企業の採用ページ不満5割、職場環境イメージできず6割
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企業の採用HPに満足?(アンケート結果より) |
- Digest
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- データ解説
- 「数値データ」とは
- “労働投資家”に働く上でのリスク開示を
- メディアリテラシー向上の教育が先
- 高度な知的労働の分野は別
「企業ホームページ」で知りたいと思う情報は何ですか?との質問に対しては「自分の希望する働き方ができるかどうか」(71.8%)を選んだ人が最も多かった。ディップでは、「事前に企業側、求職者側の相互理解がされていないことが、「入社前・入社後のミスマッチ」の温床になっていると考えられる、と分析している。
調査の実施期間は12月13日~14日、有効回答数は1,030人。
データ解説
企業ミシュラン運営者として、結論的に、下記2点を述べる。
【応募者側向け】耳障りだけ良い形容詞をたくさん使い、ごまかしの効きにくい数値データが全くない会社は要注意 【採用側向け】全般的には、現状では短期的な解決はありえないが、一部の高度に知的な職種を専門とする企業にとっては、改善により企業と採用される側、双方にとってメリットがある |
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何を知りたいか?(アンケート結果より)
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◇「耳障りだけよい形容詞」とは
私は取材の前に、企業の採用ページを必ず見ている。何を見るかというと、いわゆる「白い嘘」、つまりあえて書かれていない情報は何かを確認し、それを社員に聞く。一番多いのは、制度の説明だけ書かれているが、運用結果は書かれていないケースだ。これは怪しい。
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耳障りのよい形容詞を連発するみずほ
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たとえば、みずほフィナンシャルグループの採用ページには、証券・信託・総研・コーポレート銀などを並べ、「会社間異動(転籍異動)による人的シナジー効果を高め、グループ内の適材適所の人員配置を実現しています」とだけ書かれている。
「適材適所」などという言葉は、小泉首相が大臣人事の質問に対する答えでよく使っていたように、何も言っていないに等しい。書かないほうがよほどましだ。こういう言葉を平気で使っている時点でダメだなぁ、と思えるようになるのが高度なメディアリテラシーである。
どうでもよい形容詞を並びたてる一方、具体的な表現や数字について記述できないということは、後ろめたいことがある証拠である。実際に、社内公募やFAで、年間何人がどこに異動したのかを記してあればよいが、ないのはいかにも怪しい。
これを社員に聞くと、実際には、異動の希望が叶わず辞めていく若手行員が圧倒的に多く、会社自体に見切りをつけ、離職率が入社5年で6割超になる代もあるのが実態であることが分かった。
「数値データ」とは
たとえば、みずほ銀行の採用ページには、支店の数さえ書かれていない。職種別の人数もナシ。地域別の人数比もナシ。これでは、いったい、この会社の中心的な仕事とは何なのか、イメージのしようがない。
実は、最も数が多い典型的なみずほマンというのは、郊外の支店で中小企業の取引先相手に融資等をして回る営業マンだが、それではちょっと古いし泥臭くてイメージが悪いということで、一生懸命、隠そうとしているのだ。
こうした基本情報に加え、給与の情報もなければ、残業時間の情報もなく、
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有報には様々なリスクがしっかり記される(三洋電機の2005年3月期)
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読者コメント
いや、ホント。ウチの会社の採用ページを見て「働きたい」と思ったとしたら、「かわいそうだなぁ」と思うもの。私は聞かれれば正直に応えるから、私の出た研究室からは、ココ何年も人が来てない。やっぱ、「嘘」はイカンよねぇ。
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