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国会議員ら、国政調査活動費で豪華に飲み食い 高級ワインにコンパニオン、1人5万円も

情報提供
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国政活動調査費のうち、飲み代として使われた衆参の各委員長、議長の支出額ランキング(1ヶ月分のみ)。参院の飲み代は衆院の3倍にも上る。ワイン、シャンパン、伊勢海老、江戸前寿司、懐石料理…と税金で豪華に飲食。
 衆参両院では、「国政調査活動費」として毎年、37億円前後もの税金が使われている。今回の情報公開請求によって、会員制の高級店や高級ホテルでのワイン代、コンパニオン代など含め、時には1人あたり5万円以上にもなる超豪華宴会・飲食費として浪費されていることが分かった。これらに法的根拠は全くなく、国会議員や国会職員による税金着服の疑いが濃厚だ。間近で見ている議員秘書も呆れている。番記者制度のもと政治家と癒着する大手マスコミは、具体的な事実を指摘できない。
Digest
  • 情報公開を請求
  • 調査費で豪華飲み会が開かれている
  • 疑惑の「黒塗りの飲み会」は国会の幹部職員
  • 酒を飲みまくる参院議員、1カ月で1千万円超も
  • 法的根拠なし、勝手な解釈で飲み食い
  • 秘書「こんなものは国政調査でも何でもない」

情報公開を請求

国会の予算の一つ「国政調査活動費」。衆参合わせて、平成17年度36億7,886万円、平成18年度36億6,734万円、平成19年度もほぼ同額が予算化されている。一体、これら税金はどんな用途に使われているのか、調べてみた。

平成17年度の一年間分の、衆参の国政調査費の使途を請求しようと試みた。すると情報公開の担当者は、「書類が莫大にあるので、開示まで数年はかかってしまいます。一か月分のみで、衆参の図書費や光熱水費といった恒常経費を除いた経費の明細であれば、1、2ヶ月メドで出せる」という。

そこで、平成17年度の年度末にあたる4月分に限定して請求することにした(領収書などの会計処理は、出納整理期間といって3月末ではなく、4月が年度末となる)。中身は蓋を開けてみるまでわからない。

調査費で豪華飲み会が開かれている

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上:農林水産委員会の稲葉大和・委員長は、3月16日、銀座のレストランで委員の打ち合わせと称して計30人でワイン22本、焼酎ボトル5本も注文していた。そんなに酔っぱらった状態で、何が調査できたのか。議事録を見せていただきたい。 下:外務委員会の原田義昭・委員長は3月23日、委員との打ち合わせで「メンバーズクラブジェットストリーム」という会員制の店で飲み食いし25万6,095円を支出。しかも、その6日後にも、都内の半蔵門にあるホテルで一人前1万2,000円の会席料理と、ビール、焼酎で打ち合わせし、17万3,280円を使っている。

1ヶ月後、A4用紙586枚分(衆院304枚、参院282枚)の国政調査費の明細が送られてきた。

調査のための費用なのだから、当然、関係者への聞き取りや、それにかかる交通費、宿泊費などに使われるべき税金のはずだ。明細にはICレコーダー3台7万4,400円や「公益法人等における国家公務員の再就職~予備的調査報告書400部印刷」147万105円など、国政調査に類するものも、確かにあった。

ところが、なんと、国政調査とは何の関係も認められない、国会議員の内輪同士での飲み代の請求書が次々に出てきて、驚いた。

それも1つや2つではない。衆参の各委員会は、国政調査活動費を使って、豪華けんらんな飲み会を、頻繁に開催していた。必要な打合せは国会内でアルコール抜きでやればよいはずで、高級ホテルやメンバーズクラブでワインやシャンパンを開けてやるなら、自費でやればよい。これは間違いなく税金の着服である。

 いくつか紹介しよう。

衆院では2006年3月16日、銀座のレストランで委員の打ち合わせと称して、農林水産委員会の稲葉大和・委員長が計30人でワイン22本、焼酎ボトル5本も注文している。支出は29万4500円。

2006年3月23日には、外務委員会の原田義昭・委員長が委員との打ち合わせで、都内にある「メンバーズクラブジェットストリーム」という会員制の店で飲み食いして、25万6,095円を支出。しかも同氏は、その6日後にも、委員会のメンバー11人で都内の半蔵門にあるホテルに繰り出し、一人当たり1万2,000円の会席料理と、ビール、焼酎を注文して“打ち合わせ”し、17万3,280円を使っている。

