ゴールドマン・サックス証券会社 徹底した合理主義(生活/仕事)
Aaa 働く生活者にとってのベストカンパニー (仕事5.0、生活5.0、対価4.9) |
まず、社員専用のスターバックスコーヒーがある。対外的には、もちろん非公表。公式には、六本木には4つのスタバがあり、ヒルズ内にも1階に降りていけば「六本木ヒルズ・ウエストウォーク店」があるが、「より近くで待たずに」という発想。スタバのスタッフも4人くらいいる本格的な店である。価格は1割引だ。
- Digest
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- 専用スタバ、専用エレベーター、専用ジム…
- ちょっと1時間、スポーツジムへ
- ダイバーシティーは抜群
- 入社前に最低12~13人に会う
- 社員の一日
- 旅館やゴルフ場への投資はマイノリティー部門
- レピュテーションリスクの徹底
- 4人に1人はノンジャパニーズ
- メールの9割が英語
- 業務の専門分化
- 同業内で、グルグル回っている感じ
- 35歳でリタイアも
専用スタバ、専用エレベーター、専用ジム…
オフィスには、家族とその社員のみが利用可能なフィットネスジムが併設され、一フロアの半分くらいを占有する広さ。パークハイアットのジムをモデルにした高級タイプで、運営は「コナミスポーツ&ライフ」が行っている。ジムのなかには、「マルチパーパスルーム」(多目的のスタジオ)があり、ヨガなど様々な教室が開かれる。仮眠室や、シャワーもある。
いずれも、2004年5月にアークヒルズから移った際、森ビルにゼロから設計させて実現したものだ。「込むのが嫌だ、より仕事場の近くで、という発想」(元社員)。後述するパワーポイント作成やITサポートの専門家を配置して徹底分業する合理主義の思想は、ここでも貫かれている。また、社員の選民意識やプライドをくすぐる機能も果たしているようだ。
ちょっと1時間、スポーツジムへ
仕事がら、夜の時間帯に、海外とのやりとりが発生するので、サッと行って、サッと帰って来れる距離にあるのは、確かに合理的だ。海外系のプロジェクトを担当していると、週3回くらい、カンファレンスコール(海外事務所とのテレビ会議)があり、深夜、早朝に設定されることも珍しくない。
「ちょっと1時間、スポーツジムへ、とかもアリです。業務時間内もOK。戻ってきてTシャツ、短パンのまま仕事をする人もいます」(同)。時間に振り回される業務内容は、日本の大手商社や新聞社でも同じことだが、さすがにこうした施設は、日本企業の発想からは生まれない。
ダイバーシティーは抜群
意思決定カルチャーなど |
ジムで汗を流す時間があるが、そもそも1年目から年俸制なので、残業代という概念はない。労務管理は実質的に行われていない。M&Aアドバイザリーの部門は、どのプロジェクトにどれだけ時間を使ったかを、顧客にチャージする目的で記録はしている。
朝は、マーケット関係は7時ごろ出社と早い。投資銀行部門は、少し遅い。夜は23時、24時では、普通に社員が残っているから、社内にいる時間は長い。だから、快適な環境でなければ、優秀な社員が逃げてしまう。服装は、「エブリディ・カジュアル」。ただ、顧客に会うことが多い営業系は、スーツが基本だ。
全体では、45%ほどが女性で、国籍もさまざまと、ダイバーシティーは抜群。日本人の上司の下に、外国人の部下がたくさんいるのも当り前の光景で、外人が上、という意識もない。ただ、投資銀行部門は、短期集中で、かなりの体力を要することもあり、女性が少ない。フィックスト・インカム部門(債券・為替・コモディティ部門)などはそれほど夜が遅くならないこともあり、女性が多い部門だ。VPやMD(マネージングディレクター)といった経営層に近い女性も、普通にいるという。
入社前に最低12~13人に会う
社員数1,200人と、決して少なくない規模であるが、入社する社員のマッチングと選考には、膨大な手間をかける。GSは伝統的に、入社前の面接で、
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読者コメント
ゴールドマンの4~6月期は、純利益が34億3500万ドル(約3200億円)で、2四半期続けて黒字を確保した。事実上の前年同期の08年3~5月期より65%増え、アナリストの予想を上回った。(2009年7月14日)
ハッピーリタイアメントって本当にハッピーなんですかね?社会的意義のない仕事して稼いで、ハワイに住む??
入社前に最低12・3人に会うというのは内定者にとってはいい事だと思います。内定を貰ってもミスマッチや会社の業務内容や休暇等の福利厚生をきちんと把握しきれていない人もいると思うし、相手に会社の事をきちんと理解させようとしている事は評価できると思います。他の会社もGSみたいに入社前までに社員と会って積極的に話せるようなシステムを作った方がいいように思います。
慈善活動にがんばるのは結構だが、会社としてほかにもっと優先順位でやるべきことがあるのでは。収益をあげているグローバル大企業のわりにはも社内人事がややおろそかにみえる。部門ごとにおける野放しワンマン経営と短期的な視野でのその場しのぎ経営層人事はグローバルスタンダードなんでしょうか。
生活5.0はいくら何でも高すぎだと思います。
プロジェクト中は毎日タクシー帰りで、仕事中に気絶した人もいる様です。
「生活」面で破綻してる様な気がします。
ここの知人と飲んだとき、夜8時くらいに遅れてやってきました。
そして、「仕事がたいへんだよ。いつクビにされるかと、上司が恐くて恐くて」と、戦々恐々と語っていました。
「前の会社(日系)の方が良い」と漏らしていました。
そして、夜10時くらいに、「また会社に戻るよ」と言って、会社へ戻って行きました。疲れた顔で。合わない人には、つらいのでしょうね。
ここのやっていることは、赤字会社を買収して、赤字部門を切り捨てて黒字にする。そして、同業他社へ持ち株を売却する。コンサルティング料と売却益が儲けである。経営科学が収益の源泉ということだ。
個性とプライドが非常に強い社員集団の中で人間関係をいかに効率よく処理・維持できるかが成功の鍵となる。
アメリカ的なファイナンス理論は株主により多くの配分を!との主張を難しい数式で証明しているが、簡単に言えば、資本家(金持ち)によこせということなんですよね。数式も信じられないです。
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