トヨタ系部品メーカー、偽装請負を内部告発した期間工を更新日3日前の雇い止めで“報復”
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雇い止めの無効を訴えて提訴した埼玉地裁熊谷支部前でアピールする安田美貴さん(中央)と労組組合員、弁護士。 |
◇昼勤務の約束のはずが夜勤専属で7年間
安田美貴さん(仮名・29歳)が埼玉県行田市にあるジェコー(田淵武重社長)の本社工場で働き始めたのは2001年5月。大手請負業者日研総業と雇用契約を結び、請負の形で派遣された。
ジェコーは従業員約500名の自動車部品メーカーで、自動車関連の時計、インジケーター、センサー類などを製造している。
親会社であるデンソー(トヨタグループの自動車関連電機・電子部品メーカー)が34%、トヨタが15%の株を保有し、社長はデンソーから継続的に派遣されている、典型的なトヨタ系部品メーカーだ。
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安田さんが2007年6月に埼玉労働局に偽装請負を告発した申告書(1ページ目)と、7月に埼玉労働局が安田さんから聞き取りをした際の事情聴取書(抜粋)。その下は、安田さんを雇い止めしたジェコーが、その理由を質した弁護士に対して送った回答書。一番下は、安田さんたち3名の組合員が埼玉地裁に提出した訴状。![]() |
「他に働く場所がないし、しばらくの我慢、という気持ちで受けました」(安田さん)
しかし、その後も昼間勤務に戻れないまま、7年間にわたり夜勤を続けることになった。
当初はイプサム、エスティマ、カムリなどのエアコンの組み立て作業を行い、現在は、燃費を向上させるための部品である電流センサーの組み立て業務についている。
ICレコーダくらいの大きさの部品をある程度まで組み立て、次の工程に渡していく。目と神経を使う仕事で、作業は全て立ち仕事だ。
夜勤の製造ラインでは、男性は4、5人いるが、女性は安田さん一人。夜勤専属は長くても3年くらいで辞めていき、7年間というのは安田さんだけだという。
◇昼夜逆転の勤務と劣悪な住環境が体を蝕む
勤務は月曜から金曜までで、勤務時間は午後6時25分から午前3時25分までの9時間拘束。その間に45分の「昼休憩」と2回の10分休憩が入り、繁忙期には残業も発生する。休憩やトイレも自由ではなく、できる限り10分休憩か昼休憩時に行くことになっている。
仕事のやり方はトヨタのかんばん方式そのもので、職場に標語もあるという。トヨタ社員からジェコーのリーダーや課長に改善要求が出され、受け渡しの時間を短縮するためにラインの幅を狭くしろ、などの注文があるという。
毎週水曜日には、45分の休憩時間内に15分間のQCサークルが今も行われている。当然サービス残業だ。
安田さんは仕事がある日は夕方5時頃に起きて、夜勤時に食べるおにぎりを作ったり食事をしてから、自転車に乗り約10分、午後6時くらいに工場に着き、着替えてから職場に入る。
夜勤の後は寮に戻る。日研総業が借り上げた寮で、3DKの2人相部屋だ。
ふすまで仕切られただけの部屋は、石油ストーブも使用禁止で、暖房器具は小型のエアコンのみ。電気容量が30アンペアしかないため、他の熱源も使えず、冬の冷え込みは耐え難い。
食事を自炊して、風呂、せんたくなどを済ませてから午前8時頃に寝る。
睡眠時間は8時間ほどあるが、周りには学校などがあり、昼間の物音がするために熟睡はできず、起きた時にも疲労感が残る。そのため、土曜日はほとんど寝ていることが多かったという。
「だんだん体がきつくなり、25歳になった頃には疲れがとれなくなりました。
夜勤の生活に慣れるというのは錯覚です。自分では慣れたな、と思っても、長くやっていくと疲れがとれないし、遊びにいっても楽しさが出てこなくなりました」
当時の安田さんの基本給は、1日8時間勤務で6500円。夜勤手当1400円と残業代がつくが、劣悪な住環境にもかかわらず、水道光熱費とは別に寮費として2万7000円が給与天引きされる。
手取りは10万から12万、少ない月は8万円以下だった。
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上は日研総業から派遣されていた2007年8月の給与明細、下はジェコーの期間工として直接雇用された2008年1月の給与明細。出勤数は同じ16日。2008年には安田さんは寮を出ていたが、2万7000円の寮費分を差し引いても、直接雇用になって手取り額が増えたことは明らかだ。![]() |
「それでも、他に帰る場所もないし、就職活動をするにもできない状態なので、働くとしたらこの場所しかないかな、と考えていました」
◇偽装請負を告発して直接雇用を勝ち取る
自分が偽装請負で働かされていると安田さんが知ったのは、2005年11月に JAM神奈川ジェコー労働組合 に加入した時だ
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日研総業からジェコーに派遣された際の安田さんの雇用契約書には、第1条に「請負業務に従事する」とある。典型的な偽装請負だ。偽装請負の内部告発をした後の契約書では、請負業務ではなく派遣業務に変わっている。その後、直接雇用の期間工となったが、更新の際の雇用契約書では、5.特記事項に、本契約をもって「期間工」の契約は終了とする、とあり、4月からは6ヶ月間の期間従業員となった。7年間の夜勤勤務で体調を崩した安田さんは、不眠症や胃炎と診断され、診断書や傷病手当金請求書には、夜間勤務によるストレスが原因と明記された。その後、うつ病と診断され、精神科に通うが回復が思わしくなく現在に至る。労組がまとめた「分会長(安田さんのこと)労働時間」表を見ても、今年4月以降はほとんど出勤できない状態が続いている。
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読者コメント
マスコミが報道しない、真実の姿がここにはある。
派遣で働いています。ジェコーでは不倫をしてる人達が沢山いる。新入社員が入れば若い子に手を出して不倫関係になっているのが多い。
期間従業員の新井さんは社員になる為に係長、課長に体を売っている最悪な会社です。
いじめが多い。
いじめで自殺しそうになった派遣もいる。
上司は差別ばかり。
そのうち辞めようと思う。
当事者の体調は大丈夫でしょうか。医者選びは慎重にしてほしいと思います。薬が病気をより一層深刻にさせることもあります。まずは、信頼できるカウンセラーを探すことをお勧めします。
体調の悪い当事者を引っ張り回し、見世物のように扱うことだけはしないで下さい。
人事制度はトヨタ系では全く機能してません。トヨタの化けの皮が何故剥がされないか?今の社会/マスコミに問題がある。一方で書かれた給与支給額が低すぎるので「本当?デンソーの人事部は何してた?」と思った。御用組合に助けを求めても駄目でしょう。従業員を人間として扱わないデンソーよショボイ自動車を造り続けているトヨタもろとも潰れてしまえ!
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