My News Japan My News Japan ニュースの現場にいる誰もが発信者のメディアです

ニュースの現場にいる誰もが発信者のメディアです

タクシー値上げの裏に業界から献金6千万 古賀、二階、石原…94名に“賄賂”

情報提供
ReportsIMG_I1197047171487.jpg
2006年のタクシー業界から国会議員への献金額のランキング20位。1位は二階俊博・元運輸大臣402万円、2位は石原伸晃・元国交大臣350万円、3位は麻生太郎・元自民党幹事長240万円。
 今月3日に初乗り710円に値上げしたタクシー運賃。場合によっては同じ距離で36%もの値上げのケースもありダメージは甚大だ。背景を調べると昨年1年間だけでタクシー・ハイヤー議連会長の古賀誠氏、副会長の町村内閣官房長官、二階元運輸大臣、石原元国交大臣など有力族議員を中心に、94人の国会議員にタクシー業界から計5,899万円の献金が行われていた。政官業の癒着で生活者が損失を被る、いつもの戦後日本モデルである。(94人献金詳細リスト付、会員限定)
Digest
  • 深夜は最大36%アップ
  • 94名に計約6千万献金
  • 非難続出で異例の再審議
  • 値上げを決めた閣僚会議の面々
  • 業界から閣僚にも献金
  • 「古賀誠が動いた」
  • 全乗連から最も献金を受けていた古賀誠
  • 値上げ関与は「微妙…」古賀誠事務所
  • 「一番かわいそうなのは一般の庶民」

値上げは、内閣官房長官が主催する「物価問題に関する関係閣僚会議」で最終的に決定されたが、まさにその会議のメンバーのうち、06年にタクシー業界から金をもらっていた閣僚が4名もいることが分かった。

古賀、二階、石原といった有力族議員に加え、最終決定会議の主催者である町村信孝・内閣官房長官51万円、甘利明・経済産業大臣24万円、若林正俊・農林水産大臣20万円、渡海紀三朗・文部科学大臣9万円といった具合にバラ撒かれている。主催者自らが業界からカネをもらっているのだから、結論は最初から決まっていたようなものだ。ほとんど賄賂である。

深夜は最大36%アップ

12月3日から、東京地区(23区と武蔵野市、三鷹市)、多摩地区(八王子市など)、京浜地区(横浜市、川崎市、横須賀市など)のタクシー料金が値上げした。

これまでの初乗り660円のタクシーと比較した場合、2kmまでは、改正前660円、改正後710円で、2km以上の加算距離は、改定前が274m毎に80円上がっていたのが、改定後は288m毎に90円の加算となる。また、時速10km以下の走行時の、信号待ちや渋滞時での加算システムは、これまで1分40秒ごとに80円の加算だったのが、改定後は1分45秒ごとに90円の加算になった。

 今回の値上げにより、これまでの23時から5時までの深夜料金は、3割増から2割増に下がり、深夜料金の時間帯が23時から22時に変更になった。

3割増から2割増に下がったので、一見、深夜はお得になったようにもみえるが、実は、前とほとんど値段は変わらない。タクシーの深夜料金のシステムは、3割増とは、単純に昼間料金×1.3ではなく、初乗りや加算の距離、時間が、全て1.3で割って計算するシステムだ。

つまり、初乗り2キロ÷1.3=1538mまでが深夜の初乗りになり、その後の加算距離も、274m÷1.3=210メートル毎に80円。渋滞、信号待ちの時間加算も、100秒÷1.3=76秒毎に80円に加算される。

それが今回の値上げで、深夜料金は初乗り2キロ÷1.2=1666mまでが深夜の初乗りになり、その後の加算距離は、288m÷1.2=240メートル毎に90円。渋滞、信号待ちの時間加算も、105秒÷1.2=87秒毎に90円に加算される。

この3割増が今回の値上げで2割増になるというのはどういうことかというと、比較すると、ほとんど今までと変わらない値段で、距離数によっては前よりも上がるケースも出てくる。

しかも、これまでなら、小型車といって、初乗り640円のタクシーもあった。JR新宿西口のタクシー乗り場などでは、これまでは、普通車と小型車に乗り場が分かれていた。少しでもタクシー料金を安くしようという人たちは、少々混んでいても、小型車の乗り場に並んでいたものだった。しかし、今回の値上げに合わせ、この小型車はなくなってしまった。

小型車は初乗りが20円安いだけではなく、加算距離290m毎に80円、1分45秒毎に80円と、普通車に比べ、割安だった。

この小型車と改定後のタクシー料金を、22~23時の時間帯で比較すると、最大36%以上の値上げとなる。政府によると、値上げは7%だとされているが、本当はタクシーの値上げは7%どころではないのだ。

94名に計約6千万献金

ReportsIMG_H1197040677111.jpg
全乗連は、様々な機会に料金値上げを訴えていた。写真は2006年10月20日に全乗連が冬柴鐵三・国土交通大臣に渡した要望書。要望事項の一にタクシー値上げについての要望が記載されている。『全乗連会報NOW』2006年11月号より

タクシーを値上げした理由は、タクシー会社の経営難といわれているが、06年のタクシー業界から政治家への献金額を調べたところ、自民党を中心に94名もの国会議員に、合計約6000万円もの金をばら撒いていた。献金リストは右上の表の通りだ。

特に金額が多かったのは、昨年8月にタクシー料金の値上げを国交大臣に陳情し、その後も、値上げを訴え続けていた(社)全国乗用自動車連合会(全乗連)だ。全乗連は、全国1万445のタクシー会社が参加する、各都道府県の(社)タクシー協会を束ねている。

この団体は

この先は会員限定です。

会員の方は下記よりログインいただくとお読みいただけます。
ログインすると画像が拡大可能です。

  • ・本文文字数:残り4,156字/全文5,989字

2007年1月10日に開催した全乗連の新年賀詞交歓会であいさつする古賀誠氏。全乗連会報NOW2007年2月号より。

新宿歌舞伎町に並ぶタクシー(12月5日深夜撮影)。忘年会シーズンのこの時期の値上げは、タクシー会社にとってはかき入れ時だが、終電で帰りそびれた利用者にとっては懐が痛い。

公式SNSはこちら

はてなブックマークコメント

もっと見る
閉じる

facebookコメント

読者コメント

元乗務員2008/02/01 02:51
かんべんしてや2008/02/01 02:51
続々乗務員A2008/02/01 02:51
続乗務員A 2008/02/01 02:51
乗務員A2008/02/01 02:51
ナツ2008/02/01 02:51
正義の味方2008/02/01 02:51
dd2008/02/01 02:51
値上げの目的2008/02/01 02:51
2008/02/01 02:51
タクシー高過ぎ2008/02/01 02:51
空運転は2008/02/01 02:51
こういう人たち2008/02/01 02:51
※. コメントは会員ユーザのみ受け付けております。
もっと見る
閉じる
※注意事項

記者からの追加情報

本文:全約6,700字のうち約4,400字が
会員登録をご希望の方は ここでご登録下さい

新着のお知らせをメールで受けたい方は ここでご登録下さい (無料)
企画「納税者の眼」トップページへ