立花隆氏 今なお残る報道の「40年体制」=「大本営発表体制」
講演のなかで立花氏は、「『新聞を読まない人の増加』プラス『インターネットパワーによって起きつつある経営問題』というのが、新聞ジャーナリズムの危機として、今一番大きな問題なんです」と述べ、下記内容を述べた。
・日本の経済構造は基本的に「1940年体制」の上に乗っていた。戦争を遂行するための総力戦体制の中でできたのが日本の経済の一番の特徴。・その「40年体制」の問題というのは、経済構造の問題だけではなく、それ以上に日本のメディアの問題、報道の問題、それにものすごく現れている。
・新聞の「40年体制」は、「総動員体制」であり、「大政翼賛体制」であり、「大本営発表体制」。そういう仕掛けがそのまま、今のメディアの基本構造の中に埋め込まれている。
・それが与えた最も大きな日本のジャーナリズムのネガティブな性格は、「上からのタレ流しをそのまま使える、発表ジャーナリズム体制」。
・具体的に言うと、いわゆる「記者クラブ問題」。日本のメディアの問題で最大の問題は、この「記者クラブの問題」である。それは、記者クラブを通じての上からの官製の情報のディストリビューション体制が、あまりにも日本人の常識の中にまで入り込み、それが普通だと思っている。
・ところが、世界のメディア、ジャーナリズム体制の中で、それはものすごく異常な仕掛けである。
そのうえで「現実に、権力のチェックがどれだけ本当に日本のメディアにできているかどうか」と疑問を投げかけた。
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読者コメント
↓今ではその「権力」とは天皇に限らず、あらゆる組織的な情報源全てを指しているとも考えられます。要は場所・個別の記者クラブの全体ということで。記者クラブ批判はかなり以前から大勢の人間がしているのに、マスコミが全く変わってないのは、40年体制云々以前に本質を曝け出しているような気がします。
新聞業界や資本系列を同じくするテレビ・広告業界の人達の中には今でも日本が旧憲法の規定に従って動いていると考えている人がいるようですね。権力に対して無批判なスタンスなのは明治憲法では統治権・立法権・衆議院の解散権・司法権など全ての権限が天皇に集中していたために”権力批判”は即ち”天皇批判”と捉えられてしまうので自粛すべきだという慣習があったのかも。60年以上が経過しても体質に変化なしか?
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