【スピ28】3たび出てきた「聖職者と十字架」、自己中心的な性格見抜く
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カウンセリング待合室(当時) |
◇ 後ろ向き気分で臨んだ3回目の霊能体験
Kさんという男性霊能者を訪ねたのは2007年9月中旬、うだるような暑い日の昼下がりだった。新宿の雑踏にもまれ、場所を探してもたもたしているうちにぎりぎりになってしまった。
ようやく見つけて小走りで駆け込む。汗が腕や額から吹き出した。落ち着かない気持ちのまま部屋に通される。そこで待っていたのは温厚な表情の男性だ。年は推定50歳すぎ。覇気があって若々しい。
「すみません」
息せき切って入ってき私を前に、Kさんは微笑をたたえて穏やかに言った。
「ぜんぜん構いませんよ。はいどうぞ座ってください」
遅刻しそうになったのは、サラ金業界と早稲田大学の癒着に関する取材をしていて、その作業に追われていたためだ。加えて、カウンセリングを受けることに乗り気がしなかったせいもある。
これまでの2度、霊能者という人に会って“診察”してもらった。過去のことやら守護霊とやら、面白い体験だったことは事実だ。将来の人生設計を考えるうえで参考になった部分も多い。損をした気分はない。
ただ、しょせんその時限りのもの、あとでどうこう分析するほどのものではない、というのが正直な感想だった。私の前世が何だったかなんて、どうでもいいと思うのだ。
◇「口をつつしめ」とマスクをした侍
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Kさんのもとを訪れた頃、筆者は消費者金融業界と早稲田大学の癒着に関する取材に夢中になっていた。![]() |
「はい、三宅君の指導霊の方々…」
朗らかな声だ。毛羽立った心が少し和らいだ気がする。筆者も目を閉じてみる。
「侍がいるねえ…なんだろう? 和服…黄色いマスク。仕事なんかでマスクするときある?」
唐突に質問され、戸惑いながら答える。
--いえ。
「しない…君は我慢強い? 文句言いたいけど、我慢するような? あまり言わないほう? 批判とか」
--言うほうですけど。
私にとって「批判」はジャーナリストという職業の本質的な部分である。企業や官庁、政府を批判する記事を書いて、筆者は細々と生計を立てている。強いもの、権力を持っているものを批判する精神こそ記者のもっとも大事な心がけだと思っている。批判は日常の生活の一部と言ってもよい。
「そうですか。誰かをもうすぐ批判しようと思っていた?」
--常に言いたいことはあります。
サラ金業界と早稲田大学のことを思い浮かべながらそう答えた。すると、Kさんが笑いながら言った。
「少し言わないほうがいいと言っているよ。ふふふ。もう少し黙って人生進みなさいと言っているよ。理由はわからない。そういう時がいいときもあるんだよね、と侍が言っているよ」
少し黙れ、というのだ。批判することを肯定的に理解していた私は反発を感じた。ただ、思い当たるところもないではない。
私には集会などで発言を求められると、とりとめもなくしゃべってしまう悪い癖があるのだ。しばしば持時間を超えて主催者に迷惑をかけてしまう。私的な会話でも、他人の悪口がつい口をついて出てしまう。
考えがまとまっていないのに話そうとする、おっちょこちょいなところがあるのは自覚している。考えを練れ、慎重であれ、という意味では「口をつつしめ」は的を得ていた
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20歳代の頃は、スペイン、中南米、カリブ、アフリカなど海外を頻繁に長期訪問していた。将来を模索していた時でもある。写真は内戦終結直後のモザンビーク(1993年7月)。
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