《未来の高成長日本株》は働く環境の分析から発見できる
キーエンス・ユニクロ・ニデック・オープンハウス…時価総額10年10倍企業の共通点
60分@みずほ証券ウェビナー |
8月に証券会社のファンドマネージャーとアナリスト向けに行ったセミナーの概要を収録しておく。1千人超をじっくり現場取材してきた私が、投資に役立ちそうな切り口に絞って、まとめたものである。(※ご紹介する情報は、すべて私の独自取材に基づくものであり、当然ながら、みずほ証券の見解とは100%無関係である)
- Digest
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- どうやって取材をしているのか
- 「死の谷」を乗り越えられるか
- 報酬水準マップにおける「高成長日本株」
- 「スーパーアンドロイド集団」に多い高成長株
- 典型例としてのファストリ
- 「社風マップ」からわかる高業績企業
- 「人材流動性マップ」における高成長企業の位置
- 強制開示データは役に立つのか
- 「働きがい」「働きやすさ」「組織文化」をスコア化
- センチメント分析モデルの精度が肝
- BERTモデルを採用した三菱UFJ信託銀
- ブラック企業は生き延びれば高成長優良株に
内閣府令により、2023年3月末以後の事業年度にかかる有価証券報告書から、人的資本および多様性の情報開示が義務付けられた。「男女間賃金格差」と「女性管理職比率」は前進といえるものの、それ以外は全く意味がないポエムに終始し、全体として投資家にとって役に立つものではない。では、どのような分析ならば意味があるのか。
《事後いただいたアンケート結果のすべて》・やっぱりそうなのかという話しが多く、自分の考えが間違いではないと確認できました。有価証券報告書への人的資本関連の開示が全く意味がないという主張には、全くその通りだと思いました。
・普段あまり見ない観点での切り口のセミナーで、大変面白かった。
・見やすい表、本音ベースの話が聞けて定量的な分析エビデンスを出しているのは納得できました。
・衝撃的でした。納得です。
・事実は面白い
・三菱電機の企業体質が変わっていないことに衝撃を受けました。
・普段、漠然と感じていても言いにくい事(モーレツブラック会社の方が、業績株価とも上がる)を言及して頂き、面白かったです。
・タブー視されるテーマに対して、フランクに話をされていたので結構、衝撃的だったと思います
・企業価値と労働環境の関係が明確になり勉強になった。また、企業を通してだけでなく、リアルを知っている従業員の声を分析することは意義深いことであると感じた。
・ユニークな切り口でした。ただ、評価基準が主観的にならないか気になりました。ありがとうございました。
どうやって取材をしているのか
前半は、働く側の視点から分析したリアルな企業実態を紹介する。そもそも、どうやって取材しているのか。まず、私のほうから企業の広報部門に取材を申し込むことは絶対にしない。そうやって出てきた話は会社視点の情報で、間違いなく歪められ価値が低い情報だからだ。
新聞テレビの情報は9割超がこれで、「本音と建前」でいうと、建前だけの情報になる。重要なことに触れない情報を「白い嘘」と呼ぶが、それである。たいがい、働くうえで一番重要な「収入」についてはタブー視され、そもそも触れない。腑抜けの情報である。
最近の情報提供より |
私が取材する相手は、自分の取材ネットワークからが7割くらい。その入口は、本『いい会社は~』の読者だったり、検索で当サイトに行きついたりで、趣旨に賛同いただいたファンは、友人を次々に紹介してくれたりもする。最近は動画シフトを反映し、「PIVOT(→「いい会社」再生リスト)を見て、自分の子どもたち世代のことを考えた」といった社員を取材する機会も増えた。
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これはホンモノで、記者が実際に会って裏がとれている
報酬水準と勤続年数のマップ
人事評価マップ
社風マップにおける高成長企業
人材流動性マップと高成長日本株の関係
新卒900人。2015年3月入社式を伝えるテレビ報道。
働く環境は口コミから数値化できるのか
組織文化スコアとは
「働きがい、働きやすさ、組織文化」と数値評価項目との相関
「統計的に有意な正の超過リターン」西家・津田論文(2018)より
三菱UFJ信託銀行「人的資本の投資戦略への応用」より
逆三角形型はブラックの証
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