ベース＋セールスインセンティブで増減

ジョンソン＆ジョンソン日本法人のキャリアパスと報酬水準

ジョンソン・エンド・ジョンソンは、米国上場企業の時価総額でヘルスケア部門1位を定位置としてきた名門。ここ数年は、肥満症薬を当てて急伸したイーライリリーに次ぐ2位につける。AIの波でGAFAMが上位を独占するようになった全体でも16位と、グローバル高収益企業として知られ、日本のトップ・トヨタ自動車でも48位と、遠く及ばない（※2025年11月末）。

医療業界は、メーカー全体のなかでも半導体と並んで給与水準が高いことで知られるが、そのトップクラスの水準とは、どの程度のものなのか。数十年にわたる営業部門の在籍を経てコロナ禍後に退職した元営業職ベテラン社員に、明細をもとに、日本法人社員の実情を解説してもらった。

ある月の給与明細（非管理職）をもとに収入・支出の内訳を元社員が解説

「2000年に、当時の松本社長が年俸制を導入して、今の制度になりました。それから基本的に変わっていません。営業職の年収構成は、大半を占める非管理職だと、ベースサラリー＋みなし残業手当（20時間分）＋セールスインセンティブ。それ以前は、残業をたくさんして残業代だけで20万円以上という時代もありましたが、今では大きな差がつくのは、営業成績で変動するインセンティブだけになりました」（元社員、以下同）

この「松本社長」というのは、伊藤忠から中途でやってきて1999年に社長に昇格した松本晃氏のことである。J＆Jに16年在籍した後、カルビーCEOに転じた。

達成率100％超から急に角度がつくインセンティブ

年収の決まり方は、いたってシンプルで、個人に課された年次の営業目標を「やればやっただけ」という世界。

まず、ベースはBandで管理され、新卒はBand23から。ベースサラリーが年335万円＋みなし残業手当が年60万円弱＋セールスインセンティブ240万円＋各種アワード（獲得者のみ）で、計600万円強と、いきなり高めである