2月28日には、経済産業委員会の石田祝稔・委員長が、理事5人とキャピタル東急ホテルで、1人当たり1万5千円のスペシャルディナー、紹興酒つきの懇談会を行い13万6,636円の支出。

以下のように、情報公開した1ヶ月間で、他の委員長も同様に、打ち合わせや懇親会と称して、飲み会を開催していた。

遠藤乙彦・文部科学委員長(3月22日、計13人、中国料理、キャピタル東急ホテル、費用15万8,523円)

近藤昭一・青少年問題に関する特別委員長(3月16日、19人、ビールや竹酒、コース料理、六本木の飲食店、17万5,500円)

大野松茂・災害対策特別委員長(3月23日、9人、コース料理1万5千円、ビール、紹興酒、焼酎など、赤坂プリンスホテル、19万9,720円) 鈴木恒夫・政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長(3月28日、7人、赤坂の中国料理店、15万6,502円)

小野晋也・財務金融委員長(3月22日、22人、石鍋コース、フカヒレの姿揚げなど、六本木の台湾料理店、22万721円)


疑惑の「黒塗りの飲み会」は国会の幹部職員

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2006年2月27日に行われた、衆院議長主催の、黒塗りで隠された懇親会の明細。 上:実は黒塗りで隠した当の国会職員幹部が参加している。 中:単価の記載された料理提供品目内訳書。料理一人前2万5千円。参加人数は推定15人。総額77万超。 下:メニューの詳細。鯛や伊勢海老、黒毛和牛ローストビーフ、蟹といった高価な食材を使った料理が並ぶ。
 情報公開文書には、河野洋平・衆院議長主催の、●●●●●●の懇親会、と書かれた黒塗りの文書がある。これは、上述の各委員会よりも一層贅沢な飲み会で、衆院議長公邸で行われているものだ。2月27日に行われた、この●●●●●●の懇親会は、参加者15人、総額77万663円。1人当たりの金額は5万1,338円に上る。

●●●●●●の懇親会のメニュー表には、鯛や伊勢海老、黒毛和牛ローストビーフ、蟹といった高価な食材を使った料理が並ぶ。帝国ホテルが議長邸に料理を運ぶ、運搬費とコンパニオンの人件費は1人当たり3万3千円もかかっている。

●●●●●●の懇親会は、この日以外にも、3月14日(人数9人、総額46万1,942円、一人当たり5万1,327円、業者ニューオータニ)、3月22日(人数10人、総額59万1496円、一人当たり5万9,150円、業者ロイヤルパークホテル)と立て続けに行っている。

この黒塗りは一体何なのか国会職員に聞いた。

「黒塗りになっていて、議長が主催している懇親会にきているのは、どういった方ですか?」

「国会の職員がきています」

「国会職員の、幹部ですか?」

「ええ、そうです」と短く答えた。

幹部ということは、衆議院の事務総長を筆頭とした面々ということになる。

情報公開の文書を黒塗りにしたのは、他ならぬ国会職員だった。税金を使い、自分たちが贅沢な飲み会をしているのが、よほど後ろめたいから、黒塗りにして隠していた、としか思えない。

酒を飲みまくる参院議員、1カ月で1千万円超も

参院は、衆院にさらに輪をかけて、ひどい。衆院は、1カ月間の飲み代だけを抜き出した合計額が357万4,168円だったのに対し、参院はよほど暇なのか、その3倍の1,070万9981円もの税金を使って、飲みまくっている。

参院では委員懇親会、理事懇談会などの飲み会が

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上:参院の工藤堅太郎・内閣委員長は3月14日の委員懇談会で、フランス料理コース1人前1万5千円、海鮮しゃぶしゃぶ同1,400円、ローストビーフ同4,000円などで69万円以上を支出した。画像は、そのときの分の赤坂プリンスホテルの請求書。下:参院議長主催の全議員懇親会の請求書。金額は325万6,128円に上る。

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南 哲2008/02/01 02:51
初老男2008/02/01 02:51
民草173205042008/02/01 02:51
これはひどい2008/02/01 02:51
Z23442008/02/01 02:51
医療関係者2008/02/01 02:51
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政治家のやりたい放題2008/02/01 02:51
庶民から見ると2008/02/01 02:51
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