取材を受けていただいた方には、
会員IDおよび薄謝進呈いたします。ご協力のお申し出をお待ちしております。
ご連絡先E-mail:info@mynewsjapan.com